五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

知恵を育む

2017年09月07日 | 第2章 五感と体感

夏の夜の龍口寺。日蓮さんが処刑される寸前で逃げ延びることの出来た場所で、日蓮宗にとってお参りに欠かすことの出来ないお寺です。場所は鎌倉腰越 江の島のたもとです。

知恵を育む                          2017年9月7日

朝ドラの「ひよっこ」の白石加代子演ずるお富さんは、赤坂一の美人芸者で、隠居生活は愛する人がプレゼントしてくれた家でアパート経営しながら日々を暮らしています。
そのお富さんが、自分の愛する人が亡くなる瞬間を体感で感じ、葬儀の日、池上本願寺の手前まで行き、手を合わせて帰る、という脚本でドラマが進みました。
上手な脚本だな~と思いながら、毎日感心して見ているのですが、日蓮宗の大本山である池上本願寺は、政界、財界で活躍した人々のお墓がたくさんあります。
丁度、ひよっこのドラマの時代1969年は、昭和44年。ちょうどその時期、私の母の叔母が池上本願寺の管主に嫁いでいたため、祖母は10月の御会式(おえしき)には、必ず手伝いに入っていたそうです。
一方、私の父は大森生まれで戦争中に伊東に疎開するまでは池上本願寺のあたりが遊び場だったそうです。当時の門前は風紀も悪く、親からは「絶対に行ってはいけない」と、言われていたにもかかわらず、怖いもの見たさでよく門前を覗きに行ったそうです。

母方の祖母が私11歳の時に亡くなった際の葬儀に、紫の衣を纏った僧侶が二人、高円寺の普通の民家に上がり、お経を唱えてくださったことを鮮明に覚えています。未だに入られてきた瞬間の様子が目に浮かびます。そこで初めて「気高さ」を体感したように思います。
ドラマの時代性が私の生育史と重なるので、思い出されてこなかった記憶もぽつりぽつりと蘇ってくるから不思議です。

朝ドラのお富さんは、池上本願寺の門前町を抜けて階段を上る手前で手を合わせたのか、上り切ったところで手を合わせたのか、それは分かりせんが、二人で訪れた旅先の景色や食べ物を次々と思い出し、幸福感に浸る彼女は、理想的な知恵者であることをしみじみ感じます。
心理学者エリクソンの「8つの人格形成の発達について・テキスト139ページ」の「知恵」とは、まさにこういうことだと思うのです。

幸福感の蓄積は、老いていく自分の貯金のようなもので、それを思い返し過去の幸福感を取り戻したい、ということではなく、自分の幸福感の貯金を事あるごとに思い出してその幸せの体感を思い出すことは、心身が思うように動かなくなった時の大事な知恵の一つのようにも思います。私もお富さんを目指したいものだ、、、と、思いながら、今日もドラマの展開を愉しみます。
どんな知恵を育んでいるかは、自分が命を閉じるちょっと前に分かることで、今は、まだ、ひたすら幸福感の貯金をしている最中であると解釈しています。
どんな幸福感が自分の知恵として思い出されるかは、平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩が私の目の前に次々と現れてくるまでのお楽しみと致します。

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