五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

音の情景

2010年03月07日 | 第2章 五感と体感
バンドネオンのコンサートを聴いてきました。

アルゼンチンタンゴには欠かせないアコーディオンと似た形の蛇腹の楽器です。
バンドネオンはもともとドイツで生まれた楽器で、貧しい人のためのミサに使われていたのが起源だそうです。「場末のミサ」の楽器という言葉があるそうです。

なるほど、船に乗せる楽器としては、持ちやすく移動が簡単です。

タンゴの曲だけではなく、現代音楽の理論にに憂いげな喜怒哀楽を入れたような理屈っぽさを感じるものもあります。フラメンコにもそんな要素があるように思いますが、情熱の彷彿が理性的に体系付けられているからゆえに聴く者の感性をより広げていくのでしょうか。
アルゼンチンには、深い魅力のある知的な芸術家や作家が多くいるのは、海を隔てたスペインとの歴史的背景が、思索を深めるアイデンティティを育んだのかもしれません。

、、、ラテン音楽を聴いていると、意外にも屁理屈をこねる自分がいます。
自分の中からは絶対に湧いてこない想像力に対する嫉妬もあるかな、、、

バンドネオンやアコーディオンはパリの街角で平素耳にする音でもあります。屁理屈をこねながらもパリの街の乾いた空気と石の建物から生み出される反射音が蘇りました。セーヌ川のほとりを歩きながらライラックの彩(いろどり)を楽しむ気分は最高です。春になると冬の灰色の街を一気に明るくします。音楽から見えてくる情景は、なぜかずっとパリでした。

これからますます活躍する若きバンドネオン奏者平田さんにエールを送ります。ありがとうございました。楽しみました。また聴きに伺います。

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