五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

里山から湘南経由でやっぱり奈良

2011年05月29日 | 第2章 五感と体感


昨晩、夕食の片づけをしながら、里山特集のテレビ番組を見ました。

自然の中で、田畑を作り、集落をつくり、森や水と共存していく生活。

昔は、田んぼを見るとゲンゴロウやメダカ、カエルが当たり前のようにいました。澄んだ水辺に住んでいる生き物を眺めたくて、自転車飛ばして田んぼのあぜ道を走ったことが思い出されました。

小学生の頃住んでいた茅ヶ崎は、まだまだ田んぼや畑が広がっていました。

国道一号線から東海道線の線路を渡るところまでは商店街があり、松林の中に建つ家を眺めながらしばらく走ると海に着きました。

茅ヶ崎海岸は、サザンビーチで有名ですが、その前はパシフィックホテルがシンボルで、そこのボーリング場に行くことが、子供の私にはちょっとした変化のある楽しみでした。
確か、映画館が二つあり、さいか屋デパートが唯一の大きな建物で、洋食をオシャレ?に頂く「ルアン」というレストランがありました。

私が茅ヶ崎を離れる頃には、大型店が出来始め、茅ケ崎北口商店街の銀座通りは、だんだんと寂しくなっていったように記憶しています。

茅ケ崎という場所は、私のアイデンティティを育んだ場所であるという自負があります。

父の仕事の関係で、生まれてから7年間は関西に住み、基本的には父母の両親が住む東京を軸としながら湘南と横浜で暮らしてきたので、土地に根付くという概念に欠けているような気もしますが、それが無いがゆえに横浜に住み続けることに執着したように思います。

里山の四季折々の自然と気候と共に生きる体験が薄い自分は、ついつい「一番大事なこと以外」のことに囚われて生活しているのかもしれません。

結局、デラシネのようにいろいろな土地に住む経験をした私が到達したのは、揺るぎない魂の故郷を感じる場所を感じることを愉しむ事です。
二月堂から東大寺本殿の裏手、講堂の遺跡に繋がる路に不思議なリアルな体感を思い起こすような懐かしさを感じる事で、勝手に「東大寺」が自分の魂の故郷だと決めているわけです。

里山の風景をテレビで見ながら、やはり魂の故郷は、奈良だなぁ~と再確認した次第です。

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