五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

新平家物語

2011年06月25日 | 第2章 五感と体感
数日前から新平家物語を読みだしました。

猛暑の夜の寝苦しさが幸い?して、新平家物語は寝苦しい夜の「友」になっています。

吉川英治著の新平家物語は、勿論、平清盛の生い立ちから始まるわけですが、その頃の庶民の様子、町の様子、諸々のことを情緒豊かに描き出しています。また、登場人物から湧き出す感情の表現は痛ましいほど臨場感があります。

人々の暮らしぶりや、喜怒哀楽の諸々を読んでいるうちに、読んでいる私自身との感情の比較が始まります。歴史を知ることは当然の事ながら、登場人物の「思考と感情と行動」に感情移入していくと、まるで自分が平清盛の時代に暮らしているような気分となり、映像が頭に浮かんできます。

ちょうど、我が家の夏椿(沙羅双樹)が咲きだし、この数日間の酷暑で咲いた花の花もちが悪く、咲いては落ち咲いては落ち、毎朝、落ちた花の掃除が日課となっています。
祇園精舎の鐘の音を夏椿から感じ取りながら、山間の大原の寂光院に思いを馳せると、多少の涼しさが空の上から下りてくる感じがしてきます。

超大作の16巻。読み終えるのはいつの頃か未定ですが、読み終えたら、今度は「平家物語」を読むのを目標に、当分楽しむことができそうです。

能を始めたおかげで、読むことを遠巻きにしていた日本の超大作文学にようやく手をつけることができていることに感謝しています。
きっと、読み終えたら、太極拳を始めたお陰で「三国志」にハマるのではないかと、、、自分の単純さに頭を掻いております(笑)

酷暑の夏、私の涼み方は、扇風機の前に座り、作家吉川英治が観た平家物語の悦に浸ることでしょうか。

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