Mr.コンティのRising JAPAN

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Wカップサッカー・イラン戦直前の展望

2005-03-25 | FIFA World Cup
イラン戦 その展望

Wカップアジア予選・日本対イランの試合がいよいよ今夜に迫った。今回は試合直前の展望を語る。

イランのホーム戦であるが、この試合は勝ち点で劣っているイランの方がむしろ背水の陣である。といってもこの試合を含めて5試合残っているのだから日本は必要以上に緊迫感をつのらせる必要は全く無い。日本はあくまで勝ち点1以上獲得する事を目標とし、30日のバーレーン戦で確実に3勝点を上げることだ。

① ゲームプランは?
試合前にどの様なゲームプランを講ずるのかを戦術として徹底すべきだ。
ずばり、93年ドーハで行われたアメリカワールド杯予選のイラン戦で日本がすべきプランを適用すべきだ。勝ち点で劣るイランはホームなので是が非でも勝ちたい。観客収容能力10万人以上のアザディスタジアムの熱気に乗って開始から日本ゴールを目指すであろうがそこはじっくりと耐えて相手の焦りを引き出す事だ。万が一先制点を許しても好機は必ずやって来る。イランはホームゲームではしばしば、その熱狂的な観衆の後押しを受けてフィールド選手全員がFWと化してしまいその後方にはスペースが出来そこを突かれて例え格下相手でも失点を喫する事がある。得点が入らない時は尚更で戦術など忘れて攻め上がるDFも出て来るということだ。その“習性”を利用しない手は無い。

② イランのフォーメーション
バーレーン戦同様、 4-2-3-1 の布陣だろう。攻撃はダエイのワントップに2列目は右からマハダビキア、カリミ、ハシェミアンと外国でプレーする3人が並ぶが、マハダビキア(HSV)ハシュミアン(バイエルンミュンヘン)は所属先では出番に恵まれない。HSVでのマハダビキアは右に左に現れてパスを受けたり、ドリブルでボールをキープするなどの役割を担っていたが、先日のバーレーン戦ではその様な動きは見られなかった。今年は調子もいま一つで昨年11月29日号のドイツ Kicker 紙には”auf dem absteigenden Ast “完全に落目“と特集記事まで組まれた。しかし、先々週のアウェィのビーレフェルト戦では高原に替わって投入されゴールまで上げている。同じくブンデスリーガに所属するハシュミアンよりは調子は良さそうだ。
そのマハダビキア、そしてその後方のカエビが上がった後ろに出来るスペースから得点幾が生まれると言われている。そこは4バックの真中2人セリエAでプレーし中村修輔を削ったレザイエ、ゴルモハマディそしてボランチのネクナムがカバーするが、このチームはイランの伝統的な特徴である組織立った守備陣と言う印象が無い。バケリやダエイらがドイツでプレーする様になって以来、イランの選手達にも欧州嗜好が蔓延り攻撃に重きを置くようになった弊害か? 3列目の左は昨年のAFC年間MVPのカリミであるが、アジアカップでは韓国相手に3点を挙げたその高速ドリブルは脅威だ。しかし、ボールの無い時は普通の選手と言われている。アジアカップの韓国戦では相手DFが攻撃に上がった後ろのスペースに走りこむシーンが多かった。そしてトップのアリ=ダエイ。全盛期の様な切れは無いが対日本戦4試合3ゴールは不気味だが、その当時のチームは(93年、97年、ワールド杯予選、99年親善試合)ダエイに点を取らせるチームで彼がその任務を遂行出来たからである。
今回は彼の動きと、2列目の3人をいかにダエイから配信されるであろうセカンドボールに触れさせないように腐心するべきだ。
最後に私が気になるのは、ドイツ国籍から帰化した1FCカイザースラウテルンに所属し今季既に4得点を挙げているフェリドゥーン=ザンディだ。バーレーン戦では周りとのコンビネーションが合わなかったが、日本の様に綺麗なプレーをするチームが相手だと実力を発揮するかも。
③ 敵地に乗り込む日本は?
今回の最大の焦点となった中田の起用。ジーコ監督は2列目の右に配置するつもりらしい。本来中田の得意とするトップ下には誰も置かず2列目の左に中村を張らせる布陣だが、これはアウェィゲームを守備的に闘うポジションか?フランスワールド杯2次予選の序盤で勝ち点の伸びなかった日本は北澤をトップ下に入れたことにより前線(カズ、城)と名波、中田の二人との間でよくボールが回るようになり、ジョホールバルでのイラン戦まで3連勝を飾った。
ツートップは高原と玉田。玉田はそのスピードに定評があるが、守備の意識の高い事も。高原は相手を背にしたときに横に上手く体を入れ替えて抜き去るがそういうシーンを何度見られるか?相手の右サイドの裏もそうだが、逆サイドに振って中田を起点にというシーンも見せるべきだ。さもなくば、効果的な右からの攻撃が演出できない。
ボランチには小野と福西。稲本の起用はおそらく、1点が欲しい時からだろう。だがやはり鍵を握るのは中田の調子と他の選手とのコンビネーションであろう。カウンターに転じたときに一発のキラーパスが通るか?
そしてDF。予想される4バックは正解だと思う。8年前のワールド杯予選当時の様に、強力な2トップのストライカー(ダエイ、アジジ)がいるとCBがそのマークに追われ、ボランチがDFのカバーに労力を割かれる。この4バックで相手の2列目3人を抑えに行くだろう。そして出場停止の三都主に替わり三浦淳宏が起用されるが、対峙するマハダビキアの上がりをいかに抑えるのか?マハダビキアは一時のドリブルの切れがなりを潜めており、ドリブルが上手く行かねばいかぬときほど熱くなりドリブルに拘る性格だ。2001年、横浜でのコンフェデ杯のフランス戦。途中出場しフランスDF陣を手玉にとった三浦のテクニックでそのドリブル突破を封じてもらいたい。中澤はダエイとのマッチアップでACミランのネスタの様に制空権だけでなく、そのこぼれ球を相手の思う様に落とさせない事も重要だ。ラインコントロールを司る宮本は、勇気を持ってラインを下げすぎない事だ。いくらダエイの打点が高くて強くともゴールマウスから離れたところでは怖くは無い。ここでダエイを食い止めれば、イランの攻撃の選択もマハダビキア、カリミのドリブル突破のみとなる。
そして右サイドの加治。北朝鮮戦ではあまり見せ場が無かったが相手左サイドのハシュミアンとノスラティの後ろも大きく開くときがある。特にノスラティはどうしても中に入りがちだ。そこのスペースに加治が侵入できれば好機も増える。

とにかくアウェィのイラン戦が厳しくなる事は周知の事実。その試合を勝ち点で優っている状態で臨めると言う機会を生かしたゲーム運びで試合後は我々を喜ばして欲しいものだ。
頑張れニッポン!



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