先日10数年振りにボクシングマガジンを購入した。
勿論、話題になったWBC世界フライ級タイトルマッチの詳細を読むのが目的であったが、高校時代は毎月この月刊誌を購入していたものだった。そこにはこの試合の試合内容の詳細や総括が的確に論評されていた。
さすがに専門誌だ。例えばこの試合の内容ははっきりと凡戦であり、それは両者間の力の隔たりがありすぎたからであると。また試合前日の調印式での大毅の刺激的な発言そして内藤陣営が作成した“国民の期待に応えます”ポスターについても
“試合を盛り上げる為なら、どんなデモンストレーションがあっても良い。プロフェッショナルなのだから、注目を集め、人気を勝ち得た者もまた勝者である。個人的には亀田一族の傍若無人とも思える言動も充分に許せる。”
と前置きしたうえで “それは万人が認めるスキルとスリルがその実際の試合に期待出来てこそだ”と絞められている。
そして
両者間の実力差から順当なら内藤の中盤までのKO勝が予想された、との事であったがそれでもポンサクレック戦から中3か月で臨んだ初防衛戦にコンディションに問題があればパワーと若さのある大毅にも番狂わせのチャンスは皆無では無いとの試合前の予想。しかしゴングが鳴って1ラウンド、2ラウンドを過ぎて早くも“専門家”の目にはその両者のボクシングの質量の違いが露呈されたらしい。頭にグラブを押しつけて、頭を低くして前進する大毅のいつものスタイルからパンチが繰り出せなかったのはこれまでの対戦相手と異なり躍動する世界王者との違いであっただろう、そして自分が前に出てくる前に例えグラブの上から打ち込まれても出鼻を挫くのに十分であり、時当たったボディーブローにより更に出足は鈍った....
との事であった。
あるテレビ番組で内藤に浴びせられた
“なぜあなたが格上なのに大毅と打ち合わなかったのですか?”
と言う質問がいかに的を外れた愚問だと言う事がよくわかる。それでも世界王者の内藤は丁寧にボクサーには一人一人独自の打ち合う時の得意な間合いがある事を説明していた。最終ラウンドの反則行為も内藤がそこまで大毅を追い込んだ現れとの事。ただレフェリーが減点処分をオフィシャル、各ジャッジに指示する間大毅が小さくガッツポーズを取っていた事を見逃さず、それを
“強がりや無邪気で済まされない行動。”
と批判している。このガッツポーズについては他のどのマスコミも見逃している。
それでも大毅の将来性については高く評価しており“敗戦は一時の恥。ここから何を学ぶかでこの少年ボクサーの将来は定まる”と結んでいる。
元世界王者のコメントの中にも“圧倒的不利と言われる中、チャンピオンに対して失礼と言う批判はあるが負ければ切腹と退路を断って、世界戦に挑んだその勇気は評価に値する。”との批評もあった。そしてみな異口同音に18歳で12ラウンド戦い抜いた事を評価しその将来性に期待できるとも….
その世界戦が終わって2週間以上が過ぎてもまだマスコミはこの話題に縋っていたい様だ。10月17日、JBCから処分が発表された翌日、金平会長、史郎氏が記者会見を行ったがその“謝罪”が不十分とマスコミは騒ぎだし、26日には長男の興毅が“謝罪記者会見”を行った。しかし私はこの経緯に疑問を感じないでいられない。
誰に謝罪する必要があるのか???
あの世界タイトルマッチで一番“被害”に合ったのは対戦相手の内藤大助のはずだ。その当の本人が大毅から直接謝罪を受け、史郎氏からも謝罪の電話を貰い、内藤自身がもうこれで終わりにしたいと言っているのに誰にそれ以上謝罪しろというのだろう?? 世間を騒がせた云々というマスメディアもあるが、騒がせているのはマスメディア自身で我々一般人はその報道を見ているだけだ。また各界の著名人がコメントしているが彼らに何の被害が及ぼされたのだろうか?????
