Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

なでしこ2大会連続 Semi Finalist への挑戦

2012-08-03 | 夏季五輪

もう20年以上前、J-Leageu がまだ存在していない時代。King KAZU があるスポーツ誌に掲載されていた彼のインタビュー記事の一節を今でも覚えている。

ブラジルから帰国する直前(1989年)前の年のオリンピック(ソウルオリンピック)があってブラジルは決勝戦でソ連に敗れたけど銀メダルを勝ち取った。だけどそんなことブラジル人は誰も憶えていないんです。だから20年以上も前にメキシコで日本が銅メダルを取ったことなんて誰も知らない。 ブラジルじゃ日本人がボールを蹴るだけで笑いが漏れてくる....
ブラジル人に日本のサッカーを憶えてもらう為には何度もワールドカップに出場しなければ憶えて貰えない....

そんな内容の行があった。 日本がアジア地区予選を勝ち抜いてワールドカップに出場したことが無いときだった。

ソウルオリンピックであのロマーリオを擁したブラジルは決勝戦に進出するも同年欧州選手権で活躍したミハイリチェンコ率いるソ連に 1-2 で敗れた。大会得点王になったロマーリオは五輪後 PSV Eindhoven に移籍した。

今でもブラジルでは“サッカーが下手な人間”の代名詞として“ジャポネーゼ”と呼ぶのだろうか? 

アトランタ五輪で“マイアミの奇跡”を演じた日本五輪代表チームのこと、そしてその試合の事を憶えている、または知っているブラジル人はいるのだろうか?
ワールドカップ2006で 日本は1次リーグ最終戦でブラジルに 1-4 で敗れた。その試合を知っている人はいるかなぁ....

ブラジル国内で女子サッカーの位置付けはどうなのだろう?男子ほど人気(というよりも生活の一部?)は無いだろうけど一般の人の感心はどの程度なのだろう? 逆にブラジルでサッカーをしている女性達こそ男子との待遇の違いを痛感し“女子サッカー振興”の義務感に燃えているのかもしれない。

2大会連続銀メダル。

90年代前半の世界の女子サッカーの勢力図は欧州諸国が中心でそこにアメリカが対抗しており後は中国が何とか中国が追いすがっていた。そしてアジアの勢力は中国と台湾が日本や北朝鮮よりも強かった。

記念すべき第一回 Women’s World Cup は中国の広州を中心に開催され、日本女子もアジア代表で出場しその初戦はブラジルだった。 その試合の様子は専門誌で報道されただけだった。J League 発足のたった2年前だったけどまだサッカー自体がまったく注目されていない時代だった。 
大会前の予想ではブラジルには何とか勝てそうだとのことだった。試合は開始4分に Elane に先制を許すも以降試合内容は日本が優勢だったらしい。しかし主審の不可解な判定などもあり日本はブラジルゴールを割ることが出来ずそのまま 0-1 で敗戦を喫した。以降日本は Sweden ( 0-8 ) USA ( 0-3 ) そしてブラジルも USA ( 0-5 ) Sweden ( 0-2 ) と共に連敗を喫し1次リーグで敗退した。

両国は4年後のワールドカップスウェーデン大会でも同じ組になりこの時は日本が Pretinha のゴールで先制されるも今は日テレベレーザの監督を務める野田朱美の連続ゴールで逆転勝を納めた。男子より先にワールドカップで勝利を挙げたのである。そしてこの試合に背番号7番を付けて出場していたのがわれらが澤穂希であった。 
この大会でもブラジルと日本は共に1次リーグで敗退し両国は同じ歩みを続けていた。 

しかし翌年の女子サッカーが初めてアトランタ五輪で正式採用されるとブラジルは1次リーグでは日本を破りノルウェー、ドイツと引分け準決勝に進出。準決勝では中国に逆転負けを喫し、銅メダル決定戦でもノルウェーに敗れたが一気に世界の列強に踊りでる。4年後のシドニー五輪でも1次リーグは突破した準決勝にアメリカに、3位決定戦ではドイツに敗れ2大会連続で4位に終わった。

