Mr.コンティのRising JAPAN

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正念場の Socceroos オマーン戦を前に

2013-03-24 | Aussie & Kiwi
日本時間の24日早朝、ヨルダン戦への準備合宿をカタールで行っている日本代表はドーハにカナダ代表を迎えて 2-1 の勝利を収めた。 26日に予定されているヨルダン戦に勝利すれば5大会連続のワールドカップ出場が決まる。本大会への準備の為に今回も世界で最初にワールドカップ予選突破国となってほしいものだ。
しかし対戦相手のヨルダンはサッカー好きのフセイン国王の地で行われるのである、ヨルダンも、もし日本に勝てばワールドカップ出場が夢ではなくなるからそう easy な試合になるとは思えない。
今 Group B の星取表は日本が4連勝で断トツの単独首位であるが、2位以下4カ国は混戦模様。 それは日本と首位争いをすると思われたオーストラリアが今一勝点を伸ばせず、1勝2分1敗で勝点5。3位イラク、4.位オマーンと勝点で並ばれ得失点差で2番手に付けている。最下位ヨルダンとはわずか1勝点差。
オーストラリアが今回苦戦している大きな理由は二つある。 一つ目は試合日程だ。 何故か昨年6月にアジア予選が多く組まれ日本は開幕からホームで2連戦の日程であったがオーストラリアの初戦はアウェーのオマーン戦で酷暑のマスカットで何とか引き分け中3日の移動でホームでグループ内最大の難敵日本と対戦せねばならなかった。 ブリスベンで行われた日本戦も何とか引き分け6月シリーズは2試合2分けのスタート。 日本は3戦2勝1分けでこの時点で勝点差が5も付いてしまった。更に9月はアウェーでヨルダンに 1-2 で敗れ3試合を消化して勝点はわずかに2.その次のアウェーでのイラク戦は 2-1 で勝利を収め Group B の2位に浮上してきた。予選前半は中東3カ国とのアウェーゲームが続いたが試合のあった時期は気温が高い時期でアウェーの不利をもろに受ける気候での試合だった。
もう一つの理由は世代交代が進まないそのしわ寄せが一気に噴出した事だ。 Harry = Kewell こそ所属先が決まらず招集されなくなったが、イラク戦ではスタメンのうちGK Schwarzer を筆頭に CB Lukas=Neil , FW Tim=Cahill ら2006年組3人が起用され、ベンチにも Mark=Bresciano , Mark=Milligan, Archie= Thompson らがいた。まぁ Milligan, Thompson は年齢的に招集されてもおかしくないけど。 更に Luke=Willkshire もイラク戦では招集されなかったがオーストラリア代表の中心選手だ。 南アフリカ大会は2006年大会というよりも2002年大会予選の中心選手の遺産で予選を勝ち抜いた。
Holgar = Osieck 監督はあまり多くない国際試合を積みながら強化と世代交代も進めねばならなかった。



