五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

距離を置く

2016年08月06日 | 第2章 五感と体感
距離を置く2016年8月6日

「何故この人は私に近づいてくるのだろう」
逆に、
「何故、自分は、○○さんに話を聞いてもらいたいと思うのだろう」

何らかの不安感があると、人によって自分一人で溜めておく器の大きさや種類も違うようです。
思いもよらない告白をされたり、想定外の怒りをぶちまけられたり、そのような経験をすることは人生の内で何度かはあると思います。
自分に置き換えてみても、我慢するあまりに、怒りの感情が深くなってしまうこともありましょう。段々と湧いてくる感情の処理が上手くなってくると、沈黙することが一番の気の鎮め方である事も体得されてきますが、自分が処理不能な事であったり、理に叶わないことであれば、沈黙することで解決は難しいと思います。

守秘義務を守ることのできる信頼できる人が身近にいれば、その人に話す事も解決策の一つかもしれませんが、自分の中にある答えが見えているにもかかわらず、相手から自分の答えを引き出そうとしても、それはどうでしょう。
自分の生育史から構築されている考え方や感情を「自分の思い通りの他者の同調」において理解してもらうことは、不可能であるはずです。

「他者を解る」というのは、話の内容ではなく「他者の感情を知って、できることならそれに寄り添う」ことであるように思います。
自分の中にあるはずの答えを出したくないという無意識が、もしかしたら、他者に何らか防衛機制で迫っているかもしれません。酷い場合は、何も罪も無い親切心のある友人を悪者にしてしまいます。
悪者にされた方は、堪ったものではありません。

相手に過剰な依存を予感したら、静かに距離を置く事です。
執拗な連絡も、勇気をもって断つ事が大事なことかもしれません。
距離を置くことに罪悪感を持つと、自分の罪悪感の隙間に相手の依存が入り込んできます。
静かに距離を置くと、相手は更に別の人に矛先を向けていくかもしれませんが、それは、距離を置いた自分の責任ではありません。
年齢を重ねてゆくと、自分が楽な相手とお付き合いすることが叶いやすくもなります。子育てや仕事の様々な人間関係においては、多様な人が自分の見える周囲を取り巻きます。そこから取捨選択する事に自由がきかないことも大いにあります。
自分の心地よい環境を選んでいくことが、自分を守る一番の秘訣であるでしょうが、その心地よい環境が、他者に依存しているかもしれないことを今一度点検してみることも、上手な距離の置き方に繋がるかもしれません。


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