88分46秒。交替出場の朴成哲のミドルはGK川島の正面に。そして川島から繋がれたボールは遠藤、長谷部に繋げられ右サイドを上がった内田に。内田が入れたクロスはGK 李明國が飛び込んでパンチで弾き出す。そのこぼれ球を拾った香川がシュート体勢に入るが安英学が必死のクリアー。またそれを今度は遠藤が拾って内田に渡し入れたクロスはDFに当たってCKに。
ここで北朝鮮ベンチは鄭大成を下げてアンチョルヒョクを入れる。後で解ったのだがアンチョルヒョクはFW登録の選手。日本のロングボール対策にセレッソ大阪でプレーする190cmのキムソンギを入れるかと思ったのだけど…それにしても相手CKでよく選手を変えるなぁ…とも思った。
そのCKから内田が放ったシュートは大きくクロスバーを外れた。デジタルは45分を回ったがロスタイム5分と表示された。北朝鮮の選手達は何度も倒れていたしなぁ….
46分7秒、北朝鮮のスローインに駒野と競ったアンチョルヒョクのプレーがファールに取られる。目の前で見ていたユンジョンス北朝鮮監督が主審に抗議するが勿論判定は変わらない。そこで得たFKから繋いでまたも内田が入れたクロスはハーフナーが朴南哲と競りながら落としたところを香川がシュート体勢に入るが肝心のシュートが撃てなくてクリアーされるがここのこぼれ球も駒野が拾って右サイドから中に入れるとハーフナーを越えて清武に渡りそして中の香川に送られるが香川のシュートはDFに当たってCKに。CKから今度は今野が狙いすまして放ったショットはクロスバーを叩いてしまう。この日のさいたまスタジアムのゴールポスト、クロスバーは完全に北朝鮮の味方をしていたようだった。だがそのこぼれ球はジョンイルガンがゴーラインの方にクリアーしたのでまたもCKを得る。そのCKを受けた長谷部が入れたクロスにまたも香川がワンタッチで素晴らしいシュートを放つがここはGKリミョングックの超ファインセーブに阻まれる。李明國は朴南哲とハイタッチをかわしていいた。この試合もこれで運が尽きたか…と思うもデジタルは47分50秒。まだ時間は残されていた。遠藤のCKを受けた長谷部が清武に渡し中に放り込むと今度は内田が飛び込む。だがここもジョンイルガンに当たってCKに。この4分間で4本目のCKだった。ここさいたまスタジアムでは2005年に行われたワールドカップ予選の北朝鮮戦でもロスタイムに大黒の決勝ゴールが決まり劇的な勝利を収めた事がずっと頭にあったのでこの試合でも…と希望は捨てていなかったが、もうこれが最後のチャンスかも…とも思ったCK、長谷部が右サイドでキープしまたも清武に渡す。清武がクロスを入れると次に私の目に飛び込んだのは北朝鮮ゴールネット中央にシュートが突き刺さるシーンだった。ブルーのユニフォームの選手達がピッチ上で狂喜乱舞している。 競技場を埋め尽くした大観衆から割れんばかりの歓声が上がり、私の周囲の人達が誰彼となくお互いにハイタッチをかわし始めた。
決めたの誰ですかねぇ~…
吉田…みたいですよ….
スクリーンのリプレーを見るとCB 李光川と朴南哲の間に挟まれながらの高い打点で放たれた吉田のヘッドが映し出された…
嬉しさもそうだけどむしろ安堵感が沸き上がった。あぁ良かった~。おもわず小声で呟いた。
北朝鮮のサポーター席を見ると対照的に全く動きが無かった…..スクリーンには鄭大成の表情が映し出された。
そして50分54秒。主審のホイッスルが鳴り響き、再び大歓声が沸き上がった。 GKリミョンクックが座り込んでしまった。
何度も倒れて起き上るのに時間を掛けていたのは時間稼ぎでは無く、前半36分に駒野のCKを直接キャッチし着地した時に本当に脚を痛めた為であった事は試合後のユンジョンス監督のコメントで知った。
それにしても日本は何度ロスタイムで貴重なゴールを決めたのだろう….かつてはドーハのイラク戦に象徴される様に終了直前に痛い失点を喫していたのに…それだけ激戦を積み重ねて来た日本代表に勝負強さが備わりつつある証拠だろうか….ドイツ代表がそうで有る様に…..
