熱戦 激戦 粘戦 宿敵倒して日本連覇
1点リードの9回裏。この回からマウンドに上ったダルビッシュ有は先頭打者の代打鄭根宇をスライダーで三振に打ち取ったが、続く金賢洙をストレートの四球、そして金泰均も歩かせた。日本投手陣が今大会金泰均に与えた4個目の四球だ。
初戦で松坂が2ラン本塁打を打たれており、また準決勝のベネズエラ戦でも本塁打を放っているせいか金泰均には外角中心の配球だ。この試合はこれまで無安打だったがこの打席はスライダーが外に外れて歩かせた。
そして韓国チーム唯一の MLB 選手秋信守を迎える。5回には岩隈からセンター越えにソロホームランを打っている。しかしここはスライダーがうまくコントロールされ三振。大会連覇まであと一人となり打席に李机浩を迎える。前の打席では岩隈から2塁打を放ちホームを踏んでいる。 李机浩は昨シーズン韓国リーグでは19本塁打77打点。今大会はここまで対日本戦14打数4安打、Round 2 Game 6 では田中将大から本塁打を打ち、Round 2 Game 4 ではダメ押しの押し出し四球を岩田から選んでいる。なんだか“ラッキーボーイ的要素を持った” 嫌な選手だった。
日本バッテリーは初球 130km のスライダーで入り2球目は内角に150 km のストレートでストライクを取った。前の打席では岩隈のスライダーを打ち返している。スライダーかストレートか。ダルビッシュがこの試合投じた 21 球目のスライダーは甘く内側に入り、李机浩は渾身のスイングで打ち返し三遊間を破る。 金賢洙の代走の2塁走者 李鐘旭が駆け抜け同点ホームを踏んだ。 李机浩の一撃も見事だったが代走を送った金寅植監督の起用も見事。北京五輪の準決勝戦で李大浩の代走として起用された鄭根宇が代打李鎮万のタイムリーで同点ホームを駆け抜けた事を思い出した。
あぁ藤川はどうした、涌井を続投させても良かったか….. 9回表のチャンスに追加点が入っておれば….. 韓国ベンチ、韓国応援団が大騒ぎのなか高永がボックスに入る。ダルビッシュは続投だ。 高永とてここでサヨナラを打てば日本が3回に先制点のきっかけとなった失策と5回同点後2塁で狭殺された借りが帳消し出来る。
しかし日本バッテリーは150kmを越えるストレートを3球続け 2-0 からの1球ファールの後の4球目、スライダーを空振りさせ逆転は阻み決勝戦は延長戦に持ち込まれた。 土壇場で追いつかれたのは痛かったが韓国も3,4番に代走を送って勝負をかけたイニング。このまま延長にもつれ込めば総力戦では日本が有利になると思った。
10回表の日本の攻撃、先頭打者の内川が 2-1 から右翼方向に打ち返し出塁を果たし、続く稲葉が初球を送りバントを決め岩村を迎える。東京ラウンドでは不振であったがアメリカに来てから準決勝を終えて14打数7安打。この試合では7回に韓国2番手鄭現旭から犠打を打ち追加点の3点目をもたらした。この打席ではレフトに流し打ち1,3塁とし川崎が代打に送られる。しかしここはマウンド上のヤクルト所属のリリーフエース、林昌勇が踏ん張り初球を内野フライに打ち取る。見逃せばボールではなかったか??
だが次に迎えたのは世界のイチロー。この試合はこれまで3安打。 バッテリーが勝負に出るかが見どころ。初球を147kmのストレートを投げ込みここは勝負。 続く2球目に岩村が2塁に走るがバッテリーは無警戒。ここで1塁が空くも次の一投は 149km のストレートをアウトハイに。イチローの打った打球は3塁側スタンドに入る。ここは勝負と決めたか? 2-2 からの8球目、それまでストレートで押していたバッテリーが選んだ球種はスライダー。それが高く入った。イチローのバットがその甘い球をセンターに打ち返し2者を迎え入れた。 日本列島が歓喜に沸いた瞬間だ。
でもバッテリーはどうしてイチローとの勝負に出たのだろう?? 9回からベテラン朴勍完から若い姜鍋に替ったのも影響したか??
イチローには最高の場面が巡ってきて最高の結果を出す。正に千両役者のひと振りだった。 そして韓国にはもう追い付く力は残っていないとも確信できた。
緊張の日韓対決。球技の世界一決定戦を日韓で争うなんてこれまであっただろうか…。一足先に韓国が決勝進出を決めた時に、実にいやな予感がした。 80年代に入りスポーツ界において韓国の台頭は非常に顕著になり “サッカー以外は韓国に勝てる”といった概念が次第に薄れて来るようになった。貧困の70年代を経て1980年代に入り経済状態が向上したことが最大の要因と思う。
そして1981年のIOC Congress で名古屋を抑えてソウルが1988年の五輪開催都市に選ばれスポーツの強化が始まった。強化の過程はアジア大会、五輪のメダル数に顕著に表れるようになった。 1982年ニューデリーで開催されたアジア大会、日本は中国に金メダルの数で抜かれてしまいスポーツ界での“アジアの盟主”の座を明け渡した。2年後ロス五輪の前、当時学生だった私は韓国からの留学生達が
“日本はスポーツが強い国です。韓国はこれまで五輪で金メダルを2つしかとった事がありません。”と話してくれた。
私は“でもソウル五輪が近いからこれから韓国も強くなりますよ。”と応えたのを覚えている。本音は日本サッカーにもっと韓国といい勝負をして欲しいと言う事だったけど…..
