五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

武蔵坊弁慶の生い立ち

2011年08月23日 | 第2章 五感と体感
吉川英治氏の小説、新平家物語16巻を読んでいる最中なのですが、源氏、平氏だけでなく、平家物語に登場する人物を史実に近づきながら、情け深く、情感豊かに表現しています。読者は、この感情移入に惹き込まれていきます。

数年前に、太刀を振るう弁慶を描いた大津絵(江戸時代後期のもの)を表装する機会に恵まれました。大津絵独特のユニークさが相乗効果をもたらし、弁慶の人柄に親しみを持ちながら掛け軸を仕立てました。

新平家物語では、武蔵坊弁慶は、新宮の生まれで、父親は鯨捕りの猟師で、父親が獲り損ねた鯨の上に跨り射止めた逸話が描かれています。父親はその猟で亡くなるわけですが、その後、再婚した母親の夫は、働きもせず、大酒飲みで、弁慶と姉妹は、とうとう売られてしまいます。
気の荒い弁慶は、そこで終わる人物ではありません。色々な悪さをしながら生き延びてきた弁慶は、比叡山のお坊様に出会います。その出会いにより、回心し叡山の門衆になるわけです。

五条大橋での牛若(義経)との出会いまでの生い立ちを知ることとなり、親しみを籠められた大津絵に納得したのです。

比叡山の麓、琵琶湖のほとりにある大津あたりで暴れまわった弁慶が、人々の間で情深く温かく伝わっていのは、そんな弁慶の生い立ちと人柄が民衆に伝わっていたからなのでしょう。

鞍馬で母の愛情を知らずして育った牛若と母の愛を知るゆえに人一倍情の深い弁慶が出会ったのも、きっと仏の計らいなのかもしれません。「業」とは、こういうことなのでしょう。

16巻の新平家物語、たぶん、読み終えるのに今年一杯かかりそうですが、読み終えるのが惜しいくらいです。

☆☆
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