Mr.コンティのRising JAPAN

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Grand Final への道  Elimination Final

2013-05-06 | Aussie & Kiwi
Victory stay alive in extra-time Melbourne Victory 2-1 Perth Glory

最終節で Adelaide United と引き分け Sydney FC を得失点差で上回り6位に入った Perth Glory は Elimination Semi Final でレギュラーシーズン3位で終えた Melbourne Victory と Etihad Stadium で対戦した。 
昨シーズンは Grand Final にまで進出した Perth Glory であるがこの試合のスタメンで昨年の Grand Final にも出場した選手は6人だけだった。 サラリーキャップ制を施行している A-League では好成績を上げた選手はサラリーの問題から他のチームに引き抜かれてしまう。 
MF Victor Sikora かつて徳島でもプレーした Andrezinho, DF Josh Mitchell, Todd Howarth, CB Christopher Coyne 英国人FW Billy Mehmet 達主力選手と再契約をしなかった。
そして今シーズン初めに Sydney FC からかつて北京五輪代表候補であった Nick Ward そしてFIFA U-17 2005 メンバーで代表歴もある21歳のレフティ Scott Jamieson , Gold Coast United で3シーズンプレーした CB Michael Thwaite を開幕前に獲得。
Thwaite は Guus Hiddink 政権前の Frank Farina 時代には何度か Socceroos に招集された実績を持つ選手。
そしてシーズン開幕後に小野の話題に隠れて大きな話題にならなかったけどセレッソ大阪から Sydney FC から永井龍とのローン契約締結が発表された。
今シーズンは開幕戦では昨シーズンの Grand Final の再現となる Brisbane Roar を相手に 1-0 で勝利を収める好スタートを切った。第6節までは3勝2敗1分と白星が先行していたが第7節から第10節まで3敗1分 ( 0-1 Western Sydney, 1-1 Wellington, 0-1 Victory, 0-1 Hearts ) と黒星が先行してしまう。そして第13節から20節まで5連敗を含む2分6敗となり遂に最下位に沈んでしまう。しかし最後の7試合を4勝2敗1分とし6位に浮上し Final Series への出場権を手に入れた。 Final Series 出場争いをする Sydney FC, Newcastle Jets との連続直接対決を連勝したことが大きかった。
2013年に入ると1月28日に今シーズン14試合に出場していた2011年に釜山アイコンズから獲得したオランダ人DF Bas van den Brink の解雇を発表したがこれは本人が他のチームでプレーしたかったらという理由だったらしい。
同月にはアルゼンチンから18歳の Matias Cordoba の獲得が発表された。そして彼がフィットして来て最後の勝点に繋がった。

対する Melbourne Victory はリーグ創設以来昨年まで7シーズン中優勝2回 ( 2006-07, 2008-09) を含み3度 Grand Finalに進出しており4度 Final Series に進んでいる実績を持つ。昨シーズンはスーパースター Harry Kewell が全く機能せず8位に終わり4シーズンぶりに Final Series を逃した。
そしてシーズン終了後ベテラン選手 Grant Brebner ,GK Ante Covic, Fabio , 更に Carlos Hernandez がチームを去ることになり Matthew Kemp が引退を表明した。 そして解体された Gold Coast United から DF Adam Traore, Central Coast から Sam Gallager, Space Dilveski を Adelaide United から、そしてJEF市原でプレーしていた代表CB Mark Milligan を獲得した。

今シーズンは開幕から連敗スタート ( 1-2 Hearts, 0-5 Brisbane ) であったが以降は連勝はしても連敗をする事な順調に勝ち点を重ね18節を終えた時点ではCentral Coast Mariners に次いで2位に付けていた。最終的には Western Sydney に抜かれて3位に終わったが早々と Final Series 進出の権利は確保していた。 しかし20節から最後の8試合が3連敗 ( 0-1 Adelaide, 1-2 Western Sydney, 2-6 Central Coast ) を含めて2勝2分4敗と敗戦が混んでいたのが気になった。 
開幕のころスタメンで起用された選手でこの試合でもスタメンに名を連ねたのは Adrian Leijer だけだった。 シーズン開幕から1カ月ほどしてベテラン選手 Daniel Allsopp が引退を表明したが GK Nathan Coe と契約しその後彼がゴールを守ることになった。
2013年1月には大幅な入れ替えを行った。 Peter Franjic, Julius Davies そして Isaka Cemak らが解雇され Francesco Stella, Jesse Makarounas, Jason Geria, Scott Galloway と契約し負傷で離脱した Nichlas Ansell の代役として元 Adelaide United のDF Daniel Mullen を大連阿尓浜からローン契約で獲得した。 U-17, U-20 のにも選出されたMakarounas は Perth Glory の選手だった。