ロス五輪でのメダル数こそ日本は韓国を上回ったが(日本:金10 銀8 銅14 韓国:金6 銀6 銅7 )1986年ソウルで開催されたアジア大会では金メダル数で韓国の後塵を拝するようになり以降は下記の通り、ソウル五輪以降完全に日韓の立場は逆転した。
ソウル 日本:金4 銀3 銅7
韓国:金12 銀10 銅11
バルセロナ 日本:金3 銀8 銅11
韓国:金12 銀5 銅12
アトランタ 日本:金3 銀 6 銅 5
韓国:金7 銀15 銅 5
シドニー 日本:金5 銀 8 銅 5
韓国:金8 銀10 銅10
アテネ五輪で5大会ぶりに日本がようやくメダル数で上回る事が出来た
(日本:金16 銀9 銅12韓国:金9 銀12 銅9 ) しかし昨年の北京五輪ではまたも韓国がメダル数で上回っている。 ( 日本:金9 銀6 銅10 韓国:金13 銀10 銅8 )
そんな中でも野球だけは絶対に日本が優位と思い続けていたが第一回 WBC では2敗を喫し、北京五輪でも韓国は金メダル、日本は4位で韓国戦2連敗。ソフトボールを五輪に戻してラグビー、アメリカンフットボールを種目採用してくれないと永遠に韓国にメダル数で勝てないのではないか?と本気で考えた。
韓国の先発はこの大会日本キラーとなった奉重根。今大会登板は日本戦のみで 10 回1/3 被安打6無失点。意外だったのは奪三振が3。しかし四死球も3。快速球で討ち取るタイプに思えたが数字だけを見るとそうでもないようだ。 99年前ハルピン駅で伊藤博文を暗殺した日本ではテロリスト、韓国では英雄である安重根にあやかり韓国マスコミは“義士”の“称号”を与えている。朝鮮日報紙ではイチローの“イ”を伊藤博文の“伊”に例えて両者を比較している。
そしてベネズエラ戦ではDHだった秋信守が5番右翼手でスタメン。李大浩はスタメンを外れ、なぜか守備の良い李普映がDHで2番に入った。そして2塁にはベネズエラ戦で先発だった鄭根宇に替って高永がスタメンで7番に入った。
李大浩は北京五輪でこそ日本戦で和田から本塁打を放ったが、その後は北京五輪でもWBCでも日本戦は日本投手陣が警戒し過ぎてか無安打に抑えるも9四球を与えていた。
高永は北京五輪での日本戦にも出場しGG佐藤の落球をさそうレフトフライを打ち上げ準決勝のベネズエラ戦では途中出場だが2塁打を放つなどした。所属先の斗山では2年連続全試合に出場しているその堅実さが買われたか?
日本を破った3月17日 Round 2 Game 4 のスタメンと比較すると打順、守備位置の違いはあるが高永と鄭根宇が入れ替わっただけであった。
一方の日本は先発が岩隈。キューバ戦から中4日のマウンド。奉重根義士が中5日。その1日が気になった。アメリカ戦と比較すると、打線は奉安根義士からは今大会通算3安打している4番に城島が入り、緊急招集された栗原が7番DHでスタメン。福留が外れ外野は左から内川、青木、イチロー。そして9番サードには川崎に替って片岡が入った。
緊張のプレーボール。イチローがボックスに入る。奉重根義士からは今大会5打数0安打。 韓国戦は前の試合まで18打数5安打であったが日本が大勝した東京 Round の試合以降は13打数2安打であった。奉重根義士の初球はスライダーが外れボール。続くスライダーもボール。3球目にストレートでストライクを取った次のスライダーもボール。 1-3 となりストレートでストライクを取りにきた高めのボールをイチローはセンターに弾きかえしイチローは東京での韓国戦以来の先頭打者ヒットを放った。
しかし打球は詰まり気味でクリーンヒットでは無かった。続く中島が手堅く送る。初回からバントでランナーを送るあたり “世界選手権決勝戦” の雰囲気が伝わる。
奉重根義士は変化球の切れとコントロールがいまいち。特に苦手城島には9球を要し、 2-0 から粘られ歩かせてしまった。2-2 からの8球目のインコースのきわどいところをボールと判定された。 2死1,2塁のピンチは続く小笠原をセカンドゴロに打ち取り無失点で切り抜けたが この回だけで28球を要した。奉重根義士は2回にも2死から岩村を歩かせ片岡にライト前に運ばれピンチを招くと続くイチローに対する初球がボールとなったとことで韓国ベンチは早くもヤンサンウ投手コーチがマウンドに走った。 金寅植監督としても奉重根義士の出来によって勝敗が大きく左右されるので心配な表情が何度か映し出される。 イチローを今度は抑えこの回も無失点に抑えたが最初の2回で球数は51を数えた。
一方の岩隈はストレート、変化球のキレそして低めのコントロールが良く、初回先頭打者の“うるさ型”の李容圭を低めのストレートで見逃し三振に打ち取る上場の出だし。 初回を10球で3者凡退で終え立ち上がりの3イニングを30球9人で片づけた。
