6月9日に開幕した FIFA World Cup 2006 も残すところあと4試合。これまで、観戦記ばかりを綴って来て“ちっとも試合の予想や展望が見られない。”とのお叱りを受けておりますが(誰も何も言っていないか?)、今回は数時間後に迫った準決勝のドイツ対イタリア戦の展望を下記に述べます。(誰も期待していないか?)
ドイツはイタリアが苦手??
今年欧州を中心に世界各地で16試合の代表A マッチが行なわれた3月1日、フィレンツェでドイツはイタリアに 1-4 で破れ対イタリア戦の直接対決成績が8勝13敗8分けとなった。通算得点はイタリアが42、ドイツが33だ。この前の対戦は2003年8月にシュツッツガルトで行なわれたがこの時もドイツは0-1 で敗れている。 そしてイタリアはワールドカップ、欧州選手権でドイツに負けたことが無い。両者はこの舞台で過去6回対戦しているがイタリアの2勝4分けだ。その2勝はいずれもワールドカップ。1970年メキシコ大会の準決勝戦とアズーリが44年ぶりの栄冠を手にした1982年スペイン大会の決勝戦だ。そればかりか、ドイツは1939年11月26日にベルリンで 2-1 とドイツが勝って以来1977年10月にベルリンで2-1で勝利を上げるまで、38年間7試合の直接対決でイタリアに勝ったことが無かった。(2分5敗) そして昨シーズンの UEFA Champions League で Bayern Munchen が AC Milan に完敗した事を憶えて方も多いだろう。ドイツ代表は今回のイタリア戦の試合会場となるドルトムントのベストファーレン競技場では代表Aマッチ13試合で12勝1分と負け知らずだが、イタリアを迎えたことは無い。参考までに 2002年の Champions League でもここをホームとする Borussia Dortmund は AC Milan に 0-1 で敗れている。過去のデータは当てにはならないと思うが、私はこの試合もイタリア優位と考える。
選手の起用
1982年スペイン大会以来の優勝のチャンスがあるイタリア。当時を振り返ると、1次リーグは3分け( 0-0 Poland, 1-1 Peru, 1-1 Cameroon ) でグループ2位。同じ勝点3で並んだ Cameroon を総得点で1上回り2次リーグへ文字通り薄氷を踏む思いで進出を決めた。そこからアルゼンチン ( 2-1 ) ブラジル (3-2 ) ポーランド ( 2-0 ) 西ドイツ ( 3-1 ) と強豪を撃破しタイトルと手にしたが、その要因はロッシの復活、GKゾフのキャプテンシーが挙げられているが、もう1つは日程であった。 この大会から出場枠が24に拡大され、4カ国ずつ6組に組み分けられ上位2カ国ずつ12カ国が2次リーグに進出。そして3カ国ずつ4つのグループに分けられ最上位が準決勝に進出と言うフォーマットであった。イタリアが入ったC組にはアルゼンチン、ブラジルの2強が入っていた。2次リーグの日程は“消化試合”を無くす為に、初戦で敗れた国が連戦をする事になっていた。イタリアは2次リーグ初戦のアルゼンチンを破り、次のブラジル戦まで中5日の休みがあった。一方、ジーコ、ソクラテスら黄金のカルテットを擁したブラジルは中2日しかなかった。 このフォーマットが適用されたのはこのスペイン大会のみで次のメキシコ大会から1次リーグ以降はトーナメント方式となっているので、日程による不公平は無くなった。
ワールドカップは約1ヶ月の長丁場、トーナメントが進むほどに力が均衡した相手との対戦となり、選手達のコンディションが大きく左右する。 今大会は32年前と異なり豪雨の試合が皆無だ。むしろ高温が選手達を悩ませている。そういう意味では、ドイツはほぼメンバーを固定し、勝ちぬけが決った後の1次リーグ最後のエクアドル戦もベストメンバーで臨んだのに対してイタリアのリッピ監督は毎試合交替枠3名をフルに使い、第二、第三GK以外のフィールド選手21名を全員起用。フル出場はGKブフォン、CBのカンナバーロにMFペッロッタ。ただこれにはアメリカ戦ではデロッシが退場となり、チェコ戦では開始17分で守備の要ネスタが負傷でベンチに下がり、その代役マテラッティが交替出場したチェコ戦では先制ゴールを上げたが続くオーストラリラ戦で退場になった事もある。ローテーションを組んでいる訳では無いだろうが、選手の体力温存も考えての事であろうが、ほぼ全員がワールドカップでのレギュラークラスの選手達ばかり揃っているからこそ出来る起用法だ。CBカンナバーロのパートナーは出場停止明けのマテラッティか?それともバルザーリか? 一方の攻撃陣、リッピ監督が信頼を置くトッティ王子は準々決勝のウクライナ戦でフル出場しトップコンディションを取り戻しつつある。FWのトーニはウクライナ戦の2ゴールでようやく面目躍如であるが、もう1人のジラルディーニョはアメリカ戦でゴールを挙げたが以降は今ひとつ。デルピエーロも折角の先発出場を果たしたオーストラリア戦では目立った動きは出来ずにトッティに替えられ、ウクライナ戦は出番なし。ドイツ戦もトーニのワントップにペッロッタ、トッティ、カモラネージを並べる布陣か?しかし、そろそろインザーギを先発で使ってほしいなぁ?そうすれば、2トップ(トーニ、ジラルディーニョ)の下にトッティ(またはデルピエロ?)を置いて、チェコ戦の様にペッロッタ、ピルロ、ガットゥーゾを並べるかも?
