Mr.コンティのRising JAPAN

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サンガ首位戦線に。そして隔世の思い。  東京ヴェルディ 0-1 京都サンガ 12th August 2012

2012-08-13 | 京都サンガ J-League

蒸し暑かったこの日。吉田寿光主審の試合終了を告げるホイッスルが味の素スタジアムに鳴り響いた。

よ~~っし。ナイスゲェェェ~ッッッッム 。私はロンドン五輪男子サッカーで銅メダルを逃したというよりも韓国に敗れた悔しさを少し晴らす事が出来た。と思った。 しかし2位のベルディを破ってのこの勝利はサンガにとって大きな勝利。 これで第29節を終わって首位を行く甲府から勝ち点4差、勝ち点52で順位を6位から4位に上げた。同じ勝ち点52には他にベルディとベルマーレがいる。

昨シーズンは天皇杯決勝に進出するもJ 2League では7位に終わり2シーズン連続でJ2でプレーする事となってしまったのだ。
今シーズンは出だし好調で開幕戦から湘南、千葉と云った昇格候補チームを連覇する等一時は首位に立つも第12節の富山戦から19節の千葉戦迄7試合で3分4敗と急ブレーキがかかった。そして以降4連勝を続けているが対戦相手は熊本、愛媛、町田、鳥取と中位のチームが相手。自動昇格、首位戦線に残る為には上位を走る東京ベルディには絶対に勝ちたいところであった。

そして東京ベルディであるが…ベルディサポーターには失礼だけど、本当にどうしてしまったのだろう?と心配してしまう。
日本リーグ時代、1978年に1部リーグに昇格しいきなり4位に入り以降は日本リーグを牽引して来た。 80年代の後半、日本リーグでの読売クラブ対日産自動車戦はゴールデンカードで当時でも他の試合の2倍以上は観客が入っていた。(と言っても2,000人から多くても3,000人くらいだったかなぁ。) 
J League が発足する前年、日本リーグの最後シーズンの最後の試合、読売クラブ対日産自動車の試合は2万人近くの観客が国立競技場に集まったんじゃ無かったかな?今でも当時の読売対日産に試合を生観戦出来た事を幸福に思う。

1993年5月15日に待ちに待ったプロサッカーリーグ J-League が遂に始まった。開幕戦はベルディ対横浜マリノス。 この試合も現場観戦できると言う幸運に恵まれた。 その開幕戦こそ敗れたもののラモス、KAZU , 武田、北澤、柱谷哲二、ビスマルク、菊池新吉らのいたベルディは強かった。 他のチーム、そしてサポーター達からは常に標的になる程強かった。 

しかし栄光は長く続かなかった。 1997年にビスマルクが退団すると急速に弱くなった印象がある。そして推定3億5千万円の破格の移籍金で入団して来た前園は機能せず、シーズン末にはチームの呼称問題から渡辺恒雄御大と川渕チェアマンとの代理戦争の様な形で読売新聞社と読売ランドが経営から撤退しチームの財政事情が一転。チームの主力選手であった柱谷哲二やKAZUと云った高給取りを次々に手放さねばならなくなり優勝争いに絡めないチームとなってしまった。

2004年に天皇杯で優勝を飾ったが2005年には遂にJ2に陥落。 ラモスを監督に据えるなどしたがすぐにJ1昇格は2008年のシーズンまで待たねばならなかった。しかし3シーズンぶりに復帰した2008年のJ1は甘くなく、川崎にレンタルしていたフッキを復帰させたがわずか3カ月でFC Porto に移籍されてしまうなど戦力が整わず1シーズンでJ2に戻ってしまった。

そして再び陥落したJ2でも3シーズン連続で昇格争いに絡めなかった。 かつてはJリーグブームに乗って1試合平均 25,000 人以上の観客動員を誇った人気チームも今昨シーズンは 5,710 人/試合。 まぁJ1に復帰すれば1試合平均14,000 人程度は集められるチームなのだから早くJ1に復帰したいと言うところなのだろうか?