http://www.youtube.com/watch?v=ZzjW62PBxUI&feature=related
南アフリカ大会で大いに期待されていたオーストラリア Socceroos が初戦のドイツ戦で完敗を喫し、ニュージーランドがイタリアの猛攻を凌いで引分けに持ち込み、日本がデンマークに完勝し、次に激戦の末にパラグアイにPK戦で敗れ、ドイツがイングランド、アルゼンチンを連続して粉砕し、ブラジルがオランダの速攻の前に沈みそしてスペインが欧州選手権に続いてビッグタイトルを勝ち取ったワールドカップが終了してから1年2カ月程度しか経っていないのにもう次のワールドカップに向けての長い戦いが始まった。
3次予選のホームゲームが関東地区で開催されるのは最初の北朝鮮戦のみであった。
8月10日の日韓戦も関東地区以外の開催だったのでこの試合は是非現場で観戦したかった。
何とか入手したチケットはカテゴリー3。しかも2枚バラバラだった。高校1年になった息子に。
席が離れているけどもうかまへんやろ? と訊くと、あっさりと
いいよ。その方が…. と言われてしまった。
高校生くらいになるともう親とはスポーツ観戦等したがらないか??とすこし“不安”であったがワールドカップ予選という事としばらくさいたまスタジアムで代表の試合がなさそうという事もあり、昨年5月の韓国戦以来の親子観戦となった。
私が高校生の時は親父に野球観戦を含めたスポーツ観戦等誘われなかったし、誘われても断っていたとだろうなぁ…
北朝鮮戦と言えば6年前ワールドカップドイツ大会出場を目指すジーコジャパンが同じさいたまスタジアムで対戦してるが、あの時はミサイル実験をするとかしないとかでまた拉致家族の問題もあり結構な話題となっていた。試合前に中国で合宿する北朝鮮チームの模様も伝えられたが今回はそこまで加熱した報道は無かった。
懸念されるのは拉致問題に今の民主党政権が関心を示していないと言う事。 遂に首相も替ったけど野田新首相はどれだけ拉致問題に取り組むのだろう…元日教組の親玉を執行部に入れている事が大変心配だ….まさか日本側から“拉致問題は既に解決済みです。昔は日本の方が連れて行っていましたから….”なんて言い出さないだろうか….
心配された台風12号(だったっけ??)も関東地方にはまだ上陸せず試合は予定通り行われる事に。だけど雨が降って重馬場になるとパス回しをする日本には不利な条件と思った。
観客席はかなり上段の方。テレビと違って全体のフォーメーションの動きはじっくりと見れるが最近は目が悪くなったので背番号が見づらい。特に北朝鮮の選手達は鄭大成ら在日の選手以外は顔の区別がつかないので最後まで誰がどうしたかは解らなかった。でもGK以外はこの試合印象に残るパフォーマンスをした選手はいなかった。
本田と長友が怪我で不在の日本代表は左SBに韓国戦に続いて駒野がそしてワントップの李忠成の後ろのトップ下には地元浦和レッズの柏木が入った。こうして見ると昨年のワールドカップの主力メンバーはGK川島をはじめ5人しかピッチにいなかった。
一方の北朝鮮は世代交代が報道されていたがスタメンを見ると左SBの全光益2列目右の Jong Il Guan そして仙台でプレーする梁勇基以外は全て昨年のワールドカップメンバーだった。ただ全光益は2005年FIFA U-17, 2007年 U-20 を経験した23歳の選手で Jong Il Guan は昨年の AFC U-19 決勝戦のオーストラリア戦で3ゴールを叩きこんだ選手と共に若い選手。
北朝鮮のユンジョンス監督は一旦代表監督を退いてユースレベルの指導をして再びこのワールドカップ予選から代表監督に返り咲いた監督。このチームの中にも五輪世代が5人含まれている。そして梁勇基は本当に良く頑張って代表に戻ってきたと思った。
息子のもっとも警戒する選手は梁勇基であった。
そして鄭大成、安英学の在日選手もスタメンに名を連ねた。
6月に貴陽で行われた中国戦出場のメンバーから7人の選手( GK 李明國、DF全光益、CB朴南哲、李光川、ボランチ李哲民、FWJong Il Guan そして梁勇基)がこの試合のスタメンに起用された。
日本のワントップ李忠成も韓国戦に続いて存在感を見せたかっただろう。
鄭大成らがスクリーンに映るとブーイングが発せられたがさすがに李忠成の時は北朝鮮側から声は上がらなかった。