Socceroos sunk by two late goals by Romania

2月6日。スペインのマラガでルーマニアとの親善試合を行ったオーストラリア代表は終了10分前から Bogdan Stancu, Gabriel Torje に連続ゴールを許しルーマニアに逆転負けを喫した。 
この試合にはイラク戦のスタメンを4選手替えて臨んできた。 GK は鉄板の Schwarzer Luka Neil と組んだもう一人のCBには Spiranovich ではなく Cornthwaite 。右SBには今や Socceroos の“得点源”となっている Luke=Wilkshire .左SBはJedinak に替えて Zullo 。ボランチはイラク戦では Holman と Valeri であったがルーマニ戦では Holman を2列目中央に上げ Bresciano と Holland が入り、トップは Cahill と Brosque の2トップから Brosque の1トップに。 Cahill はルーマニア戦には合流しなかった。 そして2列目は右から Kruse, Hollman, McKay が並んだ。
この時点でほぼベストメンバーと言えたスタメンであった。
一方のルーマニア代表も3日前にポーランドに 1-4 と大敗したがこの日はそれよりは良いメンバーが組めたらしい。
試合はそのルーマニアが先制した。 35分 Gabriel Torjes ( Granada CF: Spain ) が Wilkshire のサイドを破り放ったショットは Schwarzer が抑えきれずに弾きそのこぼれ球を Christian Tanase ( Steaua Bucuresti ) に叩き込まれた。 
24分には Robbie Kruse が創ったチャンスから Bresciano が放ったショットがゴールをとらえられないなどその前は何度かオーストラリアが数度チャンスをつかんでいた。先制されてからも Kruse が決定的なシュートを放つがクロスバーを越えた。
しかし前半終了直前 Holland からのボールを受けた Brosque がエリア内で Razvan Dinca Rat ( Shakhtar Donnetsk ) に倒されて得た PKを Wilikshire が決めて同点に追いついた。
後半に入りオーストラリアは GK Schwarzer を下げて Federici を投入する。 そして52分には Wilkshire を下げて McGowan を入れる。
そして54分、McKay のCKに攻撃参加した Neil がヘッドで落とし Cornthwaite がこぼれ球を押し込みリードを奪った。
56分、 Neil が下がり Williams が投入され、66分には McKay が下がり Bundesliga Mainz でプレーする Rukavytsya が、74分には Brosque が下がり Leckie が、81分には Bresciano が下がり Milligan が入る。しかし終了10分前からルーマニアが攻勢に出る時間が続き80分に Stancu, 84分にはTorje がFKを直接叩き込み試合をひっくり返しそのまま試合終了のホイッスルが鳴り、試合前の FIFA ランクでは36位であったオーストラリアが 39位のルーマニアに逆転負けを喫した。
レギュラーメンバーの揃う前半は主導権を握るものの交代選手を起用した後半は力の差が露呈された印象はテレビで見ていて拭えなかった。



Talent pool for Socceroos is dry, says Verbeek

少し前になるがヨルダン戦から約1ヶ月後の10月26日、気になる見出しが地元紙にあった。 
“ユースチームのパフォーマンスを見たその瞬間、それは充分なものではないと思わされる。”というコメントがあった。その主は前のSocceroos 監督の Tim Verbeek 氏であった。 Verbeek 氏は Tm Cahill や Harry Kewell と言った歳をとったスーパーター達の入れ替えが 2014 年大会に向けての後任の Holgar Osieck 監督の大きなチャンレンジになるだろうと語っていた。

そして彼は新チームを新たな世代だけで創れるほど若手のタレントは充分にはいないと危惧している。そして今はモロッコの U-21 チームの監督をしている Verbeek 氏は有能な若手選手の少なさがオーストラリアを後にした理由の一つであると語っていた。

“オーストラリア代表監督は本当にタフな仕事であった。なぜなら世界中を飛び回らねばならなかったからだ。 選手たちは欧州、アジアそしてオーストラリアに点在している。 深刻な時差に悩まされた。体力的にタフな仕事であった。第二にその当時のユースチームのパフォーマンスを見ればそれは勇気づけられるものでもなかった。 ロンドン五輪の最終予選を見ると6試合で1ゴールも挙げられなかった。 もしそれがオーストラリアの将来であれば、その状況は深刻なものである。 それは世代の違いでもある。 今の若手選手達は10代で欧州に出掛けて自らを磨く世代と異なり地元に留まり A-League でプレーしたがる。 ”  Osieck がほのめかすオーストラリアの若いタレントのストックは先細りとなっているという事には彼は同意している。 
“それは私がオーストラリアにいるときに常に言い続けていた事だ。 しかしそれを言い続けることは難しい。 なぜならオーストラリアの人々はプライドが高いからだ。 彼らはA-League を誇りに思っている。 それは何も間違っていない。Del=Piero がそこに来たがる A-League はOKだ。 しかしもし若いスター達の質と発展を見れば厳しい。 私は少なくとも新しい世代が台頭することが必要だと思う。” 

Verbeek 監督自身、2006年大会のメンバーを中心にアジア地区予選を勝ち抜いた。世代交代を出来なかった監督と言われることもあるがこれには少し同情の余地がある。 彼が指揮を執る様になったのはワールドカップドイツ大会が終わって1年後。アジア大会2007 が終わってからで、すぐにワールドカップ予選が控えていた。 その時点で最強のチームとなるとどうしても2006年大会の主力を基礎にメンバー構成をする必要があった。そしてアジア地区予選は日本を抑えてトップで通過したが本大会では初戦のドイツにスピードで翻弄され1次リーグでの敗退を余儀なくされた。
かつては欧州のチームでもレギュラーを張るオージー選手が少なくなかったが現在何人の選手が欧州のクラブチームでレギュラーとして活躍しているのだろう。 日本よりも少ないかもしれない。