ドイツのスタメンは
ドイツはこれまでと同じメンバーで臨んでくるだろう。しかし、ここでフリンクスが準々決勝戦の試合終了後にアルゼンチンのFWクルスを殴っている映像が発覚してしまい出場停止に。これはイタリアの仕業か??代役は長身194cmのヴェルダーブレーメンのMFボロウスキーが上げられるが、もし先制を許せばオドンコーと替わるかも?ドイツの快進撃はバラックのゲームメークが上げられるが、シュヴァインスタイガー、シュナイダーのサイド攻撃もその要因だ。対峙するグロッソ、サンブロッタを打ち破れるだろうか?ドイツの2人のにとっての advantage はイタリアの両サイドバックが警告を一つずつ決勝トーナメントに入って貰っている事だ。そしてクローゼ。今大会は5得点を挙げているが、そのうち4得点は開幕戦のコスタリカと共に決勝トーナメント進出が決った後のエクアドル戦で2得点ずつ。アルゼンチン戦で起死回生の同点ゴールを決めたが、果たして屈強なイタリアDF陣を破れるか?3月、フィレンツェでのイタリア戦はクローゼ、バラックのラインは機能しなかったが。
ドイツが勝つ最善の方法は、PK戦に持ち込む事だろう。イングランドと異なりドイツはPK戦に強い。ワールドカップ史上初めてとなったスペイン大会での準決勝のフランス戦、以来欧州選手権を含めて5試合 (ワールドカップ メキシコ大会準々決勝 メキシコ戦、イタリア大会準決勝 イングランド戦、欧州選手権イングランド大会準決勝 イングランド戦 今大会のアルゼンチン戦)負けが無い。 アルゼンチン戦もPKに持ち込めなかったら勝負は判らなかっただろう。 準決勝のイタリア戦こそ地元ドイツがワールドカップを掲げる為の最大の難所となるであろう。
ドイツはイタリアが苦手??
今年欧州を中心に世界各地で16試合の代表A マッチが行なわれた3月1日、フィレンツェでドイツはイタリアに 1-4 で破れ対イタリア戦の直接対決成績が8勝13敗8分けとなった。通算得点はイタリアが42、ドイツが33だ。この前の対戦は2003年8月にシュツッツガルトで行なわれたがこの時もドイツは0-1 で敗れている。 そしてイタリアはワールドカップ、欧州選手権でドイツに負けたことが無い。両者はこの舞台で過去6回対戦しているがイタリアの2勝4分けだ。その2勝はいずれもワールドカップ。1970年メキシコ大会の準決勝戦とアズーリが44年ぶりの栄冠を手にした1982年スペイン大会の決勝戦だ。そればかりか、ドイツは1939年11月26日にベルリンで 2-1 とドイツが勝って以来1977年10月にベルリンで2-1で勝利を上げるまで、38年間7試合の直接対決でイタリアに勝ったことが無かった。(2分5敗) そして昨シーズンの UEFA Champions League で Bayern Munchen が AC Milan に完敗した事を憶えて方も多いだろう。ドイツ代表は今回のイタリア戦の試合会場となるドルトムントのベストファーレン競技場では代表Aマッチ13試合で12勝1分と負け知らずだが、イタリアを迎えたことは無い。参考までに 2002年の Champions League でもここをホームとする Borussia Dortmund は AC Milan に 0-1 で敗れている。過去のデータは当てにはならないと思うが、私はこの試合もイタリア優位と考える。
選手の起用
1982年スペイン大会以来の優勝のチャンスがあるイタリア。当時を振り返ると、1次リーグは3分け( 0-0 Poland, 1-1 Peru, 1-1 Cameroon ) でグループ2位。同じ勝点3で並んだ Cameroon を総得点で1上回り2次リーグへ文字通り薄氷を踏む思いで進出を決めた。そこからアルゼンチン ( 2-1 ) ブラジル (3-2 ) ポーランド ( 2-0 ) 西ドイツ ( 3-1 ) と強豪を撃破しタイトルと手にしたが、その要因はロッシの復活、GKゾフのキャプテンシーが挙げられているが、もう1つは日程であった。 この大会から出場枠が24に拡大され、4カ国ずつ6組に組み分けられ上位2カ国ずつ12カ国が2次リーグに進出。そして3カ国ずつ4つのグループに分けられ最上位が準決勝に進出と言うフォーマットであった。イタリアが入ったC組にはアルゼンチン、ブラジルの2強が入っていた。2次リーグの日程は“消化試合”を無くす為に、初戦で敗れた国が連戦をする事になっていた。イタリアは2次リーグ初戦のアルゼンチンを破り、次のブラジル戦まで中5日の休みがあった。一方、ジーコ、ソクラテスら黄金のカルテットを擁したブラジルは中2日しかなかった。 このフォーマットが適用されたのはこのスペイン大会のみで次のメキシコ大会から1次リーグ以降はトーナメント方式となっているので、日程による不公平は無くなった。