選手の入場に続いてまず北朝鮮の国歌が演奏された。北朝鮮サポーター席から国歌が少し漏れ聞こえて来た。1989年ワールドカップイタリア大会予選の時は国立競技場で在日でものすごい応援団が形成され、人文字や試合中ずっと吹奏楽器で応援歌が流されていた。あれから22年も経ったのか….と成長の無い自分を改めて感じた。
続いて君が代は秋川雅史の独唱。前にも聴いた事あるなぁ…と思っているとこれでサッカーの試合の国歌独唱は4回目との事だった。
北朝鮮のキックオフで始まった試合。 開始1分、全光益が遠藤を倒してFKを得てそのFKを地元でプレーする柏木がゴール前に入れるが惜しくも走り込んだ吉田に合わない。これは幸先のいいスタートと思うもその直後にJong Il Guan が右サイドを突破し至近距離でシュートを放つがサイドネット直撃するがその前に駒野が倒された時点で線審が旗を上げていた。しかしJong Il Guan のスピードを見せられた気がした。
日本は立ち上がり柏木がよく攻撃にからんている様だったが息子に言わすと“柏木 REDS ではあのポジションをやっていないから良いパフォーマンスは出来なかった。 REDS でもあのポジションをやらせれば良いのに….” と試合後言っていた。年々子供に教えられる事が多くなって来る…
10分を過ぎると強い雨が降り出して席からも雨粒が解る様になった。この時屋根で完全に覆われているカテゴリー3の席で良かったと思った。
しかしこの豪雨の中でもボールを支配するのは日本の方だった。こういう時直接FKを得られればなぁ…と思った。2001年FIFA Confederations Cup のオーストラリア戦の様に。
日本はボールは完全に支配しているのだが北朝鮮は日本ボールになると2列目の3人、Jong Il Guan 、朴南哲、梁勇基がボランチの位置に下がり鄭大成を残して 5-5-1 の布陣になるのでゴール前でパスがなかなか通らない。
李忠成が裏に入ったり、ゴール前に空いた位置に入り込みそこに香川からボールが入り走り込んだ柏木に落とす等揺さぶりをかけるが簡単に決定機を作らせてはくれなかった。
北朝鮮は鄭大成とJong Il Guan または朴南哲が2トップを組むと思ったけど鄭大成の1トップ。守勢に入るのは早かったけどカウンター時は鄭大成へのサポートが遅く日本ゴール前に迫られるシーンは少なかった。恐らくアウェーゲームでまずは勝点1と考えたのだろう。20分に内田が全光益をかわして上げたクロスを李忠成が車正赫と競りながら落としたところに柏木、香川が寄るがシュートを撃てず李光川にクリアーされた。 21分には駒野がFKを逆サイドに入れ岡崎が全光益と競りながら落とし柏木が狙うが岡崎のプレーがファールに取られた。北朝鮮のDFラインは左SBの全光益だけが170cmと上背が無いので右からのクロスが目に付いた。
25分を過ぎると北朝鮮にファールが増えて来た。そして雨も完全に止んだ。攻勢にうちに先制ゴールが欲しいと思ったが足元へのパスが多く遠藤、長谷部にしっかりと密着マーク着かれておりその後31分カウンターから柏木の素晴らしいロビングに裏に走り込んだ李忠成がフリーでヘッドで狙うも決まらず32分に香川が素晴らしいドリブルシュートを見せたがポストの右に外れる等前半を無得点で終えた。
北朝鮮も左サイドの梁勇基、全光益の2人は完全に岡崎の動きに抑えられており日本ゴールを脅かすシーンは見られなかった。しかし前半の結果だけを見ると北朝鮮の思惑通りと思った。
両チームともにメンバー交代なく始まった後半。46分に岡崎からボールを受けた長谷部がミドルシュートを放ち、49分40秒には駒野とのパス交換で左サイドをJong Il Guan のマークを振り払い抜け出した香川が入れたクロスに岡崎がダイビングヘッドを試みるが僅かに合わない。クリアーボールを拾われ更に劣勢続きの北朝鮮ベンチは56分FW朴南哲に替えてスイス Basel でプレーする186cm 長身FW18歳のパククァンリョンを投入した。これで2トップにするかパククァンリョンの1トップにするかと思ったけど交替直後は鄭大世の1トップでパククァンリョンは2列目のトップ下に入った。 FC Basel には韓国人左SBの朴柱昊がいるけど2人は会話をする事があるのだろうか?今度スイス行った時に訊いてみよう….(答えてくれないか??)
