Mr.コンティのRising JAPAN

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The Beatles in Australia

2006-09-29 | Aussie & Kiwi
オーストラリアでは日本と異なり、本屋自身がデッドストックになっている書籍を値下げしてワゴンセールスをすることが。たまに私も掘り出し物を見つけるが、今回の出張時にある写真集を入手出来た。 THE BEATLES IN AUSTRALIA と言う Beatles が1966年6月に来豪した時の写真集だ。この写真集は最初にコンサートを行った Adelaide での様子を写したものが収められている。表紙を見ると John, Paul, George と並んで見慣れぬメンバー?が。Ringo Starr とは似つかない顔だ。彼の名前は Jimmy Nicole 。Ringo Starr は病気の為に最初の Adelaide コンサートは参加出来ず、次の Melbourne コンサートから合流したらしい。それだけに Jimmy Nicole が入っている写真集は“レアー物”とト書きに書いてあった。
40年前に Jimmy Nicole を加えて Beatles コンサートが開催された街アデレードは学生の街と言われており、世界中から留学生が多く集うらしい。そしてシドニー五輪では日本五輪チームはここでアメリカ五輪チームと準々決勝を行いPK戦で破れた。また8月にここでAFC女子選手権が行われなでしこジャパンは4位に終わりワールドカップ出場決定は先送りとなった。我々にはあまり縁起の良い場所では無い様だ。 
ここをホームにする A League のチーム Adelaide United 。昨シーズンのシーズン成績、と言うよりも大会フォーマットそのものに違和感を感じた地元サポーターは少なく無いだろう。レギュラーシーズンは下馬評を大きく覆し、2位 Sydney FC を勝点7の差を付け首位という成績だった。しかし年度優勝を上位4チームで決める Final Series では Semi Final では Sydney FC に破れ、続く Preliminary Final ではレギュラーシーズン3位の Central Coast に 0-1 で破れ、 Grand Final には残れなかった。ここ2シーズンの福岡ダイエーホークスの様な悲劇であった。従って今季も指揮を取る John Kosmina 監督は“レギュラーシーズンはもとより、Final Series の戦いを視野にいれたチーム作りを敢行する。”と語る。 しかし、昨シーズンの Adelaide United ( 通称は赤いユニフォームから Red Army)
の誰も予想できなかった躍進は Sydney FC の初代チャンピオンと言う事と並んで掲揚されるべきである。 Fernand Rech は“我々にはDwight York はいないがチームワークと約束事がある。”とチームの特色を述べる。 Ross Aloisi は昨シーズンを振り返り“チームの多くは欧州でもプレーした経験があるのでA League のシーズンは特別に長丁場だとは思わない。”と語りながらも、”Final では福音が必要だ。ワールドカップでプレーをする様だ。“ともコメントを残す。また昨季の好調は早くからチーム作りを初められた為とも。メンバーが決り、始動が始まったのはGrand Final から逆算すると13ヶ月も前だったらしい。このベテランCHFのAloissi はアトランタ五輪代表にも選ばれ、1994年キリンカップで来日し日本代表とも試合をしたキャリアがある。2年目の今シーズン最大の補強は曲聖卿 Qu Shengqingとの契約延長といわれている。当初彼の家族がオーストラリア滞在ビザが出ないので退団を決めたが、チーム関係者が留意を施し2年目の契約を締結する事に。チーム CEO の Michael Petrillo は”昨シーズン来豪した時よりも身体が絞れている、と曲が言っている。“と目を細めているとか。曲聖卿は2000年のアジアカップで中国代表の一員として日本代表とも対戦している。昨年上海申花からオーストラリアに移ってきた。今季から加入した Dez Girladi はイタリアセリエCのエンポリからのローン。 ウーロンゴン出身でオーストラリアU-17 代表経験もあり、2年後の北京五輪代表候補。