そしてワールドカップ1999 アメリカ大会でブラジルは準決勝戦でアメリカに敗れたものの3位決定戦ではPK 戦の末にノルウェーを降し3位にはいる躍進を見せる。 日本は1次リーグで1分2敗で敗退していた。 
その4年後のワールドカップ2003アメリカ大会からはスカートを履いた Pele といわれる Marta がメジャー大会にデビューし大会では3ゴール(うち2ゴールはPK)を挙げチームもベスト8に進む。以降女子サッカーが五輪の正式種目に採用されたアテネ五輪では Cristiane がメジャー大会デビューを果たし大会4ゴールを挙げるなど大会得点王に輝く活躍で銀メダル。 ワールドカップ2007中国大会では Marta 7ゴール、Cristiane が6ゴールで決勝まで進出。残念ながらドイツに Prinz, Laudher のゴールを決められ 0-2 で敗れたがアテネ五輪に続く決勝進出となった。
こうなると次の目標は優勝、金メダルとなる。北京五輪でも Marta, Cristina は絶好調。特に準決勝のドイツ戦は Cristina が2ゴール、 Marta もゴールを決めて Prinz や Garefrekes, Bajramaj を擁した次の3位決定戦でなでしこを2-0 で破ったドイツを 4-0 で粉砕し前年のワールドカップ決勝戦のリベンジを果たし決勝に進出。

しかしアテネ五輪の再現となった決勝戦では4年前同様延長戦に縺れ込む死闘となり98分 Carli Lloyd にゴールを決められ再びアメリカの軍門に下った。 アメリカとは2011年のワールドカップ準々決勝戦でも対戦。ロスタイムに入った92分 Marta のゴールでブラジルが追いつき試合は3年前の決勝戦同様に延長戦に入る。PK戦かと思われた122分、アメリカが劇的な決勝ゴールを決めてブラジルはまたもやメジャー大会優勝を達成できなかった。その決勝ゴールを決めたのが Abby Wambach だった。 Wambach はアテネ五輪の決勝戦でも延長112分、決勝ゴールを決めてブラジルを沈めている。

ブラジルはこれでアテネ五輪決勝戦、北京五輪決勝戦そして昨年のワールドカップ準々決勝戦でアメリカにすべて延長戦まで縺れ込んで敗れている。

ロンドン五輪では、Marta, Cristiana が得点を決めているのでちょっと嫌な気がしていた。 

 

2連勝の後に Team GB に敗れる。

Brazil の出だしは好調だった。緒戦でカメルーンを 5-0 で粉砕し、第二戦は New Zealand Ferns の粘りにあうも Cristiana が86分にゴールを決めて2連勝スタート。最後の英国戦は敗れたがこれはトップ下の Formiga を起用しなかったことを割り引かねばならない。  Forminga は34歳の大ベテラン。これまで五輪、ワールドカップ5大会ずつ出場しておりワールドカップ 1995 , アトランタ五輪での日本戦に出場している。そして澤穂希も出場している。

予想スタメンは....

          10 Malta               11 Cristina

                   8 Formiga

  12 Rosana                           6 Marine

            13 Francielle        7 Ester

    16 Renata Costa    5 Erika       14 Bruna

                  GK 1 Andreia


2トップの Malta と Cristina は強力だけど彼女達に良いボールを繋いだり一旦タメを創るベテラン Formiga がトップ下に入る。Marta 、Cristina は3回目の五輪出場となりこれまで通算得点は Marta が8。Cristina は12得点にもなる。

2列目左の Rosana は30歳のベテランMFで4回目の五輪。 1次リーグでは初戦のカメルーン戦、続くニュージーランド戦は“温存”された。 2列目左の Maurine、CBの Erika の2人は16歳の時にFIFA U-20 Vancouber 大会に出場し U-20 大会に3度出場した実績がある。北京五輪、ワールドカップ2011 にも出場している。 
GK Andreia 4回目の五輪となる35歳の大ベテラン。 その他DFの Bruna CB の Erika 以外は全て北京五輪を経験している。 

なでしこもそうだけどこの五輪を最後に代表を退く選手達もいるんだろうなぁ~と思った。

1次リーグ最終戦の英国戦で敗れた事によりブラジルは準々決勝は世界王者の日本と対戦する事となった。ブラジルの Correio Braziilense 紙は日本は昨年のワールドカップ決勝戦でフランスを破り今や五輪でも優勝候補であると表現されていた。決勝戦で対戦したのはアメリカなんだけど。

Jorge Barcellos 監督は選手達にイギリス戦の敗戦は日本戦のパフォーマンスに影響しない事を説いた。何故ならブラジルは金メダルを取れると信じているからだと語った。