攻めあぐねる日本は59分に柏木を下げて清武を投入し2列目右に入り香川をトップ下に入った。地元でプレーする柏木、ちょっと存在を示せなかったか…原口元気が出て来る事を息子は試合前祈っていた。
60分パククァンリョンとJong Il Guan のコンビでボールを繋がれ最後は李哲民からボールを受けた梁勇基が正面からシュートを撃たれるがここは吉田に当たってCK。梁勇基が上げたCKに逆サイドから飛び込んできたパククァンリョンが迫力のある飛び込みを見せるがここは吉田が遅れながらも身体を寄せてジャストミートを防いだ。この試合最も危ないシーンだった。
その直後からも日本は攻撃に転じ清武が連続シュートを見せるが車正赫に当たる等してゴールネットに至らない。このシュートを導き出したのはトップ下に入った香川の動きから。
北朝鮮も鄭大成が強引なミドルを放ったり69分にはカウンターからパククァンリョンに渡り後ろに戻したJong Il Guan がシュート体勢に入ったが距離があったか前線に出したスルーパスはそのまま川島の手中に収まった。
残り20分となり日本ベンチは2人目の交替選手李忠成に替えて何とハーフナーマイクを投入した。ハーフナーと言えば父親ティド=ハーフナーが日本リーグ時代に来日しマツダに入団し当時のサッカーファンで話題となった。子を持つ親としては選手よりもティドの心境の方が良く理解できる。もし本田の怪我が無ければ召集されただろうか…彼も何か持っているのかもしれない。
そのハーフナーにいきなりボールが入り北朝鮮ゴール前に迫り最後は長谷部が李哲民に倒されゴール正面絶好の位置でFKを得る。遠藤が狙うが惜しくもポストの左上に外れた。 72分42秒には内田のクロスを朴南哲を跳ね飛ばしてハーフナーがヘッドを放つがクリスバーを越えた。73分33秒には長谷部がドリブルで上がり相手DFを引きつけハーフナーに送り強烈なミドルを放つが今度はクルスバーを直撃する。そしてセーブに飛んだGK李明國がなかなか起き上れずUAE人の Ali Hawad Al Badwawi 主審はイエローカードを提示した。
北朝鮮ベンチは77分にボランチの李哲民を下げて20歳のFW朴成哲を入れる。 FIFA U-20 に出場した選手だけどどうしてボランチを下げたのだろう。これで日本の中盤が更にスペースが出来ると思った。
北朝鮮は鄭大世のワントップからパククァンリョンと2トップになったり鄭大成が2列目に入ったりするようになった。そしてJong Il Guan が前に出て来た。勝点3を取りに来るのだろうか。DFラインも80分を過ぎてから最終ラインを少し上げて来た。
ハーフナー対策だろうか….
80分に長谷部が右サイドをドリブルで粘りCKを得る。そこから繋いで香川が上げたところに岡崎がヘッドを放つがまたも李明國がファインセーブで弾き出す。82分15秒には遠藤のFKからファーサイドのハーフナーが放ったヘッドは李明國の正面に。
83分パククァンリョンが遠藤に入れたスライディングに一発レッドが出される。完全にスパイクの底面を向けてのスライディングだった。
パククァンリョンはなかなかピッチを去らない。スタンドからはブーイングが沸き起こる。劣勢の北朝鮮は1人少なくなってしまったがこれで完全に専守体制に入ると思った。そして得点は更に厳しくなるかもと思った。
88分清武の右からのクロスを香川が落とすがクリアーされ、続いて駒野のアーリークロスは李明國の正面に。 残り時間が1分半を切った。ロスタイムは何分あるのかなぁ….
でも日本はここ数年ロスタイムに何度もゴールを決めている。自分の中では得点の予感はあった。 朴成哲が強引にロングを放つが川島の正面に。しかし北朝鮮は勝つ必要はないこのままの状態で終われば良いのだ。北朝鮮ベンチは交替選手を準備する。あぁ明らかに時間稼ぎだなぁ…
競技場から駐車場に向かう道、土壇場でのドラマに酔いしれた青いレプリカを着る人達の幸福感が手に取る様に解った。
本当に良かったぁ~と言うのが本音だった。
“女の人殆ど背番号6のユニフォーム着てたよ。”
“6番、誰やった…”
“内田。“
“そうかぁ…原口は出番なかったなぁ。”
“次はいつさいスタで試合あんの?”
“最終予選まで無いぞ。”
“来年かぁ….”
“勝ち抜けるかわからんぞ。“
“そんなことないよ。”
こんな会話を息子としながら帰った。 本当に幸せな時代だ。代表は強くなった、女の子もサッカーやスポーツに興味持つ様になったし。 雨にたたられなかったし…
そして翌日私は商用で南半球に飛び立った。 なでしこの五輪予選突破とウズベキスタン戦のドローを知った。こういう結果もリアルタイムで解る様になった。 でもやっぱり試合はライブで見たいなぁ…。よし息子よ次は平壌に遠征だ....