昨年は4週間 Central Coast Mariners ( Guest player かな?)でプレーをした。Greg Owen は元U-20代表選手で2001年のFIFA U-20大会では日本とも対戦した。昨シーズン途中から Adelaide に加入し、今季も引き続き Red Army に。また 元 Celtic の Bobby Petta は1996-2006年までCeltic に在籍した左サイドハーフのオランダ人。 Chmpions League や UEFA Cup の出場経験もありCeltic のユニフォームを着て167試合に出場し51ゴールを決めた。また Ross Aloisi に並んで36歳のベテラン Carl Veart は4位になったバルセロナ五輪のメンバーで準決勝のポーランド戦(この五輪では優勝)相手にゴールを上げ、イングランドのCrystal Palace 等100試合以上の出場経験がある。Angelo Constanzo は地元 Adelaide 出身のベテランハーフ。彼ら3人がこのチームの重鎮。寄る年波を危惧するサポーターも居るが彼らは”リーグでの戦いは熟知している“と気にしない。Nathan Burns、Bruce Djiteの両FWはU-20代表で日本を含めたアジアの列強と来年のFIFA U-20アジア代表の座を争う。
前節は首位争いをする Roar にアウェーでしぶとく引き分けたが 曲聖卿 が退場で時節から何試合か出場停止に。またブラジル人 Fernand Rech がこの試合で負傷して4~6週間の戦線離脱を余儀なくされている。現在2勝1分2敗勝点7で4位だが、おそらく John Kosmina 監督は昨シーズンの”教訓“を生かし4位以内に入ればと長期的な視野に立っているだろう。 Kosmina 監督はオーストラリア史上屈指の国際実績を持つ 1976年から12年間に渡り代表試合100試合に出場し45得点を決めた。ワールドカップ予選もアルゼンチン大会予選から3大会経験しており、1988年ソウル五輪にも出場した。1977-1978 1シーズンだけArsenal に在籍したが出場試合は1試合のみだったらしい。しかし、オーストラリアサッカー”暗黒の時代“を支えた一人だ。 そして Adelaide にビッグニュースがある。ブラジルの英雄ロマーリオが Guest Payerとして4週間在籍する事になった。何かと問題の多いロマーリオは最近ではアメリカ Measure League Soccer League の2部 Miami FC でプレーをしていた。彼の Adelaide 移籍は自身通算1000得点達成を見込んでの事で、達成できれば神様ペレ以来の偉業だ。 しかし、1000ゴール目は故郷のバスコダ・ガマで挙げるつもりらしい。 しかし、彼の加入には FFA 会長の O’Neal 氏は眉をひそめる。それはロマーリオの振る舞いのみならず、”大金を使うならかつてのオーストラリアの英雄達に使って欲しい“とのコメントも。名前は忘れたがロマーリオの前には数年間プレーをしていない選手を Guest Player に迎えようとしたらしい。
ロマーリオ効果がどう現れるかは解らないが、Kosmina 監督は“若いNathan Burns、Bruce Djiteの良い手本に、そしてブラジル人FW Fernand Rech の良き刺激になればと思う”とコメントするが、奇怪な振る舞いやコメント癖は治ったのかな?ただこの2人は縁が有る。ソウル五輪の1次リーグの第2戦でオーストラリアはブラジルと対戦し、ロマーリオの3ゴールで敗れている。 Kosmina はベンチにいたが続くナイジェリア戦は決勝ゴールを上げベスト8進出を果たした。準々決勝ではこの大会で金メダルを勝ち取ったソ連に 0-3 で完敗し姿を消した。一方のロマーリオは決勝戦まで残り、ソ連に逆転負けしたが大会得点王に輝き、五輪後は PSV Endhoven に移り年末のTOYOTA CUP に欧州代表で来日した。
たかがオーストラリア国内リーグと言うなかれだ。どこの国にもサッカーはあり、色々繋がっている。 Champions League や欧州戦線も良いけど、南半球、不毛の地に芽生えたサッカー熱から目が離せない。 


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