こうなると先制点が欲しいところ。3回、先頭打者の中島が内野安打で出塁する。 0-1 から外角のチェンジアップが初めてストライクとなり奉重根義士の調子が戻りそうなところでの内野安打は大きかった。更に続く 青木の1-0 からインコースストレートを叩いた打球を名手高永が弾き無死1,2塁で城島を迎える 。城島はバントを試みるが 2-1 となり4球目を叩き3塁ゴロ。青木が2塁で封殺されるが微妙なタイミングであった。しかし続く小笠原が 1-1 から外角に逃げる変化球を引っ張ると打球は1,2塁間を破り中島が先制のホームを踏んだ。前打者の城島が1塁に残り1塁手金泰均がベースに着いていたので塁間が広がっておりその間を打球が抜けてくれた。
小笠原は Round 2 Game 4 でも奉重根義士からチーム初安打を放っていた。
尚も続く内川がライトに打ち返し1死満塁と奉重根義士を攻め立てる。内川は昨シーズン左打者に .439 と打ち込んだサウスポーキラー。しかし今大会は奉重根義士からは併殺を含む4打数0安打だった。続く緊急招集された栗原のバットに追加点の期待がかかる。 2-1 からきわどい外角ストレートを見たが 2-2 からの6球目警戒していたチェンジアップが外角低めに落ちた所をひっかけ併殺に倒れた。マウンドを降りる奉重根義士がガッツボーズを見せる。日本打線は奉重根義士に立ち上がり3イニングスで5安打を浴びせた。1点しか奪えなかったが74球を投げさせた。特に2ストライクから粘って何球か投げさせたことが大きかった。
奉重根義士は3回こそ3者凡退に切って取ったが、4回は先頭の中島を歩かせ続く青木にライト前に打ち返され、しかもエンドランがかかっていたので無死1,3塁となったところでマウンドを降りた。94球を投げていた。ここで韓国ベンチは三星ライオンズ所属、昨シーズン53試合登板10勝4敗の右投の鄭現旭を2番手のマウンドに送った。今大会はこれで5試合目の登板。準決勝のベネズエラ戦も 1回 1/3 を無失点。東京 Round で日本が敗れた試合も奉重根義士に続いて2番手で登場し 1回 2/3 を無失点。大会通算はここまで 6回 2/3 無失点であった。
鄭現旭は城島を外角スライダーで三振、続く小笠原にもストレートで三振に打ち取り捕手の朴勍完が2塁に投げる。スタートを切っていた青木のタイミングはセーフだったがオーバーランをしてしまった。慌てて戻ったが高永のタッチが早かったとの事。しかしリプレーで見ると高永はベースにタッチをしており青木の体には触れていなかった。封殺プレーじゃなかったのだけど……. 青木のアピールも空しく最悪の結果となった。
5回まで6安打、3回を除く毎回走者を2塁まで進めながらまだ1点。いやな流れの5回裏。韓国が同点に追い付く。韓国唯一の MLB 選手、先頭打者の秋信守が岩隈の50球目の低めの変化球を“しばき上げる”様に掬いあげて打った打球はセンター後方に飛びさっき2塁塁上で刺されたばかりの青木の頭の上を越えてスタンドに入ってしまった。 球場の韓国人から大歓声が沸き上がる。大会3本目の安打が2試合連続の本塁打。前の打席で三振に討ち取った低めの変化球を狙ったか? 好機をものに出来なかった事を思い出させる1発だったが打った秋信守も流石 MLB 選手。昨シーズンは Cleveland Indians で160試合出場し17本塁打94打点 の成績を残した。 韓国この試合2本目の安打が本塁打。日本も松井秀樹が万全の状態で合流してくれたら….日本は長距離砲不足だと思った。
岩隈は続く李机浩が 2-3 まで粘られるもフォークで三振に打ち取ったあと続く高永にもインコースに入ったスライダーを捕らえられる。打球は内川の左を破ろうという長打コース。しかし今度は日本にスーパープレーが生まれる。内川はスライディングで打球をキャッチしすぐさま立ち上がり2塁に矢のような送球で高永を刺した。 もし内野手の内川でなく“本職”である外野手であったら基本通りに回り込んで打球を処理し、生まれなかったであろうファインプレーであった。前回は李普映のファインプレーが日本の勝利を阻止したが今大会は内川が試合を“決める”プレーを見せた。
それにしてもこの日のRon Kulpa 2塁塁審は試合を盛り上げてくれる。青木が3回に2塁で封殺されたシーン、5回に盗塁を試みた場面、そしてこの2塁塁上でのクロスプレー。全て微妙な判定だった。
しかし岩隈は前の回も金泰均に大きなあたりを打たれるなど打球の飛距離が伸びて来たのが気になった。 こうなると次の1点、そして継投が大切になって来る。