それにマスコミは亀田騒動の中にも内藤大助を組み込み更に騒動を大きくしようとしている。心配なのは内藤の次の防衛戦の準備がこれに影響される事だ。
反則指示
インターバルの間にマイクが偶然史郎氏や興毅の反則指示の声を拾ったらしい。そして内藤自身も大毅のサミングや太もも叩きなど見えないところでの反則に悩まされたらしいが、実際に肘を入れられたり、タマを打たれたりはしていない。反則指示そのものは決して許されるものでは無いが、よくプロ野球ではベンチからマウンド上の投手に“ぶつけてやれ!!”と指示する監督が何人もいるらしい。特にロッテ監督時代のカネやんが….. 一度たまりかねた野村克也氏が“カネさん、あんたぶつけろって言ってもしぶつけられた打者が怪我でもしたら手錠が掛かるよ。”と直接言ったらしいが….それでもカネやんをはじめプロ野球の監督が記者会見まで開いて謝罪した話は聞いた事は無い。
そして10年程前、東京大学アメリカンフットボール部が関東大学リーグで好成績を上げてテレビの特別番組が組まれた事があった。その東大ウォーリアーズがある大学との試合前で試合に集中する為に、そして自らを鼓舞する為にリーダーの掛け声に合わせて大声を出すのだが、その中で“ぶちかましだ、ぶちかましだ”と叫ぶシーンに続き“病院送りだぞ、病院送り”と叫んでいた。しかし、これに対して誰も何も謝罪を求めない。東大生なら良くてボクサーならダメってことなのかな?そして反則指示を出すのなら東大に入れってことかぃ??
久々に購入したボクシング専門誌を隅々読むと一連の亀田騒動と異なりボクシングのスポーツとしての面白さが、高校時代にテレビで楽しんだあの面白さがよみがえって来た。世界ランクの表を見ても昔は WBA と WBC しかなかったが今は IBF WBO と団体が二つ増えている。最もJBCが認めているのは WBAと WBC だけらしく、IBFには日本人ランカーは皆無だ。そして亀田興毅は WBC フライ級の3位、WBAフライ級1位にランクされておりWBOでは15位となっている。かつて多くの世界王者を輩出した韓国勢は世界王者は皆無で東洋太平洋ランキングで一人チャンピオンがいるだけだ。かつては東洋太平洋ランキングで王者になり世界戦に臨んでいたので殆どのクラスが韓国人ボクサーで占められていたのだが…..
またクロアチア、オーストラリア、ドイツなど昔は見られなかった国や地域からも世界王者が誕生し、かつて全ての団体でアメリカ人ボクサーが独占していたヘビー級はウズベキスタン、カザフスタン、ロシア、ウクライナの旧ソ連邦のボクサーで占められている。
ボクシング専門誌10数年振りに読んだ後の感覚はよく冷えた清涼飲料水を飲んだあとの爽快感の余韻に浸っている様だった。こえを機に少しボクシングも読み直してみようか…… これも亀田効果の一つなのかもしれない……
勿論、話題になったWBC世界フライ級タイトルマッチの詳細を読むのが目的であったが、高校時代は毎月この月刊誌を購入していたものだった。そこにはこの試合の試合内容の詳細や総括が的確に論評されていた。
さすがに専門誌だ。例えばこの試合の内容ははっきりと凡戦であり、それは両者間の力の隔たりがありすぎたからであると。また試合前日の調印式での大毅の刺激的な発言そして内藤陣営が作成した“国民の期待に応えます”ポスターについても
“試合を盛り上げる為なら、どんなデモンストレーションがあっても良い。プロフェッショナルなのだから、注目を集め、人気を勝ち得た者もまた勝者である。個人的には亀田一族の傍若無人とも思える言動も充分に許せる。”
と前置きしたうえで “それは万人が認めるスキルとスリルがその実際の試合に期待出来てこそだ”と絞められている。
そして
両者間の実力差から順当なら内藤の中盤までのKO勝が予想された、との事であったがそれでもポンサクレック戦から中3か月で臨んだ初防衛戦にコンディションに問題があればパワーと若さのある大毅にも番狂わせのチャンスは皆無では無いとの試合前の予想。しかしゴングが鳴って1ラウンド、2ラウンドを過ぎて早くも“専門家”の目にはその両者のボクシングの質量の違いが露呈されたらしい。頭にグラブを押しつけて、頭を低くして前進する大毅のいつものスタイルからパンチが繰り出せなかったのはこれまでの対戦相手と異なり躍動する世界王者との違いであっただろう、そして自分が前に出てくる前に例えグラブの上から打ち込まれても出鼻を挫くのに十分であり、時当たったボディーブローにより更に出足は鈍った....
との事であった。
あるテレビ番組で内藤に浴びせられた
“なぜあなたが格上なのに大毅と打ち合わなかったのですか?”
