Mr.コンティのRising JAPAN

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Minor Semi Final 1st Leg Sydney FC 2-1 Newcastle

2007-01-31 | Aussie & Kiwi
1月26日 Sydney Aussie Stadium で開催された A League Minor Semi Final の 1st Leg はレギュラーシーズン4位に終わった昨年度の覇者 Sydney FC が 2-1 で先勝した。
ホーム Sydney FC は前節 Queensland Roar 戦でイエローカードを2枚貰い退場となった Ufuk Talay そしてDavid Zdrilic に替わってDF のMark Milligan, MF Terry McFlynn の出場停止があけてスタメンに。一方、前節レギュラーシーズン1位の Melbourne Victory を 4-0 と粉砕し、Final Series に進出を決めた Newcastle Jets は Victory 戦と同じメンバーでこの試合に臨んだ。 
試合は開始からホームのSydney が Jets を圧倒する。特にセンターハーフの Steve Corica が冴え好機を量産する。14分にはペナルティーエリアに Corica から Nikolai Topor-Stanlay にロブが入り折り返されたところを Alex Brosque が頭で押し込み先制。29分には絶妙のクロスが入り、 Mark Milligan が高い打点からヘッド1発、GK Ante Covic を破り追加点。この時間帯、 Jets のDF陣 Paul Okon, Jade North に対してハイクロスで勝負を挑み完全に制空権を奪っていた。 Okon も 177cm はあるのだけど。この Sydney FC の先制ゴールは Jets サポーターを失望のどん底に陥れた。なぜなら、今季 Jets は先制された10試合は7敗3分と勝ち星が無いからだ。その後も Jets ゴールに襲い掛かるホームの Sydney 攻撃陣。だれもが3点目は時間の問題と思われたが、結局ゴールを割れずに前半を終えた。
しかし、前半守備の要 Terry McFlynn が負傷で退場したのが響いた。後半に入ると主導権は Jets に。そして57分に投入された Milton Rodrigez が追撃のゴールを上げ 2-1 と1点差に。 Rodorigez はかつて韓国 Kリーグでもプレーし、コロンビア代表として2試合出場を果たした選手。勢いに乗る Jets は Sydney DF陣をゴール前に釘付けにする。上記下通り、Jets は先制された試合の逆転勝ちは無いが今季ここ Aussie Stadium では2点のビハインドを追い付いて引分けている。最大のチャンスは Joel Griffiths がペナルティーエリアで引き倒された時。しかし主審はノーホイッスル。試合後の両監督のコメントでは Jets の Van Egmond 監督が“ A League で優秀な主審の上位3名はマレーシアにコーチング会議に出席していてこの日の審判団は4番目以降だ。こんな大事な試合で何故最高級の審判団に笛を吹いて貰えないのか理解できない。”と不満を隠さないのに対し、 Sydney FC の Terry Butcher 監督は“この日のレフェリングは magnificent ( 素晴らしい ) であった“ と当然コメントの内容も異なる。
結局 Sydney は Jets の攻撃を凌ぎ 2-1 で逃げ切り、2nd Leg に臨むことになった。しかし、Newcastle から約3時間の列車移動で Sydney に駆けつけた Jets サポーターにも次のホームゲームに充分期待を持たせる試合内容と結果。次の試合を戦う上で大きな影響を与えられる後半の“アウェーゴール”がどう明暗をわけるだろうか? 2nd Leg は2月2日に Newcastle の Energyaustralia Stadium で行われる。

Man of the Match Steve Corica
33歳の Corica は2000-01 サンフレッチェ広島でプレーした他、1995 Leicester City (England); 1996-2000 Wolverhampton Wanderers (England); 2001-04 Walsall (England) でプレーしバルセロナ五輪、アトランタ五輪に出場し、オーストラリア代表として40試合出場を果たした。1995年2月にはシドニーでそして 2001年紺フェデレーションズ杯では豪雨の横浜で日本と対戦している。シドニーでの試合は 1-1 から決勝の2点目を決めている。
Jets 戦では2得点を御膳立てしただけでなく、68分にはFKを直接狙うが惜しくも Jets GK Ante Covic の好セーブに阻まれた。そしてボールが無い時は相手の中盤の真ん中を消す事に腐心した。しかし後半、McFlynn が負傷で退くButcher 監督は Corica のポジションを後方に下げた。それによって Jets の中盤はスペースを取り戻した。しかし Jets の van Egmond 監督はこの日の Corica のプレーについて “ Corica はスペースがある時に最高の仕事をする。前半の我々( Jets ) は最前線と最後尾が45m程度も開いており センターバックの二人が中に寄りすぎておりCorica に充分なスペースを与え仕事をさせてしまった。しかし、後半はコンパクトに、30~35m に保ちDFラインも修正させ Corica のスペースを消し、前半の様な動きをさせなかった。スペースを与えられた事により、 Corica は色々な選択肢を持つ事が出来た。”解説する。 しかし、 Corica の勝負強さは昨季の Final Series で2ゴールを挙げた事で証明済み。そのうちの1ゴールは Grand Final で Cemtral Coast Mariners を沈めた唯一の得点だ。