ここで北朝鮮ベンチは鄭大成を下げてアンチョルヒョクを入れる。後で解ったのだがアンチョルヒョクはFW登録の選手。日本のロングボール対策にセレッソ大阪でプレーする190cmのキムソンギを入れるかと思ったのだけど…それにしても相手CKでよく選手を変えるなぁ…とも思った。
そのCKから内田が放ったシュートは大きくクロスバーを外れた。デジタルは45分を回ったがロスタイム5分と表示された。北朝鮮の選手達は何度も倒れていたしなぁ….
46分7秒、北朝鮮のスローインに駒野と競ったアンチョルヒョクのプレーがファールに取られる。目の前で見ていたユンジョンス北朝鮮監督が主審に抗議するが勿論判定は変わらない。そこで得たFKから繋いでまたも内田が入れたクロスはハーフナーが朴南哲と競りながら落としたところを香川がシュート体勢に入るが肝心のシュートが撃てなくてクリアーされるがここのこぼれ球も駒野が拾って右サイドから中に入れるとハーフナーを越えて清武に渡りそして中の香川に送られるが香川のシュートはDFに当たってCKに。CKから今度は今野が狙いすまして放ったショットはクロスバーを叩いてしまう。この日のさいたまスタジアムのゴールポスト、クロスバーは完全に北朝鮮の味方をしていたようだった。だがそのこぼれ球はジョンイルガンがゴーラインの方にクリアーしたのでまたもCKを得る。そのCKを受けた長谷部が入れたクロスにまたも香川がワンタッチで素晴らしいシュートを放つがここはGKリミョングックの超ファインセーブに阻まれる。李明國は朴南哲とハイタッチをかわしていいた。この試合もこれで運が尽きたか…と思うもデジタルは47分50秒。まだ時間は残されていた。遠藤のCKを受けた長谷部が清武に渡し中に放り込むと今度は内田が飛び込む。だがここもジョンイルガンに当たってCKに。この4分間で4本目のCKだった。ここさいたまスタジアムでは2005年に行われたワールドカップ予選の北朝鮮戦でもロスタイムに大黒の決勝ゴールが決まり劇的な勝利を収めた事がずっと頭にあったのでこの試合でも…と希望は捨てていなかったが、もうこれが最後のチャンスかも…とも思ったCK、長谷部が右サイドでキープしまたも清武に渡す。清武がクロスを入れると次に私の目に飛び込んだのは北朝鮮ゴールネット中央にシュートが突き刺さるシーンだった。ブルーのユニフォームの選手達がピッチ上で狂喜乱舞している。 競技場を埋め尽くした大観衆から割れんばかりの歓声が上がり、私の周囲の人達が誰彼となくお互いにハイタッチをかわし始めた。
決めたの誰ですかねぇ~…
吉田…みたいですよ….
スクリーンのリプレーを見るとCB 李光川と朴南哲の間に挟まれながらの高い打点で放たれた吉田のヘッドが映し出された…
嬉しさもそうだけどむしろ安堵感が沸き上がった。あぁ良かった~。おもわず小声で呟いた。
北朝鮮のサポーター席を見ると対照的に全く動きが無かった…..スクリーンには鄭大成の表情が映し出された。
そして50分54秒。主審のホイッスルが鳴り響き、再び大歓声が沸き上がった。 GKリミョンクックが座り込んでしまった。
何度も倒れて起き上るのに時間を掛けていたのは時間稼ぎでは無く、前半36分に駒野のCKを直接キャッチし着地した時に本当に脚を痛めた為であった事は試合後のユンジョンス監督のコメントで知った。
それにしても日本は何度ロスタイムで貴重なゴールを決めたのだろう….かつてはドーハのイラク戦に象徴される様に終了直前に痛い失点を喫していたのに…それだけ激戦を積み重ねて来た日本代表に勝負強さが備わりつつある証拠だろうか….ドイツ代表がそうで有る様に…..