と言う質問がいかに的を外れた愚問だと言う事がよくわかる。それでも世界王者の内藤は丁寧にボクサーには一人一人独自の打ち合う時の得意な間合いがある事を説明していた。最終ラウンドの反則行為も内藤がそこまで大毅を追い込んだ現れとの事。ただレフェリーが減点処分をオフィシャル、各ジャッジに指示する間大毅が小さくガッツポーズを取っていた事を見逃さず、それを
“強がりや無邪気で済まされない行動。”
と批判している。このガッツポーズについては他のどのマスコミも見逃している。
それでも大毅の将来性については高く評価しており“敗戦は一時の恥。ここから何を学ぶかでこの少年ボクサーの将来は定まる”と結んでいる。
元世界王者のコメントの中にも“圧倒的不利と言われる中、チャンピオンに対して失礼と言う批判はあるが負ければ切腹と退路を断って、世界戦に挑んだその勇気は評価に値する。”との批評もあった。そしてみな異口同音に18歳で12ラウンド戦い抜いた事を評価しその将来性に期待できるとも….
その世界戦が終わって2週間以上が過ぎてもまだマスコミはこの話題に縋っていたい様だ。10月17日、JBCから処分が発表された翌日、金平会長、史郎氏が記者会見を行ったがその“謝罪”が不十分とマスコミは騒ぎだし、26日には長男の興毅が“謝罪記者会見”を行った。しかし私はこの経緯に疑問を感じないでいられない。
誰に謝罪する必要があるのか???
あの世界タイトルマッチで一番“被害”に合ったのは対戦相手の内藤大助のはずだ。その当の本人が大毅から直接謝罪を受け、史郎氏からも謝罪の電話を貰い、内藤自身がもうこれで終わりにしたいと言っているのに誰にそれ以上謝罪しろというのだろう?? 世間を騒がせた云々というマスメディアもあるが、騒がせているのはマスメディア自身で我々一般人はその報道を見ているだけだ。また各界の著名人がコメントしているが彼らに何の被害が及ぼされたのだろうか?????
それにマスコミは亀田騒動の中にも内藤大助を組み込み更に騒動を大きくしようとしている。心配なのは内藤の次の防衛戦の準備がこれに影響される事だ。
反則指示
インターバルの間にマイクが偶然史郎氏や興毅の反則指示の声を拾ったらしい。そして内藤自身も大毅のサミングや太もも叩きなど見えないところでの反則に悩まされたらしいが、実際に肘を入れられたり、タマを打たれたりはしていない。反則指示そのものは決して許されるものでは無いが、よくプロ野球ではベンチからマウンド上の投手に“ぶつけてやれ!!”と指示する監督が何人もいるらしい。特にロッテ監督時代のカネやんが….. 一度たまりかねた野村克也氏が“カネさん、あんたぶつけろって言ってもしぶつけられた打者が怪我でもしたら手錠が掛かるよ。”と直接言ったらしいが….それでもカネやんをはじめプロ野球の監督が記者会見まで開いて謝罪した話は聞いた事は無い。
そして10年程前、東京大学アメリカンフットボール部が関東大学リーグで好成績を上げてテレビの特別番組が組まれた事があった。その東大ウォーリアーズがある大学との試合前で試合に集中する為に、そして自らを鼓舞する為にリーダーの掛け声に合わせて大声を出すのだが、その中で“ぶちかましだ、ぶちかましだ”と叫ぶシーンに続き“病院送りだぞ、病院送り”と叫んでいた。しかし、これに対して誰も何も謝罪を求めない。東大生なら良くてボクサーならダメってことなのかな?そして反則指示を出すのなら東大に入れってことかぃ??
久々に購入したボクシング専門誌を隅々読むと一連の亀田騒動と異なりボクシングのスポーツとしての面白さが、高校時代にテレビで楽しんだあの面白さがよみがえって来た。世界ランクの表を見ても昔は WBA と WBC しかなかったが今は IBF WBO と団体が二つ増えている。最もJBCが認めているのは WBAと WBC だけらしく、IBFには日本人ランカーは皆無だ。そして亀田興毅は WBC フライ級の3位、WBAフライ級1位にランクされておりWBOでは15位となっている。かつて多くの世界王者を輩出した韓国勢は世界王者は皆無で東洋太平洋ランキングで一人チャンピオンがいるだけだ。かつては東洋太平洋ランキングで王者になり世界戦に臨んでいたので殆どのクラスが韓国人ボクサーで占められていたのだが…..
またクロアチア、オーストラリア、ドイツなど昔は見られなかった国や地域からも世界王者が誕生し、かつて全ての団体でアメリカ人ボクサーが独占していたヘビー級はウズベキスタン、カザフスタン、ロシア、ウクライナの旧ソ連邦のボクサーで占められている。
ボクシング専門誌10数年振りに読んだ後の感覚はよく冷えた清涼飲料水を飲んだあとの爽快感の余韻に浸っている様だった。こえを機に少しボクシングも読み直してみようか…… これも亀田効果の一つなのかもしれない……
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