 “我々はイギリス戦には敗れたがメダルの夢が敗れたわけではない。 我々は前回と同じ結果に辿りつくにはまだやらななければならない。だから我々は今度は勝利が必要だと知らねばならない。" と語った

我々は敗戦から学ばねばならない。特にせめながらもゴールを挙げられない試合をした時は。 それはイギリス戦でさえも起こった。日本の様なチームを相手にした時はそれがもっと深刻になる。しかし我々はこれまでよりもずっと良いサッカーをしていると感じている。我々は勝利を齎すだろう。  こう語ったのはエースの Marta だった。

O Estado de S. Paulo 紙には Baroellos監督は日本はブラジルや英国、アメリカの様に大変強いチームだ。日本とプレーするのは大変面白い、そして我々を難しくさせるからだ。 日本はワールドカップ王者であるが我々も自信を持っている。そして準決勝に進むみたく思っている。 

Martaは“試合は先制点が欲しい。そうすれば敗れる事はない。次の試合には全力を尽くす。”と語っていた。

 

女子サッカーでは少なくともブラジルで日本は一目置かれている様だ。

 

しかしなでしこ達が勝利を納めてくれる事を願う.....


スペイン戦の勝利の勢いをそのままに.....  Japan 1-0 Spain 25th July at Glasgow 

2012-08-03 | 夏季五輪
ECB 欧州中央銀行のイタリア人 MarioDraghi総裁は26日ロンドンでの講演で “欧州中央銀行はユーロを守る為、権限の範囲内であらゆる手段を講じる用意がある”と述べた。金融市場では ECB が国際の買い入れを再開するとの見方が広がり、スペイン等の国債が買われて金利が急低下しユーロ高になった… と27日の日本の各紙朝刊にはこう報道された。
スペインの10年物国債の利回りは 7.4% と云う“危険水準”を大きく上回る数字から 7.0% へと急低下。 イタリア国債も 6.6% から6.0% に下がった。 そして為替も@\94.93 / € から 96円台に“円安”が進行した。
日本の10年固定利付国債の利回りは何%なのだろう?1.00% を上回るのだろうか??

欧州経済の先行き不安が募る中、 Football の世界だけは欧州市場無くして語れない。今やワールドカップ出場国で欧州でプレーする選手が一人もいないのは北朝鮮を除いて考えられない。いや北朝鮮だって Park Kwan Ryong がスイスの FC Barsel でプレーする。そして鄭大成も。 
不思議に思うのはあれだけ ECB に資金援助を依頼している国のサッカークラブがどうやってサッカー選手の移籍金に数十億円単位の資金を出せるのだろう?? 

今回の五輪男子サッカー競技で話題になっているのは64年振りに結成された英国代表こと Team Great Britain とスペインがワールドカップ、 EURO に続いてメジャー大会3冠を達成できるか?そして王国ブラジルは史上初の金メダルを勝ち取れるか…であった。 優勝候補スペインの最初の対戦相手が日本だなんてキックオフの30分前までどれだけの Scotch を含めた英国人が知っていただろうか….

日本のキックオフで始まった試合は開始1分47秒にスペインPAにめがけて放り込まれた清武のミドルパスを永井がボレーでこの試合両軍最初のシュートに持ち込む。 GK De Gea が難なくキャッチするがなかなかやるじゃないか、と思うも以降は世界中がお手本にするであろうパスワークが冴えて果たして試合終了まで日本が何回ボールに触れるのだろうか?と思わせられる。
そして次にシュートを放ったのが Rodrigo だったがそれは中盤で細かいパスを繋いで日本DF陣をひきつけてからのシュート。あと何本撃たれるやら?と思うも結局前半スペインが放ったシュートはRodrigo のシュートと25分に Mata の放ったのと合わせた2本だけだった。ただし、Mata の右から中央に切れ込んでのドリブルシュートは最後は権田が左に飛んでファインセーブで防いだもの。さすが Chelsea と思いながらもひやりとしたシーンだった。
しかし日本DF陣は吉田麻也を中心に冷静にスペインのパスワークに対応するが1対1でも充分に対応しボールを奪う事もしばしば。おいおいスペインってこんなに下手だったか? それとも日本が上手いのか?と思った。
34分に右CKを扇原がファーサイドに入れそれまで何度もユニフォームの引っ張り合いをしていた Montoya のマークを振り切り大津が押し込んで日本が先制する。