Osieck names squad to face Oman

3月13日。26日のオマーン戦に臨むオーストラリア代表23人が発表された。
ルーマニア戦には招集されなかった Tim Cahill, Mile Jedinak, Tommy Oar そして Tom Rogic が招集された。メンバーの中には昨年12月香港で行われた東アジア選手権予選で代表初招集を受けた Dino Djulbic も選ばれた。
A-League からEugene Galekovic (Adelaide United), Mark Milligan (Melbourne Victory), Jade North (Brisbane Roar), Mat Ryan (Central Coast Mariners), Archie Thompson (Melbourne Victory) and Michael Thwaite (Perth Glory) ら6選手が選ばれた。
次のオマーン戦に臨む23選手は下記の通り。 Lucas Neil, Carl Valeri は累積警告の為に出場が出来ない。

NAME - CLUB - A-International Caps (goals)

GK 
Eugene Galekovic (gk) - Adelaide United, Australia - 6 (0) Mathew Ryan (gk) - Central Coast Mariners FC, Australia - 2 (0) Mark Schwarzer (gk) - Fulham FC, England - 104 (0)

DF
Robert Cornthwaite – 城南一和, 韓国 - 6 (3), Dino Djulbic - Al Wahda Club, UAE - 2 (0)James Holland - FK Austria Vienna, Austria - 9 (0), Brett Holman - Aston Villa FC, England - 58 (8) Mile Jedinak - Crystal Palace FC, England - 37 (3), Ryan McGowan – 山東魯能泰山 中国 - 3 (0) Mark Milligan - Melbourne Victory FC, Australia - 19 (2), Jade North - Brisbane Roar FC, Australia - 39 (0) Michael Thwaite - Perth Glory FC, Australia - 10 (0), Luke Wilkshire - FK Dinamo Moscow, Russia - 74 (8) Rhys Williams - Middlesbrough FC, England - 11 (0) Michael Zullo - FC Utrecht, Netherlands - 10 (0)

MF
Mark Bresciano - Al Gharafa, Qatar - 65 (12), Robbie Kruse - Fortuna Dusseldorf, Germany - 22 (2), Matt McKay – 長春並泰 中国- 34 (1) , Tommy Oar - FC Utrecht, Netherlands - 6 (0), Tom Rogic - Celtic FC, Scotland - 4 (0)

FW
Alex Brosque - Al-Ain Club, UAE - 20 (6), Tim Cahill - New York Red Bulls, USA - 60 (26), Archie Thompson - Melbourne Victory FC, Australia - 46 (28)

かつて札幌でもプレーした Jade North そして Eugene Galekovic の選出はサプライズでもあったらしい。
そして North の A-League 入りは間違った決断では無かったと自ら語った。
“自分にとってオーストラリアに戻ってコンスタントに試合に出場することが目的であった。 Brisbane に戻ったのはチームが私に拒否できない条件を提示したからだ。それはFFA と共に地元のプログラムに参加するという事も含まれている。オーストラリアに戻って来て代表に選ばれた事は予想よりも早かった。” 
Jade North はAsian Cup 2011 でもメンバー入りしたが1次リーグの韓国戦とバーレーン戦に出場しただけで準々決勝以降は決勝の日本戦を含めて出場機会が無かった。
Galekovic は自分の招集はこれからも良いフォームを続けられるかという事に希望を与えてくれる、このチームで確固たる立場を築けると語った。
“代表合宿に参加できることは良いことだ。自分自身を試すことが出来る。そして何かが出来れば Holgar の目に留りそれがチャンスとなるだろう。 今は何かしら再びチャンスの匂いを嗅ぐことが出来る。しかし毎週見せる属クラブでのパフォーマンスがコーチに選ばれる為の選手となる資格となる。 
また Perth Glory' の Michael Thwaite もスタメンのチャンスがある。 次のオマーン戦には Neil が出場停止でSasa Ognenovski ( Umm Salal SC : Qatar ) そして元浦和レッズに所属したMatthew Spiranovic ( Al Arabi SC : Qatar ) らが選出されず、 A-League で好パフォーマンスを続ける Western Sydney Wanderers の Nikolai Topor-Stanley も選出されなかったことからThwaite, Dino Djulbic, Robbie Cornthwaite, Jade North そして Mark Milligan の中からCB2人がスタメンのチャンスがある。
また水原(韓国)の Eddy Bosnar, Sydney FC のベテランMF Brett Emerton らも招集されなかった。
Matthew Leckie ( FSV Frankfurt ) そしてNikita Rukavytsya ( Mainz ) らが選ばれずAlex Brosque, Robbie Kruse, Archie Thompson そしてTim Cahill らが攻撃を担う。
MF のレギュラーでもあるCarl Valeri ( Sassuolo Italy ) は出場停止でAdelaide United の Dario Vidosic は選出されてもおかしくはなかった。 Valeri のポジションにはGlasgow Celtic のTom Rogic が起用されると見られている。
Osieck 監督はAdam Federici は所属先のReading でポジションを得るために招集しなかったと認めている。
そしてEugene Galekovic と Mat Ryan を Mark Schwarzer の控えとして選出した。 Mat Ryan は12月の東アジア選手権の北朝鮮戦ではゴールを守った。
26日のスタメンで A-League から何人がピッチに立つだろう?     続く