http://www.youtube.com/watch?v=ZzjW62PBxUI&feature=related
南アフリカ大会で大いに期待されていたオーストラリア Socceroos が初戦のドイツ戦で完敗を喫し、ニュージーランドがイタリアの猛攻を凌いで引分けに持ち込み、日本がデンマークに完勝し、次に激戦の末にパラグアイにPK戦で敗れ、ドイツがイングランド、アルゼンチンを連続して粉砕し、ブラジルがオランダの速攻の前に沈みそしてスペインが欧州選手権に続いてビッグタイトルを勝ち取ったワールドカップが終了してから1年2カ月程度しか経っていないのにもう次のワールドカップに向けての長い戦いが始まった。
3次予選のホームゲームが関東地区で開催されるのは最初の北朝鮮戦のみであった。
8月10日の日韓戦も関東地区以外の開催だったのでこの試合は是非現場で観戦したかった。
何とか入手したチケットはカテゴリー3。しかも2枚バラバラだった。高校1年になった息子に。
席が離れているけどもうかまへんやろ? と訊くと、あっさりと
いいよ。その方が…. と言われてしまった。
高校生くらいになるともう親とはスポーツ観戦等したがらないか??とすこし“不安”であったがワールドカップ予選という事としばらくさいたまスタジアムで代表の試合がなさそうという事もあり、昨年5月の韓国戦以来の親子観戦となった。
私が高校生の時は親父に野球観戦を含めたスポーツ観戦等誘われなかったし、誘われても断っていたとだろうなぁ…
北朝鮮戦と言えば6年前ワールドカップドイツ大会出場を目指すジーコジャパンが同じさいたまスタジアムで対戦してるが、あの時はミサイル実験をするとかしないとかでまた拉致家族の問題もあり結構な話題となっていた。試合前に中国で合宿する北朝鮮チームの模様も伝えられたが今回はそこまで加熱した報道は無かった。
懸念されるのは拉致問題に今の民主党政権が関心を示していないと言う事。 遂に首相も替ったけど野田新首相はどれだけ拉致問題に取り組むのだろう…元日教組の親玉を執行部に入れている事が大変心配だ….まさか日本側から“拉致問題は既に解決済みです。昔は日本の方が連れて行っていましたから….”なんて言い出さないだろうか….
心配された台風12号(だったっけ??)も関東地方にはまだ上陸せず試合は予定通り行われる事に。だけど雨が降って重馬場になるとパス回しをする日本には不利な条件と思った。
観客席はかなり上段の方。テレビと違って全体のフォーメーションの動きはじっくりと見れるが最近は目が悪くなったので背番号が見づらい。特に北朝鮮の選手達は鄭大成ら在日の選手以外は顔の区別がつかないので最後まで誰がどうしたかは解らなかった。でもGK以外はこの試合印象に残るパフォーマンスをした選手はいなかった。
本田と長友が怪我で不在の日本代表は左SBに韓国戦に続いて駒野がそしてワントップの李忠成の後ろのトップ下には地元浦和レッズの柏木が入った。こうして見ると昨年のワールドカップの主力メンバーはGK川島をはじめ5人しかピッチにいなかった。
一方の北朝鮮は世代交代が報道されていたがスタメンを見ると左SBの全光益2列目右の Jong Il Guan そして仙台でプレーする梁勇基以外は全て昨年のワールドカップメンバーだった。ただ全光益は2005年FIFA U-17, 2007年 U-20 を経験した23歳の選手で Jong Il Guan は昨年の AFC U-19 決勝戦のオーストラリア戦で3ゴールを叩きこんだ選手と共に若い選手。
北朝鮮のユンジョンス監督は一旦代表監督を退いてユースレベルの指導をして再びこのワールドカップ予選から代表監督に返り咲いた監督。このチームの中にも五輪世代が5人含まれている。そして梁勇基は本当に良く頑張って代表に戻ってきたと思った。
息子のもっとも警戒する選手は梁勇基であった。
そして鄭大成、安英学の在日選手もスタメンに名を連ねた。
6月に貴陽で行われた中国戦出場のメンバーから7人の選手( GK 李明國、DF全光益、CB朴南哲、李光川、ボランチ李哲民、FWJong Il Guan そして梁勇基)がこの試合のスタメンに起用された。
日本のワントップ李忠成も韓国戦に続いて存在感を見せたかっただろう。
鄭大成らがスクリーンに映るとブーイングが発せられたがさすがに李忠成の時は北朝鮮側から声は上がらなかった。