ワールドカップは約1ヶ月の長丁場、トーナメントが進むほどに力が均衡した相手との対戦となり、選手達のコンディションが大きく左右する。 今大会は32年前と異なり豪雨の試合が皆無だ。むしろ高温が選手達を悩ませている。そういう意味では、ドイツはほぼメンバーを固定し、勝ちぬけが決った後の1次リーグ最後のエクアドル戦もベストメンバーで臨んだのに対してイタリアのリッピ監督は毎試合交替枠3名をフルに使い、第二、第三GK以外のフィールド選手21名を全員起用。フル出場はGKブフォン、CBのカンナバーロにMFペッロッタ。ただこれにはアメリカ戦ではデロッシが退場となり、チェコ戦では開始17分で守備の要ネスタが負傷でベンチに下がり、その代役マテラッティが交替出場したチェコ戦では先制ゴールを上げたが続くオーストラリラ戦で退場になった事もある。ローテーションを組んでいる訳では無いだろうが、選手の体力温存も考えての事であろうが、ほぼ全員がワールドカップでのレギュラークラスの選手達ばかり揃っているからこそ出来る起用法だ。CBカンナバーロのパートナーは出場停止明けのマテラッティか?それともバルザーリか? 一方の攻撃陣、リッピ監督が信頼を置くトッティ王子は準々決勝のウクライナ戦でフル出場しトップコンディションを取り戻しつつある。FWのトーニはウクライナ戦の2ゴールでようやく面目躍如であるが、もう1人のジラルディーニョはアメリカ戦でゴールを挙げたが以降は今ひとつ。デルピエーロも折角の先発出場を果たしたオーストラリア戦では目立った動きは出来ずにトッティに替えられ、ウクライナ戦は出番なし。ドイツ戦もトーニのワントップにペッロッタ、トッティ、カモラネージを並べる布陣か?しかし、そろそろインザーギを先発で使ってほしいなぁ?そうすれば、2トップ(トーニ、ジラルディーニョ)の下にトッティ(またはデルピエロ?)を置いて、チェコ戦の様にペッロッタ、ピルロ、ガットゥーゾを並べるかも?
ドイツのスタメンは
ドイツはこれまでと同じメンバーで臨んでくるだろう。しかし、ここでフリンクスが準々決勝戦の試合終了後にアルゼンチンのFWクルスを殴っている映像が発覚してしまい出場停止に。これはイタリアの仕業か??代役は長身194cmのヴェルダーブレーメンのMFボロウスキーが上げられるが、もし先制を許せばオドンコーと替わるかも?ドイツの快進撃はバラックのゲームメークが上げられるが、シュヴァインスタイガー、シュナイダーのサイド攻撃もその要因だ。対峙するグロッソ、サンブロッタを打ち破れるだろうか?ドイツの2人のにとっての advantage はイタリアの両サイドバックが警告を一つずつ決勝トーナメントに入って貰っている事だ。そしてクローゼ。今大会は5得点を挙げているが、そのうち4得点は開幕戦のコスタリカと共に決勝トーナメント進出が決った後のエクアドル戦で2得点ずつ。アルゼンチン戦で起死回生の同点ゴールを決めたが、果たして屈強なイタリアDF陣を破れるか?3月、フィレンツェでのイタリア戦はクローゼ、バラックのラインは機能しなかったが。
ドイツが勝つ最善の方法は、PK戦に持ち込む事だろう。イングランドと異なりドイツはPK戦に強い。ワールドカップ史上初めてとなったスペイン大会での準決勝のフランス戦、以来欧州選手権を含めて5試合 (ワールドカップ メキシコ大会準々決勝 メキシコ戦、イタリア大会準決勝 イングランド戦、欧州選手権イングランド大会準決勝 イングランド戦 今大会のアルゼンチン戦)負けが無い。 アルゼンチン戦もPKに持ち込めなかったら勝負は判らなかっただろう。 準決勝のイタリア戦こそ地元ドイツがワールドカップを掲げる為の最大の難所となるであろう。
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