7回表、先頭打者の片岡が初球を引っ張りレフト前に弾き返し出塁すると続くイチローの2球目にスタートを切り今大会4つ目の盗塁を決めた。 そして次の投球をイチローは絶妙のバントヒットを3塁前に決め無死1,3塁とした。ここで迎えたのは中島。 0-1 からのストレートを引っ張りレフト前に打ち返し片岡を迎え入れリードを奪い返した。 続く青木は 0-1 からやや高めの球を捕えるがその大飛球は右翼手秋信守が後走よくフェンス直前で掴み、続く城島は三塁ゴロ併殺打に打ち取られた。だが1塁に駆け抜けた城島のタイミングは微妙であった。
日本は逆転したが後続が断たれてリードは1点に留まった。だが次の9回表にも小笠原三振後、内川がライト前安打で出塁すると韓国ベンチは鄭現旭に替えて3番手柳賢振をマウンドに送る。柳賢振は今大会代表監督を務める金寅植氏が監督をするハンファイーグルス所属。北京五輪の決勝戦のキューバ戦では先発して8回 1/3を2失点に抑える好投を見せた。今大会は先発登板は無くワンポイント的な中継ぎを担っていたが、2番手鄭現旭を引っ張りすぎなかったか?この回頭から柳を出せなかったか? 柳賢振は最初の打者、代打の稲葉に2塁打を打たれ続く岩村に犠牲フライを打たれ追加点を許した。この時点で日本の大会2連覇が大きく近づいたと思った。 7回1失点の岩隈は球数が84球。少しストレートのスピードが鈍り高めに浮き、変化球が低く外れるのが気になったが8回はまだ投げれる。
先頭打者の李机浩には 0-1 から高く入った所をライトに持って行かれる2塁打を打たれた。続く高永は内野ゴロに打ち取り2塁走者の李机浩が3塁に進む。そして韓国ベンチは李大浩が代打に送られたが、接戦中で捕手の朴勍完を下げたその打順の巡りあわせは日本に幸運であった。李大浩は初球の変化球を掬いあげるように打ち返す。最後はフェンスの数メートル前で青木がジャンプして掴むがそれが犠牲フライとなり李机浩がホームを踏んだ。
しかしまだ日本がリードをしている。そして走者が無くなった。そこで岩隈は安心したのか次の朴基赫を歩かせ球数が97を数えた事もあり今大会4試合に登板しまだ安打を許していない左腕の杉内にマウンドを譲った。
日本ベンチは拍手で好投の岩隈を選手、首脳陣が拍手で迎えた。杉内は相対する李容圭をレフトライナーに討取り日本1点リードで最終回を迎えた。
韓国ベンチは4番手にリリーフエースの林昌勇を送る。本当ならリードした場面で投入したかっただろうが。日本は先頭打者のイチローが初球を捕えフェンス直撃の2塁打を放つ。イチローが今大会韓国相手に見せた初めての“一発”だった。もう少し上に上がればスタンドに入り試合を決められたのに…. と思った。しかしこのチャンスに次打者の中島の強烈な当たりが高永が今度はファインプレーで押さえるなど“粘りの守り”でリードを広げさせてもらえなかった。
そして9回裏、マウンドに杉内が上がったところで左打者の李普映に替って右打者の鄭根宇が代打に送られた事から3番手にダルビッシュがマウンドに送られた。
藤川は調子が悪いのか?..とにかく先頭打者はあるかさないでくれよ…. と思った。
それにしても久々に見た “手に汗握る熱戦。” であった。前回、韓国のマスコミはありもしない “イチロー発言”で国威掲揚を大いに煽ったが、今回はそういう報道は少なかった。 ( 中島のスライディングを除いて )
感動するシーンもあった。試合前の優勝トロフィー返還のセレモニー後前回の代表監督を務めた王貞治氏が日韓の両選手と握手をしたのだが脳梗塞を患い足の不自由な金寅植韓国代表監督はダッグアウト前から動けなかった。すると王監督は監督チームのコーチの促しに快く応じ、金監督の元に歩み寄り抱擁を交わした。 涙が出そうになった。
更に勝ったから言う訳ではないががっぷり四つ、横綱同士が全勝で千秋楽の最後の取り組みを迎えた大一番の様な試合内容を演じてくれた日本、韓国の選手、コーチ達に感謝だ。 本当に感謝だ。
閉塞感漂う日本の社会を大いに盛り上げてくれた選手達に本当に敬意を表します。
1点リードの9回裏。この回からマウンドに上ったダルビッシュ有は先頭打者の代打鄭根宇をスライダーで三振に打ち取ったが、続く金賢洙をストレートの四球、そして金泰均も歩かせた。日本投手陣が今大会金泰均に与えた4個目の四球だ。
初戦で松坂が2ラン本塁打を打たれており、また準決勝のベネズエラ戦でも本塁打を放っているせいか金泰均には外角中心の配球だ。この試合はこれまで無安打だったがこの打席はスライダーが外に外れて歩かせた。
