五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

長岡の花火

2018年08月04日 | 第2章 五感と体感


長岡の花火  2018年8月4日

長岡の花火大会を屋形船から見たのが3年前。
一緒に花火を観たお一人が昨年9月に急逝されたので、今年の花火大会は新盆の花火であることに気付き、テレビで放映された花火を二日続けて観ました。

あの時は、「これから長いお付き合いを宜しく」という心情を籠めてあいさつしたのに、まさかその二年後にお別れするとは思いもよらず、そして、そのような思いで打ち上げた花火を観ると、今までとは違った思いが湧いてくるのでした。

亡き人への思いを籠めて打ち上げる花火は、御霊(みたま)そのものであり、人の人生にも繋がるように思えてきます。

大きな花火であればあるほど、打ち上がり、火の粉が散る様子は、自分の遺伝子の中に在る「もののあはれ」が蘇ってくるようにも感じます。

スケールの大きさと打ち上がる大きな音と匂いを五感で感じ取る体感は、テレビからはさすがに伝わりませんが、長岡で直に観た経験と重ねながら、心静かに御霊との対峙が出来たように思います。

私は帰る田舎というのを持っていません。転勤で幼少期に住んだ場所や好きな奈良や琵琶湖の畔で回帰するような心地を持つわけですが、自分の生まれ育った故郷が定着している人に羨ましさを感じるのが、このような祭の時かもしれません。
祀るための慣習に憧れつつ、あちらこちらを彷徨うのは、生きているうちには叶わない「自分の定着」をひたすら求めている故なのかもしれません。

亡き人へ手向けつつ、花火の意味を考えた二日間でありました。
合掌。


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