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3 コメント

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崖っぷちのルー (鍼灸)
2013-03-25 23:28:01
若手が育ってないから辞めたなんて、一度は代表引退して引退試合までしていたムーアとチッパーフィールドを呼び戻して使い続けたピムの言うセリフかよと思いますが(苦笑)、若手が育ってないのは事実です。
ピムがベテランを重用したせいで、世代交代は大幅に遅れました。
ピムの若手育成の面でのプラスを敢えて挙げると、ウェールズU21代表だったR・ウィリアムズとアイルランドU21代表だったローリーの引き抜きに成功したことでしょう。
実際に説得したのは協会かもしれませんが、ピムはウィリアムズを重用し、彼を代表の中心選手に育てました。

よくAリーグの誕生で若手が海外に行かなくなり、それが伸び悩みを招いたという説が流布されてますが、因果関係はないと思います。
NSL時代はどんどん欧州クラブのユースに流れて、ほとんどものにならず死屍累々の状態でした。
そういう層が海外へ流れずに国内で育ったことでAの中核を担っていると思います。
例えばシドニーFCのアントニスも14歳でエバートンのユースに受かりましたが、国内に残りAで中心選手に育ちました。
Aリーグで育った世代からクルースやソロタ、オアー、ロギッチあたりが代表を担う戦力になってます。

ルーは崖っぷちです。ホームでも楽観はできないでしょう。
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めぐみです! (めぐみ)
2013-03-27 15:32:57
このあいだコメントしためぐみです!覚えてますか?覚えていてくれた嬉しいですw(〓ー〓) フフせっかくなのでメールできませんか?私ブログとかやってないのでお話がしたいです、アドは megmeee88あっとyahoo.co.jpです、待ってますね!(*・・*)ポッ
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残り3試合 (Mr.コンティ)
2013-03-28 12:36:26
鍼灸様

オーストラリアはまさかの引き分けで日本はまさかの敗戦でしたね。ヨルダンはホームでオーストラリアに勝っているので苦戦はすると想っていたけど負けるとはちょっと想いませんでした。 
しかしこれはオーストラリアにとって最悪の結果でしょう。となると次の試合は日本も手負いのオーストラリアを相手にホームとはいえ楽じゃないでしょう。もっともオーストラリアのほうが事態は深刻でしょうが。

R.Williams は2009年MCG で行われたワールドカップ予選の日本戦に出場しましたね。試合前には地元紙に彼への期待がこめられていました。だけど負傷でワールドカップメンバーには入れませんでしたね。個人的にはサイドバックは David Carney も好きなんですけど。
次の日本戦は Neil は出てくるのでしょうか?攻撃も Cahill が一番頼れるみたいで、それにボランチも全盛期の Culina, Grella のコンビに比較すると......

6月にはどうなるでしょうか? まぁ他国の心配するよりも日本に出場を決めて欲しいですけど。
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