今シーズンの直接対決は Victory の2勝, Perth の1勝。 Perth の1勝はシーズン終盤の第26節であったがこの試合、Victory の Posetecoglou 監督は主力の Thompson, Roja, Milligan, Dilveski を外したスタメンだった。
Roja, Thompson の攻撃の主力を欠いても2得点を上げた。その2得点目は試合終了直前に交替出場の Christopher Christaldo が決めた同点ゴールであったがその2分後に Scotland 人 MF Steven McGarry に決勝ゴールを決められた。

Perth Glory は前の Victory 戦から4人選手を替えた。特筆すべきは All Whites のストライカー Shane Smeltz がワールドカップ予選で負った怪我から回復し約1カ月ぶりにスタメン起用された事だ。15針も縫った顔面を守る為にファースガードをしてのプレーだった。 Heffernan, McGarry がベンチスタートとなりベテランMF Travis Dodd はベンチメンバーからも外れていた。 永井はスタメン起用された。
Melbourne Victory も前の対戦からメンバーを4人替えたがそれは Roja, Thompson , Milligan のレギュラーを戻したという事だった。そして前の Perth 戦で Dylan Murnane に替わって後半から途中出場した19歳の DF Jason Geria がスタメンに抜擢された。Murnane はベンチ入りもしなかった。
先制したのは Perth だった。左サイドをオーバーラップで上がった Scott Jamieson が入れたクロスに Victory DF Leijer と GK Nathan Coe が御見合いをする格好で譲り合ってしまい、それを見た永井が胸で無人のゴールに押し込んだ。永井の Perth Gloryでの2ゴール目であった。



その後は Melbourne の Rojas が何度も Galloway と共に左サイドを突破し攻撃の起点となるが Perth の中盤 Burns, Miller そして Cordoba がしっかりと中を絞ってシュートを撃たせない。27分には Jamieson のCeleski へのチャージにイエローが出された。 そして Rojas が素早いリスタートでボールを運び Broxham に送るがそこから放たれたミドルはゴール枠を捉えられなかった。 
49分になり1点を追うホームの Victory はようやく Geria を下げてアルゼンチン人FWの Flores を入れて Thompson と攻撃を組ませる。そして Broxham を右SBに下げた。
しかし次にチャンスを迎えたのは Perth 。 Miller から素晴らしいスルーパスを受け GK Coe と1対1になるが Coe は素晴らしい反射で防ぐ。 さすが Socceroos 候補だ。
この次に決定機を掴んだのは Victory . しかし Flores のヘッドは GK Vukovic を越えるもゴールネットの上に乗る。 Vukovic は2007-08には Central Coast Mariners の正GKだった。そして北京五輪チームの正GKでもあったが Grand Final で審判に手を出してしまい出場停止処分を受け、北京五輪も棒に振ってしまった選手だ。 何とか Sooceroos に選出されないかと思っているんだけど。
70分永井のクロスに Smeltz が合わせるがクロスバーを越えていく。 永井は何度も左サイドを突破していた。この試合の Man of the Match の活躍を見せていた。試合はのこり数分となったところからドラマが始まった。
87分Perth サポーターは勝負あったの瞬間を迎えた。 FKから繋いで Jamieson がドリブルで左サイドから切れ込んだところを Milligan がマークに入ると Jamieson が転倒する。すかさずJarred Gillett 主審がペナルティースポットを指した。 残り時間を考えればこれが決まれば勝負はついたのも同然だった。しかしこのPKを Smeltz がポストのぶつけてしまう。
それでもこのまま失点を防げばと思われた1分後今度は右サイドから上がったクロスを中央で受けた Andrew Nabbout が倒されるとまたも Gillett 主審はスポットを指し倒した Steve Pantelidis にこの日2枚目のイエローカードを出す。 これで Perth は1人少なくなってしまった。 そのPKを Thompson でなく Milligan が右側に蹴りこみ土壇場で同点に追いついた。22,000以上入った Etihad Stadium に大歓声が響き渡る。この同点ゴールは Perth イレブンに計り知れないショックを与えたことだろう。