そして韓国チーム唯一の MLB 選手秋信守を迎える。5回には岩隈からセンター越えにソロホームランを打っている。しかしここはスライダーがうまくコントロールされ三振。大会連覇まであと一人となり打席に李机浩を迎える。前の打席では岩隈から2塁打を放ちホームを踏んでいる。 李机浩は昨シーズン韓国リーグでは19本塁打77打点。今大会はここまで対日本戦14打数4安打、Round 2 Game 6 では田中将大から本塁打を打ち、Round 2 Game 4 ではダメ押しの押し出し四球を岩田から選んでいる。なんだか“ラッキーボーイ的要素を持った” 嫌な選手だった。
日本バッテリーは初球 130km のスライダーで入り2球目は内角に150 km のストレートでストライクを取った。前の打席では岩隈のスライダーを打ち返している。スライダーかストレートか。ダルビッシュがこの試合投じた 21 球目のスライダーは甘く内側に入り、李机浩は渾身のスイングで打ち返し三遊間を破る。 金賢洙の代走の2塁走者 李鐘旭が駆け抜け同点ホームを踏んだ。 李机浩の一撃も見事だったが代走を送った金寅植監督の起用も見事。北京五輪の準決勝戦で李大浩の代走として起用された鄭根宇が代打李鎮万のタイムリーで同点ホームを駆け抜けた事を思い出した。
あぁ藤川はどうした、涌井を続投させても良かったか….. 9回表のチャンスに追加点が入っておれば….. 韓国ベンチ、韓国応援団が大騒ぎのなか高永がボックスに入る。ダルビッシュは続投だ。 高永とてここでサヨナラを打てば日本が3回に先制点のきっかけとなった失策と5回同点後2塁で狭殺された借りが帳消し出来る。
しかし日本バッテリーは150kmを越えるストレートを3球続け 2-0 からの1球ファールの後の4球目、スライダーを空振りさせ逆転は阻み決勝戦は延長戦に持ち込まれた。 土壇場で追いつかれたのは痛かったが韓国も3,4番に代走を送って勝負をかけたイニング。このまま延長にもつれ込めば総力戦では日本が有利になると思った。
10回表の日本の攻撃、先頭打者の内川が 2-1 から右翼方向に打ち返し出塁を果たし、続く稲葉が初球を送りバントを決め岩村を迎える。東京ラウンドでは不振であったがアメリカに来てから準決勝を終えて14打数7安打。この試合では7回に韓国2番手鄭現旭から犠打を打ち追加点の3点目をもたらした。この打席ではレフトに流し打ち1,3塁とし川崎が代打に送られる。しかしここはマウンド上のヤクルト所属のリリーフエース、林昌勇が踏ん張り初球を内野フライに打ち取る。見逃せばボールではなかったか??
だが次に迎えたのは世界のイチロー。この試合はこれまで3安打。 バッテリーが勝負に出るかが見どころ。初球を147kmのストレートを投げ込みここは勝負。 続く2球目に岩村が2塁に走るがバッテリーは無警戒。ここで1塁が空くも次の一投は 149km のストレートをアウトハイに。イチローの打った打球は3塁側スタンドに入る。ここは勝負と決めたか? 2-2 からの8球目、それまでストレートで押していたバッテリーが選んだ球種はスライダー。それが高く入った。イチローのバットがその甘い球をセンターに打ち返し2者を迎え入れた。 日本列島が歓喜に沸いた瞬間だ。
でもバッテリーはどうしてイチローとの勝負に出たのだろう?? 9回からベテラン朴勍完から若い姜鍋に替ったのも影響したか??
イチローには最高の場面が巡ってきて最高の結果を出す。正に千両役者のひと振りだった。 そして韓国にはもう追い付く力は残っていないとも確信できた。
緊張の日韓対決。球技の世界一決定戦を日韓で争うなんてこれまであっただろうか…。一足先に韓国が決勝進出を決めた時に、実にいやな予感がした。 80年代に入りスポーツ界において韓国の台頭は非常に顕著になり “サッカー以外は韓国に勝てる”といった概念が次第に薄れて来るようになった。貧困の70年代を経て1980年代に入り経済状態が向上したことが最大の要因と思う。
そして1981年のIOC Congress で名古屋を抑えてソウルが1988年の五輪開催都市に選ばれスポーツの強化が始まった。強化の過程はアジア大会、五輪のメダル数に顕著に表れるようになった。 1982年ニューデリーで開催されたアジア大会、日本は中国に金メダルの数で抜かれてしまいスポーツ界での“アジアの盟主”の座を明け渡した。2年後ロス五輪の前、当時学生だった私は韓国からの留学生達が
“日本はスポーツが強い国です。韓国はこれまで五輪で金メダルを2つしかとった事がありません。”と話してくれた。
私は“でもソウル五輪が近いからこれから韓国も強くなりますよ。”と応えたのを覚えている。本音は日本サッカーにもっと韓国といい勝負をして欲しいと言う事だったけど…..