Terry McFlynn の離脱。
前半最後のヘッディングプレーで着地の際にバランスを崩し、鼠蹊部(足の付け根部)を痛め、この試合の後半どころか、今季の出場は絶望的となった。この負傷は Sydney のみならず、この Final Series を左右するかもしれない。今季はこれまで16試合、昨シーズンも21試合出場した 26歳の北アイルランド人 Midfielder の離脱も厳しいがBosque, Milligan はそれぞれ警告を1枚貰っており Grand Final まで最低でもあと3試合残している Sydney のバックアップの布陣はこころもとない。今季は Dwight York のシーズン中の移籍などもあり、現在の支配下選手は他球団の定員いっぱいの20名に対しはわずかに17名。そこに McFlynn の離脱で、シーズン中Butcher 監督も選手のやりくりに頭を悩ませてきたが事態は更に深刻だ。
Jets のキープレーヤー Nicky Carle を抑え込んだ Terry McFlynn が離脱したのは痛い。Butcher 監督は “ レギュラーシーズン最終戦のMelbourne 戦を看たが Newcastle は Carle 一人がチャンスを作る選手ではない。 McFlynn のポジションは Ufuk Talay がカバーするが、Nicky Carle のマークは中盤の選手にさせる“と語るが Steve Corica の任務はいかに。
“ゲームプランは前に Newcastle で 2-0 で勝利した時と変わらない。我々は優秀なFW選手が揃っているので引分けを狙う必要は無い。”と Butcher 監督は語るが、ゲームメーカーの Mark Rudan は“とにかく勝利を収めた事が大きい”と繰り返し“ 後半でさえもバイタルエリアへの侵入を制限させ、long range からの攻撃に収束させる事が出来た”と振り返りながらも、“ Sydney の控え選手は中盤選手がいない、FWばかりだ。 Jets にはDF, MF,そしてFW とバランスよく選手が控えている。”と分析する。 DF の Alvin Ceccoli の回復も絶望的だ。ニュージーランドU-20代表の Jermy Brockie はベンチ入り出来そうだが、彼は攻撃的な選手。守備体系をどうやって工面するのか? 来季の話になるが五輪予選の為に Ruben Zadkovich, Milligan がチームを離れることも頭が痛いらしい。しかし、レギュラーシーズン最終戦、アウェーの Queensland 戦、勝たねばならないチームのホームに乗り込んで戦い、見事引分けで切り抜け Final Series に進出したその経験がここで生きてくるかもしれない。

Newcastle を後押しする地元サポーター
1st Leg を 1-2 で終え、2nd Leg を 1-0 で勝かてば、続く Preliminaly Final に進出出来ると簡単に胸算用出来ない心中を語るのは Jets の Gary van Egmond 監督だ。 “ Sydney は守備も堅い。今季はこれまで22試合でわずか20失点、ゴールを挙げるのは容易では無い。しかも、直接対決では昨年9月11日にホームで 2-1 と勝利を指定来6試合2敗4分と勝星が無い。“我々は Sydney FC に勝たねばならない。しかし、Newcastle Jets は不幸に直面したときはこれまで切り抜けて来られた。”と van Egmond 監督は述べる。開幕7試合を終えて勝ち星が無かったチームを受け継ぎ Final Series へと導いたその自信か?かつてオランダでもプレーした事のある van Egmond 監督はその当時、オランダに残るかオーストラリアに帰るか悩み結局後者を選んだ。その事については“非常に後悔している。”と新聞のインタビューで応えている。しかし、神はまだ彼を見捨てないかもしれない。神だけでない、約25,000枚のチケットを Sold Out にした地元の熱狂的なサポーター達が彼を後押しするだろう。それは単に地元チームへのサポートと言うよりも近隣の大都市シドニーへの対抗意識も少なくないであろう。


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