Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

灼熱の好ゲーム 西高無念の惜敗

2007-08-19 | 京都西高校

8月17日。この日の関東地方も灼熱地獄の予感がした。早朝の天候は前日よりもまだましだったが通勤時間には既にアスファルトが溶けそうだった。数年前に、朝の通勤ラッシュを避けるルートを見つける事に成功し世界に冠たる日本サラリーマンの精神を作るあの通勤地獄とはしばらくご無沙汰の朝を過ごしているのはまだ幸福なほうか…. バスに乗り込み会社の最寄りのバス停まで約半時間。乗客も数えるほどで冷房がガンガンに効いた車内の座席に着き2週間ほど前に2年間使って買い替えた携帯電話を取り出す。そうです私には秘密兵器のワンセグ携帯があるのです。参考までに私の前の前の携帯はIモードがこの世に出た時の1号機の携帯でそれを6年近く愛用した。その白黒画面の携帯を私は2005年の夏まで愛用し、永遠に使い続けようと思ったのだが液晶画面が故障し買い替えの憂き目に。携帯ショップに持ち込んだ時のあのショートカットのかわいらしい窓口のおねぇさん、私の古典的な携帯を見て一瞬笑いをこらえやがったなぁ……

NHK にチャンネルを合わせ大会第10日目の第一試合を。放送が始まった8時35分には既に我が母校京都西高校の攻撃が終わっていた。う~ん、この試合も3者凡退スタートかぁ。我が西高の先発は右腕の辻君。甲子園では初登板初先発だが、京都府大会の決勝戦では先発白井君の後を継いで登板しエースの本田君に繋ぐ貴重な中継ぎを果たし、バットを持っては2打点のかつやくだった。2回戦では1塁手としてスタメンに入り延長12回表の先頭打者として入った第五打席ではレフトにヒットを飛ばし勝負を決める集中打の口火を切った。その辻君の注目の立ち上がり。ストレートは140km出るも先頭打者の永田君を歩かせてしまった。長崎日大は続く出口君がきっちり初球を送りバントを決め早くも得点圏に走者を送る。続く上戸君を140kmのストレートでセカンドゴロに打ち取り2死としたがランナーは3塁に進塁し続く4番で投手、文字通りエースで4番の浦口君に、1-2 からのスライダーをうまくセンターに弾き返され先制点を許した。浦口君は2回戦の星稜戦でも2安打。長崎県大会でも打率5割の強打者でもある。投手浦口君自身の先制打は以降のピッチングも調子づかせてしまうなぁ….と思う。.



長崎日大は続く曲渕君の初球、エンドランがかかっていたか1塁走者の浦口君が素晴らしいスタートを切った。幸運にも曲渕君はそのストレートをバットに当ててファールにしてくれた。空振りなら完全に盗塁成功であった。さすがに鍛えられた長崎日大。揺さぶって来るなぁ。マウンド上の辻君は何とか曲渕君をスライダーで打ち取り追加点を阻んだが、折角ストレートが走っていたので浦口君に対してはストレートで押せば良かったか?辻君は以降もピッチングは安定しない。2回は先頭打者の板谷君にストレートをセンター前に弾き返され、続く砂原君に初球バントを決められピンチを招く。3回も1死から出口君に137kmのストレートセンターに弾き返された。幸い2回はストレートで内野ゴロで打ち取り、3回は盗塁を田中君が刺してそれぞれ後続を断ったが、4回も先頭のエースで4番、浦口君にこの試合2本目のヒットを喫し、続く曲渕君に送りバントを決められる。しかしここも後続の板谷君をセカンドゴロ、続く左打者の砂原君には左投手の安達君を起用。安達君は見事に砂原君をスライダーで三振に打ち取り追加点を阻んだ。安達君は中学時代、同級生を交通事故で亡くしたらしい。天国の友人は彼の快投を看た事だろう。
一方の打線だが、好投手浦口君の前に5回1死まで13打者連続凡退。左腕から繰り出されるカーブが右打者の外角低めに決まり、スライダーのキレも良く右打者は切って取られる。むしろ左打者の方が打ち易そうだ。右打者には外角低めに決まるカーブが左打者には肩口から入って来るので打ちやすいのだろう。初ヒットは左打者の斉藤君だったが、後が続かなかった。
5回裏の長崎日大。1死から柴田君が140kmのストレートをレフトへ流し打ち出塁を許すと、西高ベンチは常総学院戦で先発、好投した左腕の白井君をマウンドに送る。しかし、次の永田君は右打者でこの日はまだ無安打1四球。この次の左打者で1安打1犠打の出口君で左投手の白井君にした方が…と思っていると、永田君はファーストゴロ。エンドランが掛かっていたので1塁ランナーは2塁に進塁し、続く出口君にスライダーをレフト前に運ばれた。レフトの斉藤君が打球を弾く間に2塁走者のホームインを許し追加点を入れられた。ここで白井君は動揺したか上戸君、浦口君に連打を浴び、曲渕君には初球をぶつけてしまいリードは3点に広げられる。常総戦は好投したのだが、イニングの途中、ランナーを背負っての登板はプレッシャーが違うのだろう。ここで西高はエース本田君の登場となる。本田君は相対する板谷君を最後は139kmのストレートで空振り三振に切って取った。本田君のガッツポーズが出た。このマウンドでの振る舞いに“高校生らしからぬ”と言う奴がいるがそれはスポーツを知らない輩だ。チームが劣勢の中、チームメイトを鼓舞するのは当然だ。そして 2-2 からの6球目、微妙なハーフスイングをボールに取られたことに対する意地もあっただろう。
6回表、京都西高は反撃に出る。先頭打者の小牧君が 1-2 からストレートを1塁線に転がしセーフティーバントで出塁すると1番に帰って都藤君が2-0 からストレートを叩いた打球は左中間を破り2塁打に。1塁走者の小牧君が長躯ホームに駆け込み1点を返す。 1-0 からの2球目をバント失敗した直後のストレートを叩いた都藤君の見事な一振りだった。



