五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

那智の大滝

2013年12月04日 | 第2章 五感と体感
熊野三山巡りは、那智の大滝から始めました。

現在伊勢から新宮までは、高速道路が出来つつあり以前より行きやすくなってきましたが、完成した道路がいくつかに分断されているため情報が少なく、カーナビが混乱したままの状態で新宮に到着しました。
夕刻の熊野灘を眺めながら中上健次の「枯木灘」だったか「岬」だったか定かではありませんが、主人公の「秋幸」という名前をを思い出し、彼の小説の原点の風景を目の当たりにしたことに今更ながら小さな感動が芽生えてきました。

翌日、熊野三山の一つである那智大社の参拝。熊野古道の「大門」駐車場に車を止め、そこからおよそ3,40分ほど歩くと那智大社の入口に着きます。そこからがちょっと大変で、急な上りの階段が続きます。
那智の大滝には那智大社があり、同時に天台宗の青岸渡寺があり、これらを参拝すると少し先に見える三重塔の右側に那智の大滝が確認できます。
那智の大滝は、そこからあるくこと20分程。

大滝の入口参道には改めて鳥居があります。

那智の大滝では、大きなメイン寺社が3つあるので、頂いたご朱印は3つとなりました。

並列的な寺社の並びに、明治に入ってからの廃仏毀釈で、堂々と生き延びた青岸渡寺に心の中で拍手し、有難く参拝させていただきました。

寺社は二年前に受けた台風の被害からすっかり復興し、勢いを感じました。

但し、那智の大滝の被害は甚大で、大滝の規模は変わりはありませんが、滝壷土石で埋まってしまい、大きな石がごろごろと積み重なっている様によくぞ滝が痛まなかった、と今更ながら安堵で胸を撫で下ろしました。
滝から落ちる川の被害は目の当てようも無く、世界遺産となっていることもあり、現状を崩すわけにはいかないということで、とてもデリケートな工事が未だに続いています。

被害が甚大であることを口にすれば、観光に影響すると思われている地元関係者が多いらしく、甚大な被害についての口は閉じられたままであったことも日本人のアイデンティティを象徴しているように思いました。参拝の印象よりも口を閉じることの印象の方が強かったことが私の所感です。熊野三山巡りにおいて、このことは一番興味深い印象となりました。

一日も早く、河川が落ち着きますよう祈るばかりです。

とはいえ、初めての那智の大滝は、素晴らしいものでした。

そして、勿論、太極拳。
大滝を観覧する場所が空いていたのが幸いで、是非ともここで太極拳を、と願っていたことが叶いました。
大滝に向かってリツゼンし、呼吸を整え瞑目もでき、神様の柱を目の前に滝の音に耳を澄ます時間を頂くことができたことも大きなお恵みです。

毎年7月14日に行われる火祭りでは、50キロの重さのヒノキで拵えた松明を担ぎます。一度火祭りを直に体験したいものです。

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12月6日から8日まで 神宮前の「渋谷のIMA」(神宮前6-17-14六英ビル4階)にて「ちいさく表装・作品展」を開催します。今回は各講座の指導員の表装を展示します。いまようの住まいにも馴染む掛け軸をぜひご覧ください。

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