ロス五輪でのメダル数こそ日本は韓国を上回ったが(日本:金10 銀8 銅14 韓国:金6 銀6 銅7 )1986年ソウルで開催されたアジア大会では金メダル数で韓国の後塵を拝するようになり以降は下記の通り、ソウル五輪以降完全に日韓の立場は逆転した。
ソウル 日本:金4 銀3 銅7
韓国:金12 銀10 銅11
バルセロナ 日本:金3 銀8 銅11
韓国:金12 銀5 銅12
アトランタ 日本:金3 銀 6 銅 5
韓国:金7 銀15 銅 5
シドニー 日本:金5 銀 8 銅 5
韓国:金8 銀10 銅10
アテネ五輪で5大会ぶりに日本がようやくメダル数で上回る事が出来た
(日本:金16 銀9 銅12韓国:金9 銀12 銅9 ) しかし昨年の北京五輪ではまたも韓国がメダル数で上回っている。 ( 日本:金9 銀6 銅10 韓国:金13 銀10 銅8 )
そんな中でも野球だけは絶対に日本が優位と思い続けていたが第一回 WBC では2敗を喫し、北京五輪でも韓国は金メダル、日本は4位で韓国戦2連敗。ソフトボールを五輪に戻してラグビー、アメリカンフットボールを種目採用してくれないと永遠に韓国にメダル数で勝てないのではないか?と本気で考えた。
韓国の先発はこの大会日本キラーとなった奉重根。今大会登板は日本戦のみで 10 回1/3 被安打6無失点。意外だったのは奪三振が3。しかし四死球も3。快速球で討ち取るタイプに思えたが数字だけを見るとそうでもないようだ。 99年前ハルピン駅で伊藤博文を暗殺した日本ではテロリスト、韓国では英雄である安重根にあやかり韓国マスコミは“義士”の“称号”を与えている。朝鮮日報紙ではイチローの“イ”を伊藤博文の“伊”に例えて両者を比較している。
そしてベネズエラ戦ではDHだった秋信守が5番右翼手でスタメン。李大浩はスタメンを外れ、なぜか守備の良い李普映がDHで2番に入った。そして2塁にはベネズエラ戦で先発だった鄭根宇に替って高永がスタメンで7番に入った。
李大浩は北京五輪でこそ日本戦で和田から本塁打を放ったが、その後は北京五輪でもWBCでも日本戦は日本投手陣が警戒し過ぎてか無安打に抑えるも9四球を与えていた。
高永は北京五輪での日本戦にも出場しGG佐藤の落球をさそうレフトフライを打ち上げ準決勝のベネズエラ戦では途中出場だが2塁打を放つなどした。所属先の斗山では2年連続全試合に出場しているその堅実さが買われたか?
日本を破った3月17日 Round 2 Game 4 のスタメンと比較すると打順、守備位置の違いはあるが高永と鄭根宇が入れ替わっただけであった。
一方の日本は先発が岩隈。キューバ戦から中4日のマウンド。奉重根義士が中5日。その1日が気になった。アメリカ戦と比較すると、打線は奉安根義士からは今大会通算3安打している4番に城島が入り、緊急招集された栗原が7番DHでスタメン。福留が外れ外野は左から内川、青木、イチロー。そして9番サードには川崎に替って片岡が入った。
緊張のプレーボール。イチローがボックスに入る。奉重根義士からは今大会5打数0安打。 韓国戦は前の試合まで18打数5安打であったが日本が大勝した東京 Round の試合以降は13打数2安打であった。奉重根義士の初球はスライダーが外れボール。続くスライダーもボール。3球目にストレートでストライクを取った次のスライダーもボール。 1-3 となりストレートでストライクを取りにきた高めのボールをイチローはセンターに弾きかえしイチローは東京での韓国戦以来の先頭打者ヒットを放った。
しかし打球は詰まり気味でクリーンヒットでは無かった。続く中島が手堅く送る。初回からバントでランナーを送るあたり “世界選手権決勝戦” の雰囲気が伝わる。
奉重根義士は変化球の切れとコントロールがいまいち。特に苦手城島には9球を要し、 2-0 から粘られ歩かせてしまった。2-2 からの8球目のインコースのきわどいところをボールと判定された。 2死1,2塁のピンチは続く小笠原をセカンドゴロに打ち取り無失点で切り抜けたが この回だけで28球を要した。奉重根義士は2回にも2死から岩村を歩かせ片岡にライト前に運ばれピンチを招くと続くイチローに対する初球がボールとなったとことで韓国ベンチは早くもヤンサンウ投手コーチがマウンドに走った。 金寅植監督としても奉重根義士の出来によって勝敗が大きく左右されるので心配な表情が何度か映し出される。 イチローを今度は抑えこの回も無失点に抑えたが最初の2回で球数は51を数えた。
