五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

水の風景

2008年01月13日 | 第2章 五感と体感
5歳から7歳まで住んだ福井県大野市は、水の城下町です。
いたる所に水路がありました。
そこに住む人々の生活の営みが垣間見ることのできる水場は、幼児でありながら放浪癖のあった私の憩いの場所でした。

自分の意志で出かけることのできるようになった年頃の私は、幼稚園から戻ると、不思議な一人旅に出かけるのが日課でした。今の時代、子供が一人でふらふらと散歩をするなんて、考えられませんが、その時代も、ちょっと珍しい子供だったと思います。
子供の足ですから、行動範囲も大したものではないはずです。でも、私にとっては、不思議な旅。見るもの、聞こえてくるものがすべて新鮮で、わき立つ心の情動を私自身が楽しんでいたようです。

私の憩いの場所である水場には、夕方近くになると、近所のおばさんがたが二人、三人と集まってきます。お喋りしながらダイコンやカブを洗うのです。
私は、その光景をちょっと上から眺めていました。
おばさん方の、たわしを持つ手の動かし方が滑らかで、次々ときれいになっていく野菜たちが何だかとても愛おしく見えたものです。

生きているものと水は、一心同体です。水がなくては生きてゆけません。
先日の勉強会で、水は自分を映し出すもの、とおっしゃった方がいました。その通りです。清らかな水に出合うと清らかに心が流れ、淀んだ水に出合うと心も淀みます。

今年も豊かに湧き出す水を求めて、潤いのある日々を送りたいものです。

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