選手の入場に続いてまず北朝鮮の国歌が演奏された。北朝鮮サポーター席から国歌が少し漏れ聞こえて来た。1989年ワールドカップイタリア大会予選の時は国立競技場で在日でものすごい応援団が形成され、人文字や試合中ずっと吹奏楽器で応援歌が流されていた。あれから22年も経ったのか….と成長の無い自分を改めて感じた。
続いて君が代は秋川雅史の独唱。前にも聴いた事あるなぁ…と思っているとこれでサッカーの試合の国歌独唱は4回目との事だった。
北朝鮮のキックオフで始まった試合。 開始1分、全光益が遠藤を倒してFKを得てそのFKを地元でプレーする柏木がゴール前に入れるが惜しくも走り込んだ吉田に合わない。これは幸先のいいスタートと思うもその直後にJong Il Guan が右サイドを突破し至近距離でシュートを放つがサイドネット直撃するがその前に駒野が倒された時点で線審が旗を上げていた。しかしJong Il Guan のスピードを見せられた気がした。
日本は立ち上がり柏木がよく攻撃にからんている様だったが息子に言わすと“柏木 REDS ではあのポジションをやっていないから良いパフォーマンスは出来なかった。 REDS でもあのポジションをやらせれば良いのに….” と試合後言っていた。年々子供に教えられる事が多くなって来る…
10分を過ぎると強い雨が降り出して席からも雨粒が解る様になった。この時屋根で完全に覆われているカテゴリー3の席で良かったと思った。
しかしこの豪雨の中でもボールを支配するのは日本の方だった。こういう時直接FKを得られればなぁ…と思った。2001年FIFA Confederations Cup のオーストラリア戦の様に。
日本はボールは完全に支配しているのだが北朝鮮は日本ボールになると2列目の3人、Jong Il Guan 、朴南哲、梁勇基がボランチの位置に下がり鄭大成を残して 5-5-1 の布陣になるのでゴール前でパスがなかなか通らない。
李忠成が裏に入ったり、ゴール前に空いた位置に入り込みそこに香川からボールが入り走り込んだ柏木に落とす等揺さぶりをかけるが簡単に決定機を作らせてはくれなかった。
北朝鮮は鄭大成とJong Il Guan または朴南哲が2トップを組むと思ったけど鄭大成の1トップ。守勢に入るのは早かったけどカウンター時は鄭大成へのサポートが遅く日本ゴール前に迫られるシーンは少なかった。恐らくアウェーゲームでまずは勝点1と考えたのだろう。20分に内田が全光益をかわして上げたクロスを李忠成が車正赫と競りながら落としたところに柏木、香川が寄るがシュートを撃てず李光川にクリアーされた。 21分には駒野がFKを逆サイドに入れ岡崎が全光益と競りながら落とし柏木が狙うが岡崎のプレーがファールに取られた。北朝鮮のDFラインは左SBの全光益だけが170cmと上背が無いので右からのクロスが目に付いた。
25分を過ぎると北朝鮮にファールが増えて来た。そして雨も完全に止んだ。攻勢にうちに先制ゴールが欲しいと思ったが足元へのパスが多く遠藤、長谷部にしっかりと密着マーク着かれておりその後31分カウンターから柏木の素晴らしいロビングに裏に走り込んだ李忠成がフリーでヘッドで狙うも決まらず32分に香川が素晴らしいドリブルシュートを見せたがポストの右に外れる等前半を無得点で終えた。
北朝鮮も左サイドの梁勇基、全光益の2人は完全に岡崎の動きに抑えられており日本ゴールを脅かすシーンは見られなかった。しかし前半の結果だけを見ると北朝鮮の思惑通りと思った。
両チームともにメンバー交代なく始まった後半。46分に岡崎からボールを受けた長谷部がミドルシュートを放ち、49分40秒には駒野とのパス交換で左サイドをJong Il Guan のマークを振り払い抜け出した香川が入れたクロスに岡崎がダイビングヘッドを試みるが僅かに合わない。クリアーボールを拾われ更に劣勢続きの北朝鮮ベンチは56分FW朴南哲に替えてスイス Basel でプレーする186cm 長身FW18歳のパククァンリョンを投入した。これで2トップにするかパククァンリョンの1トップにするかと思ったけど交替直後は鄭大世の1トップでパククァンリョンは2列目のトップ下に入った。 FC Basel には韓国人左SBの朴柱昊がいるけど2人は会話をする事があるのだろうか?今度スイス行った時に訊いてみよう….(答えてくれないか??)