延長戦にはいり94分。 中盤からのロングパスを右サイドで受けた Rojas が逆サイドに送るとそのクロスは Joshua Ridson を抜けて逆サイドの Thompson に。 Thompson は頭で押し込み遂に試合をひっくり返した。
その後Perth は PA内で永井が倒されたがPKは貰えず、 決定的なチャンスを掴んだのはリードしたVictory だった。その2度チャンスは得点に結び付けられなかったがシーズン2位で終えた Victory が次の Semi Final 進出を決めた。



Loss hits Glory hard

試合後 Perth Glory のAlistair Edwards 監督は主審の判定を批判しなかったが試合後の控室では何人か怒りの収まらない選手達がいたと報道陣に話した。
“この日とその前の8試合のプレーの選手達のプレーを大変誇りに思う。 一時は最下位に沈みながらこういう試合に臨むことが出来たのだ。控室で怒りの収まらない選手が2,3人いたのは残念だった。 しかし失望したのは我々の試合の進め方でおそらくこの試合に勝てていただろうという事だ。 ”
主審のPKの判定に就いて尋ねられると、“誰から聞いてもあれはPKではなかった。しかし私は審判の判定に言及するような英雄ではない。事実は全く文字通りに我々はその前に2点目を挙げるべきであった。” 
Edward 監督は既に3年契約を締結しており来シーズンのチーム作りを既に見据えている。 彼はクラブ側はセレッソ大阪の永井との契約延長を望んでいることを明らかにした。またアルゼンチン人FW Matias Cordoba も永井同様に Glory に留まって欲しい旨を表明している。
“今、我々はどんなプレースタイルを築こうか解っている。そして翌週から誰がチームに留まってもらいたいかを決めねばならない。 我々は西オーストラリアに戻ることを望んだ多くの選手を起用していた。これから選手たちを見極め、世代交代を図らねばならない。”

昨年の Grand Finalist の今シーズンの戦いは終わった。しかし2シーズン連続で Final Series に進出したのは A-League 創設以来初めてだ。 来シーズンも永井がここで見られたることを願う。

Roar send Reds packing Adelaide United 1-2 Brisbane Roar

Elimination Final のもう一試合の対戦カードはシーズン4位の Adelaide United と5位の Brisbane Roar だった。
Adelaide の Final Series は今回が4度目。 A-League 創設以来 2006, 2008, 2010, 2012 と開幕年が偶数年のシーズンに Final Series に進出している。2006-07, 2008-09 のシーズンには Grand Final に進出しているがいずれも Melbourne Victory に敗れている。 しかし ACL では勝負強いところを見せこれまで4度出場したACLでは2008年には準々決勝で鹿島アントラーズを破る等決勝戦まで進出。 ガンバ大阪に敗れたものの準優勝に輝き。地元では大きな話題となった。 また2011年にはベスト8まで進出した。
今シーズンの Adelaide は ACL 予選で始まった。2012年2月にスポーツ仲裁裁判所の“強い要望”により、インドネシアの Persipura Jayapura とのプレーオフに臨まねばならなかった。 これはACLの出場枠についてインドネシア連盟あ提訴した結果であった。 2月16日に地元に Persipura Jayapura を迎え3-0 で勝利を収め、4度目のACL出場権を獲得した。 
ACL本大会ではガンバ大阪、浦項スティーラース、そしてウズベキスタンの Bunyodkor と同組になるも見事に首位で1次リーグを終えベスト16に進出を果たした
A-League 開幕前、何人かの選手がチームを去ったがレギュラークラスだったのは Daniel Mullen と ウルグアイ人MF Francisco Usucar の二人だった。
新加入ではかつて Sydney FC に所属した Iain Fyfe ( 釜山 ) Daniel Bowles, Jale Barker Daish ( 共に Gold Coast United ) ポルトガル人MF Fabio Ferreira そしてアルゼンチン人FW Jeronimo Neumann ( Sol de America : パラグアイ ) らを補強した。
Ferreira は ポルトガルリーグの3部でプレーをしていて2012年2月に NSW リーグの Dulwich Hill に移籍し8月に Adelaide United と契約をした言わばハングリーな選手だ。
今シーズンは出だしから好調で、第8節を終えて6勝1敗1分で首位をキープ。第9節で2位 Central Coast Mariners との首位攻防戦で敗れ首位の座を明け渡しすも以降は Central Coast Mariners と首位争いを続けていた。しかし第17節から3連敗 ( 0-2 Hearts, 1-3 Mariners, 2-4 Wanderers ) を喫し第18節には4位に転落。第20節の Victory 戦に勝利し連敗を止めるも以降7試合は1勝3分3敗と勝ち点が伸びずシーズンは4位で終了し、翌シーズンの ACL 出場権は確保できなかった。