そしてこの日の京都戦も観客数は 4,824 人だった。 お盆休みで帰省する人も多かったと思うけどJ2とは言え昇格争いをするチーム同士の対戦なのでもっと入ると思ったんだけどなぁ~。

4連勝でベルディ戦に臨むサンガはFW 久保裕也が SBSカップ国際ユースサッカーの U-18 代表に召集されている為にこの遠征には帯同出来ず宮吉のワントップ。 ただ裕也はまだ今シーズン1ゴールしか決めていない。
ベンチにはスーパーサブ原一樹が控えるけどもっとスタメンで使って欲しんだけど。これまでスタメン起用は3度。ここ3試合は起用されていない。 大木監督はしばらくワントップを敷いているからなぁ…

CBには染谷とバャリッツァが。安藤淳は右SBだった。

前節富山を 1-0 で降したベルディはDFラインと中後、柴崎のボランチは同じメンバーだったけど前線をトップ下の和田以外の3人を替えて来た。これまで14得点で得点ランク2位の阿部拓馬が出場停止明けで帰って来た。ベルディ首脳陣としては前節富山戦から怪我で離脱した西紀寛が還ってくるまで何とか上位に踏みとどまりたいところだろう….
ホームのベルディが写真付きで紹介されるが右SBの森勇介が紹介されるとサンガサポーターからはブーイングが飛び左SBの中谷勇介が映し出されると拍手が沸き上がった。 

 




                                  GK 1 土肥 

       19 森勇介       21刀根        4 高橋       6 中谷  

                  8 中後              7 柴崎

       14 小池      22 和田       15飯尾  

                    9 阿部

                   13 宮吉 

        22 駒井     23 充孝        10 工藤  

          15 中山               4 秋本  

     16 福村   20 バヤリッツァ  3 染谷    8 安藤  

                   GK1 水谷

 

京都のキックオフで始まったゲームは開始早々はベルディが押してくる。 阿部のボールキープはなかなか取れない。 3分にはCKを与え最後はGK水谷がエリアの外に出てようやくクリアーする。 7分には阿部にボールが入りバヤリッツァがファールで止めてFKを与えるがそのFKは水谷がパンチで弾き出す。 立ち上がりのベルディは阿部が左右に動いてボールを受けると2列目の3人がどんどん押し上げて来きてはサンガDF陣が身体を張って何とか止めていた。 

ようやく13分、京都は宮吉がドリブルシュートを見せる。惜しくもポストの左に外れて行ったがその前にDFに当たったのかCKとなった。
しかしそのCKからカウンター攻撃に結び付けられ和田からの縦パスを受けた阿部がシュートに持ち込むがここは水谷がファインセーブでストップ。 何とか阿部は止められないものか….と不安になる。

サンガは連敗中(と言ってもテレビで2試合ほど見ただけであるが)はボール繋ぎに固執するあまり片方のサイドに選手が集まり相手チームはボールを奪うと逆サイドに振りそこからカウンター攻撃を仕掛け得点チャンスを見出していた。 
この試合もそれが心配だったんだけど…..しかしヴェルディの阿部の動きの方がこちらには心配を増長させていた。
14分にはカウンター攻撃を受け最後は工藤が阿部をファールで止める。そしてイエローが出された。 23分にはバヤリッツァが相手の攻撃をファールで止めて嫌な位置でFKを与える。そのFKから繋がれ最後はGK水谷までかわされたがサンガDF陣は必死のカバーでゴールを割らせない。 そしてこの時間帯から阿部がサンガの右サイドをどんどん突いて来る様になった。そこにCBのバヤリッツァが釣り出され2列目真ん中の和田が前線にせり出して来る。 
29分には左サイドに流れた阿部が上げたクロスに和田が飛び込むが中山と福村が必死に身体を寄せ良い態勢でヘッドを撃たせなかった。 その後もなかなかシュートに持ち込めないサンガとは違いヴェルディがこちら側に、サンガゴール側に押し寄せて来るシーンが続く。
41分には中谷が左サイドを上がり入れたクロスに和田が飛び込むが福村が競ってなんとかCKに。 そのCKに再び和田にヘッドであわされたがここはシュートが外れてくれて胸をなでおろした。 そして前半終わりころになるとヴェルディはロングボールを多用してサンガの左サイド、福村の後ろにボールを入れて来た。 しかしここは福村、そしてバヤリッツァが身体を張って攻撃を凌いだ。3分あったロスタイムも過ぎ前半は両者無得点で終わった。 



高温多湿の中でも試合、選手の疲労度は、そしてどれだけスタミナが残っているのか…..それにしても荒れたピッチだなぁ~と思った。 ほぼ全日程を終了したロンドン五輪。 2020年東京五輪を再び誘致しているが実現すればここでサッカーは行われるのだろうか?と荒れたピッチを見ながら思った。 そうなったらサッカーの試合をどんどんハシゴしたいなぁと思ったけど日本人は世界でも屈指の五輪好きな民族なのでどんな試合でもチケット入手は厳しいだろうなぁ~、2002年のワールドカップの時の様にと思った。

