五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

粋なしつらえ

2015年10月15日 | 第2章 五感と体感
粋なしつらえ2015年10月15日

表装のお話

作品(本紙)を活かすためにどんな裂を使い、どんな形式でしつらえるか。
のんびりと本紙を眺め、昔の植木職人のように、形の良い松の枝を一枝切っては、一服して。。。という面持ちでしつらえを思い巡らす時間は、ほんとうに楽しいものです。
技術の修業もこの時間を楽しむことを考えると、頑張りがいがあるというものです。
持ち主の本紙への思い入れとか出合い方などをお聴きし、本紙の中もできるかぎり解読し、着せる裂を選んでゆくのですが、どうせ着せるならば素敵なべべを着せたいものだという親心もふつふつと湧いてきます。

どのくらい粋なしつらえができるかは、やはり、掛けたい人の人生の軌跡によるかもしれません。それを感じ取る事が作り手の役割でもあるのです。
お高い裂や名物裂、派手さのあるものばかりに目が行ったとしてもそれが本紙に似合うかどうかは、わかりません。かといって、無難なしつらえで無事に通すことは誰にも出来る事でありましょう。

一日かけて持ち主と語らい関係性を熟しながらデザインのイメージを湧かせてゆくことは、建物の設計とも似たものがあるようにも思います。

精巧な日本の伝統美や匠の仕事に値段がつかない、というのもそのような精神性があるからだとも常々思います。
粋なしつらえを目指したいと思うと、未熟な自分でもこの心意気を大事にしたいという情動が湧いてくるから不思議です。

人生の楽しみって、こんな喜びの体感から生まれるものなのかもしれません。

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