次打者内山君はバントで都藤君を3塁に送り、中川君はセカンドゴロに倒れるが続く辻君が初球のスライダーを鋭く振りぬき三塁線上にとんだ速い打球を柴田君は上手く処理できず内野安打とする間に都藤君が帰って再び1点差とする。辻君は前打者の中川君が打ち取られたスライダーを狙っていたのかもしれないが、2安打された浦口君にこれで雪辱出来た事だろう。
その裏、本田君は長崎日大の攻撃を試合初めての3者凡退に打ち取る。しかもフォークとカーブを交えて。エースの快投に奮起したか西高は7回同点に追い付く。先頭の古屋君が四球で歩き続く田中君が初球をバントで送る。続く“強打者”本田君はスライダーで三振に打ち取られるが、小牧君がしぶとく選んで歩く。そして前の打席で2塁打を放った1番の都藤君はストレートの四球で歩き2死ながら満塁とチャンスを広げた。浦口君はスライダーでストライクが取れなくなり苦しいピッチング。続く内山君の初球に投じたスライダーもワンバウンドになり捕手の上戸君が取れない。3塁ランナーの古屋君が突っ込んでくる。タイミングはアウトだがカバーに入りタッチをした浦口君はボールをこぼしてしまい、ついに京都西高が同点に追いついた。尚もランナーが2,3塁に残ったが内山君はセカンドゴロに倒れこの回の逆転はならなかった。しかし、浦口君は暴投の次もよく同じスライダーを投げたなぁ…..



本田君は7回も力の投球だ。先頭の永田君、続く出口君がバントで送った後の上戸君も歩かせ、1死1,2塁のピンチを招くが、続く浦口君と曲渕君を連続三振に打ち取った。打ち取った後のガッツポーズが印象的だったが、この回は永田君のボールになった初球のカーブ以外はすべてストレート。どこまで続くか少し心配にもなる。
一方序盤の快投と打って変わって変化球でストライクが取れなくなった浦口君。8回、西高打線はまたも彼を捉える。先頭のこの日3打席無安打の中川君が初球のストレートをピッチャー返しで出塁する。スピードも126kmと落ちて来ている。ここで迎えるは4番の辻君。前の打席では3塁線に痛烈なゴロの内野安打を放っている。しかし1-0からの2球目のスライダー、1塁走者の中川君がスタートを切る。しかし盗塁は失敗。折角の無死の走者をしかも4番打者を迎えて….と思ってしまう。しかも次のスライダーをライトに流し打ってくれたので…確かに無死1塁と1死無走者とでは投球内容も変わるのは解るんだけど…. しかし続く斉藤君が初球のスライダーをライトに撃ち返しこの日二本目の安打を放ち、続く古屋君はストレートの四球で歩き1死満塁のチャンス。マウンド上の浦口君。ストレートはスピードが落ち、スライダーでストライクが取れない状態なので、西高は一気に逆転のチャンスだ。浦口君、次の田中君には渾身の投球で三振に打ち取る。そして強打者本田君を迎える。初球スライダーが外れた次の外角高めのストレートを本田君は引っ張りゆるい打球が三遊間に転がる。遊撃手の永田君は少し処理を焦り内野安打に。そして辻君がホームに駆け抜けこの試合初めて西高がリードを奪う。



