五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

父のパン

2013年02月17日 | 第2章 五感と体感
成るべく週に一度は、実家で食卓を囲むことを目標にした今年。
母の具合も段々と良くはなってきても、無理をすればまた悪化するので、それを戒めに行くのも娘達の役目のようです。

父は、高度成長期に、我が家を顧みず働いてきた典型的な企業戦士でした。
もともと物が捨てられない傾向にあり、父の書斎と周辺の部屋には、学生時代収集していたシダの標本やら本やら、短波放送の歴代機械、パソコン関係で埋まっており、整理整頓ダンシャリ好きな母は、父の知らぬうちにせっせと捨てておりました。そんな母が10年前に大腿骨骨折してから色々な痛くなり、それでも頑張って整理整頓ダンシャリを遂行していたわけです。
しかし、いよいよ頑張っていた身体が悲鳴を上げ、昨年末に腰の痛みでダウン。
初代秋葉系?の父も、自分以外の事に目を向けざる得ない環境に。。。

もともと家電好き、新し物好きな父ではありましたが、母のテリトリーであるキッチンにも浸食が進むことに拍車がかかったようです。

最近は、パンを作るためのゴパンのようなパン焼き機を購入し、自分でブレンドした粉でパンを焼きご満悦。
そして、昨日実家に行くと、新しい圧力鍋が。。。どうもそれで、自分だけが食べる玄米を炊いているようです。

そういえば、先週、父との会話で、私が仕事から帰宅し、急いで食事を作る時に圧力鍋がとても便利だと云う事を話したことを思い出しました。レンジでチンよりも健康的だという見解にヒットしたようです。

母のお城であるキッチンに父の物欲が浸食し出し、あれまぁ~という状況が目立ち始めましたが、これもまた、互いを補う健やかな傾向であると、私なりに納得したわけです。

できることなら、そろそろ年齢を重ねるごとに、物は少なくしたいと決意はしていますが、物が欲しくなる気持は、生きるエネルギーであることも忘れてはならない、と、しみじみ思います。

適度な物欲で整理力は身につけていきたいものです。

そして、今朝は父のパンを頂きました。ブレンドしてボタンを押すだけではありますが、とりあえず父が作ったものを頂くのは、40数年前に母が風邪で寝込んだ時に、缶詰のカレーでさえ鍋に入れて焦がした父との夕食以来だと、にやりとしている娘です。同時に妹と二人で、なんとなく哀しい気持で焦げたカレーを頂いたあの時の空気感を思い出しています。

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