攻めあぐねる日本は59分に柏木を下げて清武を投入し2列目右に入り香川をトップ下に入った。地元でプレーする柏木、ちょっと存在を示せなかったか…原口元気が出て来る事を息子は試合前祈っていた。
60分パククァンリョンとJong Il Guan のコンビでボールを繋がれ最後は李哲民からボールを受けた梁勇基が正面からシュートを撃たれるがここは吉田に当たってCK。梁勇基が上げたCKに逆サイドから飛び込んできたパククァンリョンが迫力のある飛び込みを見せるがここは吉田が遅れながらも身体を寄せてジャストミートを防いだ。この試合最も危ないシーンだった。
その直後からも日本は攻撃に転じ清武が連続シュートを見せるが車正赫に当たる等してゴールネットに至らない。このシュートを導き出したのはトップ下に入った香川の動きから。
北朝鮮も鄭大成が強引なミドルを放ったり69分にはカウンターからパククァンリョンに渡り後ろに戻したJong Il Guan がシュート体勢に入ったが距離があったか前線に出したスルーパスはそのまま川島の手中に収まった。
残り20分となり日本ベンチは2人目の交替選手李忠成に替えて何とハーフナーマイクを投入した。ハーフナーと言えば父親ティド=ハーフナーが日本リーグ時代に来日しマツダに入団し当時のサッカーファンで話題となった。子を持つ親としては選手よりもティドの心境の方が良く理解できる。もし本田の怪我が無ければ召集されただろうか…彼も何か持っているのかもしれない。
そのハーフナーにいきなりボールが入り北朝鮮ゴール前に迫り最後は長谷部が李哲民に倒されゴール正面絶好の位置でFKを得る。遠藤が狙うが惜しくもポストの左上に外れた。 72分42秒には内田のクロスを朴南哲を跳ね飛ばしてハーフナーがヘッドを放つがクリスバーを越えた。73分33秒には長谷部がドリブルで上がり相手DFを引きつけハーフナーに送り強烈なミドルを放つが今度はクルスバーを直撃する。そしてセーブに飛んだGK李明國がなかなか起き上れずUAE人の Ali Hawad Al Badwawi 主審はイエローカードを提示した。
北朝鮮ベンチは77分にボランチの李哲民を下げて20歳のFW朴成哲を入れる。 FIFA U-20 に出場した選手だけどどうしてボランチを下げたのだろう。これで日本の中盤が更にスペースが出来ると思った。
北朝鮮は鄭大世のワントップからパククァンリョンと2トップになったり鄭大成が2列目に入ったりするようになった。そしてJong Il Guan が前に出て来た。勝点3を取りに来るのだろうか。DFラインも80分を過ぎてから最終ラインを少し上げて来た。
ハーフナー対策だろうか….
80分に長谷部が右サイドをドリブルで粘りCKを得る。そこから繋いで香川が上げたところに岡崎がヘッドを放つがまたも李明國がファインセーブで弾き出す。82分15秒には遠藤のFKからファーサイドのハーフナーが放ったヘッドは李明國の正面に。
83分パククァンリョンが遠藤に入れたスライディングに一発レッドが出される。完全にスパイクの底面を向けてのスライディングだった。
パククァンリョンはなかなかピッチを去らない。スタンドからはブーイングが沸き起こる。劣勢の北朝鮮は1人少なくなってしまったがこれで完全に専守体制に入ると思った。そして得点は更に厳しくなるかもと思った。
88分清武の右からのクロスを香川が落とすがクリアーされ、続いて駒野のアーリークロスは李明國の正面に。 残り時間が1分半を切った。ロスタイムは何分あるのかなぁ….
でも日本はここ数年ロスタイムに何度もゴールを決めている。自分の中では得点の予感はあった。 朴成哲が強引にロングを放つが川島の正面に。しかし北朝鮮は勝つ必要はないこのままの状態で終われば良いのだ。北朝鮮ベンチは交替選手を準備する。あぁ明らかに時間稼ぎだなぁ…
競技場から駐車場に向かう道、土壇場でのドラマに酔いしれた青いレプリカを着る人達の幸福感が手に取る様に解った。
本当に良かったぁ~と言うのが本音だった。
“女の人殆ど背番号6のユニフォーム着てたよ。”
“6番、誰やった…”
“内田。“
“そうかぁ…原口は出番なかったなぁ。”
“次はいつさいスタで試合あんの?”
“最終予選まで無いぞ。”
“来年かぁ….”
“勝ち抜けるかわからんぞ。“
“そんなことないよ。”
こんな会話を息子としながら帰った。 本当に幸せな時代だ。代表は強くなった、女の子もサッカーやスポーツに興味持つ様になったし。 雨にたたられなかったし…
そして翌日私は商用で南半球に飛び立った。 なでしこの五輪予選突破とウズベキスタン戦のドローを知った。こういう結果もリアルタイムで解る様になった。 でもやっぱり試合はライブで見たいなぁ…。よし息子よ次は平壌に遠征だ....
http://www.youtube.com/watch?v=nZZLoJuRTzY
常々「民主党内の保守派」をアピールしてきた野田首相であるが、閣僚や政務官の人事を見ると、とても保守政治家とは思えない。果たしてその安保・歴史観とは実際の所どのような物であるのか?日本政策研究センター所長の岡田邦宏氏に解説していただきます。
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日本列島は日本人だけのものではないという民主党政権ははやく降りて欲しいですが次の衆議院選挙までは絶対に解散しないでしょう。あの時“政権交代”ありきの衆議院選挙だったことが悔やまれます。勿論私は自民党に入れましたが。でも今の自民党もなぁ….
拉致問題に進展が無い事が心配でたまりません。