後半何とか打開策は、と思うも48分カウンター攻撃から阿部にフリーで抜け出される。あぁやられた!!と思ったら福村が後方からタックルで阿部を倒してストップ。 あぁ、このプレーは….と思った通りに吉田主審は一発レッドを福村に出した。 あぁ~福村退場かぁ~。 彼がいてもあれだけピンチを招いていたのに、いなくなると….と気分が重くなった。しかもFKは非常にいやな位置。このFKはヴェルディがトリックプレーを使ったけどシュートは大きく外れてくれた。 

このプレーが終わるや否や、サンガベンチは宮吉を下げて酒井隆介を投入し左SBに入れる。そして中村充孝をややワントップ儀見に上げるが実質ゼロトップと言えた。 そして楽しみにしていた原一樹を見られる可能性はこれで激減したと思った。
1人少なくなったサンガ相手にベルディは小池と飯尾がワイドに開きボランチの柴崎と中後がどんどん上がって来る様になった。中盤に人数を掛けられサンガはボールが繋がらなくなってくる。 51分には和田から阿部に縦パスが入りシュート体勢に入られるがバヤリッツァが必死のクリアーでなんとかCKに逃れた。 
62分には中盤で工藤が接触プレーで倒れて起き上れない。ここで工藤がピッチから消えたらちょっとこの試合は….と思ったけど何とか戻って来てくれた。 しかしこの直後に我々が狂喜乱舞する。 中央で起き上ったばかりの工藤からボールを受けた充孝が狙いすまして放ったミドルが低い弾道でヴェルディゴールに向かって飛びGK土肥が右に倒れ込むもその下を掻い潜ってヴェルディゴールネットに突き刺さりサンガの先制ゴールとなった。 ゴール裏に陣取る我々の方に向かって飛んできた弾道は見事一言。 劣勢の中での素晴らしい先制ゴールであった。 

ビハインドを負うベルディベンチは 68分 中後に替って元日本代表、184cmの巻誠一郎が投入され阿部と2トップに。そして和田がボランチの位置に下がった。 74分には中谷が下がり梶川が。おそらく3バックにして中盤に入ったと思われた。 

しかしここから駒井のドリブルが冴え出し、対峙する小池を振り切るシーンが。77分には充孝が駒井とのパス交換から抜け出しシュートの持ち込むが梶川に倒される。しかしホイッスルは鳴らなかった。 PKだと思ったんだけどなぁ….

ピッチの上では選手達が給水するシーンがだんだんと増える。 相当な暑さだろうなぁ。やっぱしサッカーは冬にしないとなぁ….
こうなると運動量というよりもロングボール主体のゲームにどうしてもなるだろうぁと思った。

 

78分にはベルディMF小池が下がり19歳のFW南秀仁が入る。これで前線は3トップか?サンガベンチは79分に中山博貴が下がり内藤、83分に工藤が下がり倉貫が入るが共にMF陣をフレッシュにする交替。 これで中盤の運動量が相手より勝る様になり更に駒井のドリブルが冴える様になってきた。87分には相手DFを2人かわして素晴らしいドリブルシュートを放つも3人目のDFに当たってCKに。 終了直前にも駒井が粘って内藤のシュートを引き出すもGK土肥がストップ。   
ベルディは巻の長身を生かすべくロングボールをもっと多用するかと思われたけどそれほどでもなかった。

そして5分あったロスタイムも過ぎ、吉田主審のホイッスルが鳴り響いた。
立ち上がりから押されっぱなしで、しかも退場で一人失うも先制ゴールを決め後はしっかりと守り追加点のチャンスも作った…
会心のゲームとは言いにくいけど2位のヴェルディ相手に貴重な勝ち点3を上げる事が出来た試合だった。



ヴェルディのホームでの連勝記録は7でストップした。

 

そしてサンガは翌週の横浜FC戦でも 2-1の勝利を納め2位に浮上して来た。 この試合あの King Kazu がスタメンだった。

まだ今シーズンは10試合以上残っている。 しっかりと勝ち点を積み重ねJ1に復帰して欲しい。

それが切なるサポーターの願いだ……  しかしオリンピック終わって気が抜けてもうたわ…..