一方の岩隈はストレート、変化球のキレそして低めのコントロールが良く、初回先頭打者の“うるさ型”の李容圭を低めのストレートで見逃し三振に打ち取る上場の出だし。 初回を10球で3者凡退で終え立ち上がりの3イニングを30球9人で片づけた。
こうなると先制点が欲しいところ。3回、先頭打者の中島が内野安打で出塁する。 0-1 から外角のチェンジアップが初めてストライクとなり奉重根義士の調子が戻りそうなところでの内野安打は大きかった。更に続く 青木の1-0 からインコースストレートを叩いた打球を名手高永が弾き無死1,2塁で城島を迎える 。城島はバントを試みるが 2-1 となり4球目を叩き3塁ゴロ。青木が2塁で封殺されるが微妙なタイミングであった。しかし続く小笠原が 1-1 から外角に逃げる変化球を引っ張ると打球は1,2塁間を破り中島が先制のホームを踏んだ。前打者の城島が1塁に残り1塁手金泰均がベースに着いていたので塁間が広がっておりその間を打球が抜けてくれた。
小笠原は Round 2 Game 4 でも奉重根義士からチーム初安打を放っていた。
尚も続く内川がライトに打ち返し1死満塁と奉重根義士を攻め立てる。内川は昨シーズン左打者に .439 と打ち込んだサウスポーキラー。しかし今大会は奉重根義士からは併殺を含む4打数0安打だった。続く緊急招集された栗原のバットに追加点の期待がかかる。 2-1 からきわどい外角ストレートを見たが 2-2 からの6球目警戒していたチェンジアップが外角低めに落ちた所をひっかけ併殺に倒れた。マウンドを降りる奉重根義士がガッツボーズを見せる。日本打線は奉重根義士に立ち上がり3イニングスで5安打を浴びせた。1点しか奪えなかったが74球を投げさせた。特に2ストライクから粘って何球か投げさせたことが大きかった。
奉重根義士は3回こそ3者凡退に切って取ったが、4回は先頭の中島を歩かせ続く青木にライト前に打ち返され、しかもエンドランがかかっていたので無死1,3塁となったところでマウンドを降りた。94球を投げていた。ここで韓国ベンチは三星ライオンズ所属、昨シーズン53試合登板10勝4敗の右投の鄭現旭を2番手のマウンドに送った。今大会はこれで5試合目の登板。準決勝のベネズエラ戦も 1回 1/3 を無失点。東京 Round で日本が敗れた試合も奉重根義士に続いて2番手で登場し 1回 2/3 を無失点。大会通算はここまで 6回 2/3 無失点であった。
鄭現旭は城島を外角スライダーで三振、続く小笠原にもストレートで三振に打ち取り捕手の朴勍完が2塁に投げる。スタートを切っていた青木のタイミングはセーフだったがオーバーランをしてしまった。慌てて戻ったが高永のタッチが早かったとの事。しかしリプレーで見ると高永はベースにタッチをしており青木の体には触れていなかった。封殺プレーじゃなかったのだけど……. 青木のアピールも空しく最悪の結果となった。
5回まで6安打、3回を除く毎回走者を2塁まで進めながらまだ1点。いやな流れの5回裏。韓国が同点に追い付く。韓国唯一の MLB 選手、先頭打者の秋信守が岩隈の50球目の低めの変化球を“しばき上げる”様に掬いあげて打った打球はセンター後方に飛びさっき2塁塁上で刺されたばかりの青木の頭の上を越えてスタンドに入ってしまった。 球場の韓国人から大歓声が沸き上がる。大会3本目の安打が2試合連続の本塁打。前の打席で三振に討ち取った低めの変化球を狙ったか? 好機をものに出来なかった事を思い出させる1発だったが打った秋信守も流石 MLB 選手。昨シーズンは Cleveland Indians で160試合出場し17本塁打94打点 の成績を残した。 韓国この試合2本目の安打が本塁打。日本も松井秀樹が万全の状態で合流してくれたら….日本は長距離砲不足だと思った。
岩隈は続く李机浩が 2-3 まで粘られるもフォークで三振に打ち取ったあと続く高永にもインコースに入ったスライダーを捕らえられる。打球は内川の左を破ろうという長打コース。しかし今度は日本にスーパープレーが生まれる。内川はスライディングで打球をキャッチしすぐさま立ち上がり2塁に矢のような送球で高永を刺した。 もし内野手の内川でなく“本職”である外野手であったら基本通りに回り込んで打球を処理し、生まれなかったであろうファインプレーであった。前回は李普映のファインプレーが日本の勝利を阻止したが今大会は内川が試合を“決める”プレーを見せた。