今年の西高は守備力のチームで打力は今一と言われていた。初戦の常総学院戦も9回まで1安打。この日も5回途中までヒットが出なかったが、共に終盤での集中打は見事だった。ただ7回、8回の点を取ってからランナーを残しながらもう一点取れなかったのが後で響いた……
リードを背負った8回裏の本田君。先頭打者の板谷君に 1-2 から135kmのストレートをレフト頭上に打ち返される2塁打を許す。板谷君にも全部ストレート。もう2巡目になっているので、変化球を織り交ぜ緩急をつける組立にすればと何度も思ったが… しかし、続く砂原君の初球、捕手の田中君が素晴らしい牽制球を2塁に送り板谷君を刺してしまう。常総学院戦でも(白井投手だったけど)2塁ランナーを刺してピンチを切り抜けた。よしこの回もいけるぞと思った矢先に砂原君をストレートの四球で歩かせ、続く瀬戸口君がバントで送りまたも2塁にランナーを背負う。そして迎えた柴田君に外角真ん中のストレートを流し打ちでレフトの頭上を破られ同点にされる。そして打った柴田君は3塁に。なかなかの流し打ちだったけど、本田君の直球のスピードががっくり落ちた様に見えた。そしてバッターボックスはさっき飛んできたゴロを内野安打にしてしまった永田君。初球、2球目のストレートが外角に外れた為だろう、3球目はストレートが中に入り、そこをレフトにライナーで打ち返され痛恨の逆点打を浴びた。やや気落ちしたか、永田君には次打者柴田君の初球に走られる。それでも何とか柴田君を抑え最少リードに抑えたまま最後の攻撃に望みを託すことに。しかし8回裏の逆転は非常に痛い。逆転した側は元気になって最終回の守備に就ける上に逆転された側はそれが最後の攻撃になりえなくなる。しかし点差は1点。この日の打線と今の浦口君の調子ならまだまだチャンスはと思った。
先頭打者の都藤君はスライダー3球で 2-1 と追い込まれた後の4球目のストレートをライトへ流し打ち出塁する。よし、同点のランナーが出た。ここで長崎日大ベンチが動く。次の打者は左の内山君でこの日は無安打。そして次も左打者の中川君だ。しかしここで何故左腕の浦口君を下げて小山君を投入したのだろう?内山君は初球をきっちりこの日2本目の送りバントを決め得点圏に都藤君を進める。そして続く中川君はストレートの四球で歩き、逆点のランナーが出た。そして迎えるはこの日2安打の辻君。一打同点。長打が出れば逆転のチャンスだった。ここで再び浦口君がマウンドに戻る。その初球、浦口君はスライダーを投じた。辻君は第一打席でスライダーを2球空振りしながら、第三、第四打席はすのスライダーを痛打している。だがこの打席のスライダーはやや高めに投じられた。バットが一振りされるが打球は三遊間に大きく跳ね、遊撃手の永田君が掴み二塁を封殺。そして一塁へ転送され………

今年の京都西高の戦いはこれで終わった。この初球がストレートだったら恐らくセカンドの頭上を抜けていただろう……. 今大会の京都西高校。最後はエースで主将の本田君が連打を喫した。変化球がもう少し投げられれば重いストレートは生きただろう。ゲームセットの瞬間、呆然と打球と送球を見る西高ベンチ前の本田君が映し出された。二年振りの夏の甲子園。彼は悔いは無いと試合後語っていた。プロ入りして二年前の決勝戦で投げ合った現在楽天の田中投手との対決を煽る一部マスコミもあったが、卒業後の進路はどうするのだろう?
大会前あまり期待できそうになかった打線ではあるが、好投手清原君(常総学院)そして浦口君を相手に序盤こそ抑えられるも勝負どころでは連打が生まれ効果的に得点を重ねた。そして長崎日大戦はきっちりとした送りバントが目立った。
そして守備は鉄壁だった。特に三遊間は素晴らしかった。遊撃手小牧君は二年生。三塁手中川君は何とまだ一年生だ。一年生と言えば五番の斉藤君。常総学院戦は先制の二塁打を放ち、長崎日大戦は二安打を放った。 新チームで来春の選抜を目指してほしい。
そしてベンチにもスタンドにもいた3年生は残った高校生活を有意義に、そして卒業後も頑張ってほしいな。卒業後の人生を更に良くすれば高校生活の殆ど全てがいい思い出になる。京都西高の野球部諸君。本当に御苦労様。私も大いに楽しませてもらった。
そしてユニフォームもよかったぞ。次は私が在校生時代の NISHI のロゴを使ってくれ。

この試合は会社に着いてからも就業時間にかかわらずずっとワンセグで観戦していた。いやぁ~ありがたや文明の利器ワンセグ携帯。しかし、試合後は目が大いに疲れて午後の勤労意欲が全く沸かなかった事を書き落としてはならない….. 後輩たちよ、俺みたいになるなよ。



 御支援のワンクリック宜しくお願い致します。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
残念でした。 (kuronekotime)
2007-08-19 21:07:58
そうですね。結構長い回投げたのでストレートだけでは、厳しかったですね
本田くんの今後の活躍を期待して、これを機に来年も京都西高を応援したいと思います。

今日の帝京×佐賀北の試合もすごかったですね 
帝京が負けるとは思いませんでした。
まだまだ、甲子園から目が離せません

返信する
残念 無念 でもまた来年も (Mr.コンティ)
2007-08-21 13:07:10
Kuronekotime 様

応援、コメント有難う御座いました。そして京都西
高校とそちらのブログにも表記して頂き誠に有難う御座いました。
高校野球もいよいよ4強が激突。好調の九州勢か常葉菊川の春夏連破か話題は尽きませんね。
そして大会後にはセンバツに向けて各都道府県で秋季大会が始まります。こうやってイベントを追いかけると一年が早く感じますがそれも歳のせいでしょうか...
またそちらのブログにもお邪魔させていただきます。
返信する

コメントを投稿