Brisbane Roar との直接対決は Adelaide が順位は上だったが1勝2敗だった。
Elimination Final では対 Adelaide 戦2連勝中の Brisbane は3月2日の第23節の Adelaide 戦 ( 1-0 で Brisbane の勝利 ) とほぼ同じスタメン。オランダ人MF Stefan Nijland に替わってMitchell Nicholas が起用された。 Adelaide は Brisbane戦初登場となる John McKainが起用されるなど4人メンバーを替えた。
試合は立ち上がりから順位は1つ上回ったが直接対決連敗中の Adelaide のOsama Malik が5分に, 10分には Marcelo Carrusca がシュートを放つ。
その1分後には Bruce Djite がゴール前に迫るがかつて札幌でプレーした Jade North がマークに入りシュートを撃たせない。
そしてホームの Adelaide が徐々に主導権を握る。 25分には波状攻撃を見せるが最後は GK Michael Theo がキャッチ。
しかし先制したのは劣勢だった Brisbane。27分最初のCKを Broich がPAの外に上げるとそこに Brattanが走りこみボレーでミドルを放つと弾道はそのまま Adelaide ゴールに突き刺さった。





そしてその後はBrisbane が主導権を握り何度かミドルを Galekovic の守る Adelaide ゴールに浴びせた。そして失点の焦りからか 32分Adelaide のアルゼンチン人FW Jeronimo は冷静さを失い Chris Beath 主審に激しく抗議をしたことからイエローカードを示される。
43分には Vidosic が至近距離からシュートに持ち込むがゴールネットには届かない。
そして前半ロスタイム、左サイドを突破した Mitchell Nicholls の入れたクロスを Franjic がヘッドで合わせて Brisbane が追加点を挙げた。 中央にセルビア人FW Berisha が囮となってCBを引き付けていた。そして Cassio が Franjic へのマークが一瞬後手に回った。 Cassio は先制ゴールを喫した時も一瞬 Brattan へのマークが遅れた。
Brisbane が2点リードで前半を終えたが攻撃の中心 Bromich が左足アキレス腱を痛め後半はプレー出来なくなった。
後半に入り Adelaide ベンチは Ramsay を下げてポルトガル人の MF Fabio Ferreira を投入する。 
58分には Jeronimo 、Djite が連続して Brishabe ゴールに迫るが Roar のDF陣も必死に跳ね返す。
しかし Brisbane もチャンスを創る。 Brattan が放ったショットは Galekovic は反応できなかったが数センチポストを外れ、80分には交代出場の Stefan Nijland のFKを今度は Galekovic がナイセセーブでストップ。 Adelaide は攻めてはシュートを放つ前のところで止められそこからカウンター攻撃をくらいショートに持ち込まれるという展開が続いた。
84分には Vidosic がシュートが放ったショットを GK Theoklitos がストップ。
何度もチャンスを決められなかったり、止められたりしていた Vidosic だったが88分遂に彼のシュートが Theoklitos を破り Brisbane ゴールに決まった。 しかし同点にするには時間はあったが次のゴールはどちらにも生まれなかった。



Brisbane Roar は昨シーズンも Semi Final でシーズン2位の Central Coast Mariners をPK戦で降して Grand Final に進出した。この Elimination Final でも順位が一つ上の Adelaide United を降して Semi Final 進出を決めた。
しかし順位は下でも Regular Season での直接対決では Brisbane の方が勝ち越していた。 この試合結果は順当ではなかったとは言えない結果であった。
これで次の Semi Final の対戦は Western Sydney Wanderers vs Brisbane Roar, Central Coast Mariners vs Melbourne Victory に決まった。
                                                 続く



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