それにしてもこの日のRon Kulpa 2塁塁審は試合を盛り上げてくれる。青木が3回に2塁で封殺されたシーン、5回に盗塁を試みた場面、そしてこの2塁塁上でのクロスプレー。全て微妙な判定だった。
しかし岩隈は前の回も金泰均に大きなあたりを打たれるなど打球の飛距離が伸びて来たのが気になった。 こうなると次の1点、そして継投が大切になって来る。
7回表、先頭打者の片岡が初球を引っ張りレフト前に弾き返し出塁すると続くイチローの2球目にスタートを切り今大会4つ目の盗塁を決めた。 そして次の投球をイチローは絶妙のバントヒットを3塁前に決め無死1,3塁とした。ここで迎えたのは中島。 0-1 からのストレートを引っ張りレフト前に打ち返し片岡を迎え入れリードを奪い返した。 続く青木は 0-1 からやや高めの球を捕えるがその大飛球は右翼手秋信守が後走よくフェンス直前で掴み、続く城島は三塁ゴロ併殺打に打ち取られた。だが1塁に駆け抜けた城島のタイミングは微妙であった。
日本は逆転したが後続が断たれてリードは1点に留まった。だが次の9回表にも小笠原三振後、内川がライト前安打で出塁すると韓国ベンチは鄭現旭に替えて3番手柳賢振をマウンドに送る。柳賢振は今大会代表監督を務める金寅植氏が監督をするハンファイーグルス所属。北京五輪の決勝戦のキューバ戦では先発して8回 1/3を2失点に抑える好投を見せた。今大会は先発登板は無くワンポイント的な中継ぎを担っていたが、2番手鄭現旭を引っ張りすぎなかったか?この回頭から柳を出せなかったか? 柳賢振は最初の打者、代打の稲葉に2塁打を打たれ続く岩村に犠牲フライを打たれ追加点を許した。この時点で日本の大会2連覇が大きく近づいたと思った。 7回1失点の岩隈は球数が84球。少しストレートのスピードが鈍り高めに浮き、変化球が低く外れるのが気になったが8回はまだ投げれる。
先頭打者の李机浩には 0-1 から高く入った所をライトに持って行かれる2塁打を打たれた。続く高永は内野ゴロに打ち取り2塁走者の李机浩が3塁に進む。そして韓国ベンチは李大浩が代打に送られたが、接戦中で捕手の朴勍完を下げたその打順の巡りあわせは日本に幸運であった。李大浩は初球の変化球を掬いあげるように打ち返す。最後はフェンスの数メートル前で青木がジャンプして掴むがそれが犠牲フライとなり李机浩がホームを踏んだ。
しかしまだ日本がリードをしている。そして走者が無くなった。そこで岩隈は安心したのか次の朴基赫を歩かせ球数が97を数えた事もあり今大会4試合に登板しまだ安打を許していない左腕の杉内にマウンドを譲った。
日本ベンチは拍手で好投の岩隈を選手、首脳陣が拍手で迎えた。杉内は相対する李容圭をレフトライナーに討取り日本1点リードで最終回を迎えた。
韓国ベンチは4番手にリリーフエースの林昌勇を送る。本当ならリードした場面で投入したかっただろうが。日本は先頭打者のイチローが初球を捕えフェンス直撃の2塁打を放つ。イチローが今大会韓国相手に見せた初めての“一発”だった。もう少し上に上がればスタンドに入り試合を決められたのに…. と思った。しかしこのチャンスに次打者の中島の強烈な当たりが高永が今度はファインプレーで押さえるなど“粘りの守り”でリードを広げさせてもらえなかった。
そして9回裏、マウンドに杉内が上がったところで左打者の李普映に替って右打者の鄭根宇が代打に送られた事から3番手にダルビッシュがマウンドに送られた。
藤川は調子が悪いのか?..とにかく先頭打者はあるかさないでくれよ…. と思った。
それにしても久々に見た “手に汗握る熱戦。” であった。前回、韓国のマスコミはありもしない “イチロー発言”で国威掲揚を大いに煽ったが、今回はそういう報道は少なかった。 ( 中島のスライディングを除いて )
感動するシーンもあった。試合前の優勝トロフィー返還のセレモニー後前回の代表監督を務めた王貞治氏が日韓の両選手と握手をしたのだが脳梗塞を患い足の不自由な金寅植韓国代表監督はダッグアウト前から動けなかった。すると王監督は監督チームのコーチの促しに快く応じ、金監督の元に歩み寄り抱擁を交わした。 涙が出そうになった。
更に勝ったから言う訳ではないががっぷり四つ、横綱同士が全勝で千秋楽の最後の取り組みを迎えた大一番の様な試合内容を演じてくれた日本、韓国の選手、コーチ達に感謝だ。 本当に感謝だ。
閉塞感漂う日本の社会を大いに盛り上げてくれた選手達に本当に敬意を表します。
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