 
しかしこの時点ではこのままのスコアーで試合が終わるとは世界中の誰もが思えなかっただろう。 41分には永井が中央からドリブルで突破しようと振り切られそうになった Inigo Martinez が抱き付いて永井を止めて一発退場。ガイガー主審がカードを出す前に、素早くボールを出してスペインゴールネットを揺らすと言った頭脳プレーを見せるもゴールは認められなかった。しかしこの退場でスペインが徐々に劣勢に立たされて来る。だけどまだまだこの時点ではスペインには余裕はあったのではないか?一人少なくなった方が試合が面白くなる。と考えたスペイン人もいるんじゃないかな??
だけどこの Martinez の退場はもともとスペインのバックパスを永井が掻っ攫おうとしたもの。そしてそのバックパスも日本MF陣のプレスが訊いていたいから。 スペインが一人少なくなった直後のFKは扇原が直接狙ったが惜しくも外れた。ここで代打中村俊輔とはいかないか?




後半に入ってまずこちらが驚かされる。 大津が怪我で下がってしまった。替わりに投入されたのが宇佐美でなく斎藤学だった。宇佐美のドリブルがどこまでスペインに通じるかとちょっと想像していたけど、ドリブルなら斎藤だって面白いと思った。
開始早々の47分にはロングフィードを受けた Foisco が吉田を抜いてシュート体勢に入ろうとするがすっ飛んできた徳永がマークに入りシュートを撃たせない。スペインようやく本領発揮か?と思わせられる。しかしここから再び攻勢に出るのは日本だった。50分には東が中央から素晴らしいミドルシュートをドリブルから放つがここも Manchester United のGK De Gea がファインセーブでストップ。 GK が De Gea でなければあと何点入っていただろう?
54分には酒井宏樹が右サイドから上げ永井が飛び込むがわずかに合わせられない。
スペインベンチはたまらずトップの Adrian Lopez に替わって Ander Herrera ( Athletic Bilbao ) を投入する。
しかしスペインにはボールがなかなか渡らない。前線の永井が高い位置からプレスをかけ、走り回って相手の出所を押さえる。 あんまり走らないでくれよ~、攻撃時にとっておいてくれよ~と思うと56,58分と連続で永井がシュートを撃つ。 58分のシュートは山口、東と繋がり裏に走りこんんだ永井に送られPA内左からフリーで放ったもの。 わずかにゴールポストの右に外れていった。
60分には斎藤が中盤でボールを奪い、右サイドの清武に繋げると清武は Dominguez, Javi Martinez を リブルで振り切り突破しシュートを放つがゴールの右に外れる。
63分スペインは2人目の交代選手 Oriol Romeu を Isco に替えて投入する。Romeu は UEFA U-21 2009、2011に出場する Chelsea 所属の選手。ここからしばらくスペインがボールを持つ時間が増えるがMF,DF陣がすばやいチェックで66分に Herrera がCKから撃った以外はシュートを撃たせない。このまま粘って…と思うと今度は酒井宏樹が脚を傷めてしまう。
一旦はピッチに戻ったけど自ら×印を出してピッチに下がった。替わって入ったのが佐藤高徳。左右も出来るSBがいるのは心強いけど本当は左で使いたかったなぁ~と思う。しかしけが人で交代枠を2人使ってしまうのはもったいないと思う。
そして何分頃からか斎藤と清武がポジションチェンジをしていた。これで相手の左サイドの攻撃を斎藤の縦へのドリブルで蓋が出来るようになった。 
71分スペインは最後の交代選手 Cristian Tello ( Barcelona ) を Koke に替わって投入する。 Tello は攻撃的選手。これで前線を増やしてきた。そしてショートパスからロング、ミドルの縦パスが増えてきた。72分、ちょっと嫌な位置でFKを与えるが直接狙った Mata のFKはゴールを大きく外れてくれた。 85分 Mata から絶妙の縦パスが入るが権田が飛び出してクリアー。86分日本ベンチは扇原を下げて山村を入れる。これで逃げ切り体勢か?と思うけどあとロスタイムを入れて何分あるのだろう? 87分永井が Romeu からボールを奪ってドリブルシュートに持ち込むがこの1対1のシュートは GK De Gea にセーブされてしまう。 あぁ絶好のチャンスだったのに。さすが De Gea だったけど….
そしてロスタイムが4分と表示される。 おいおいそんなにあったのかよ?と思う。 91分更に天を仰ぐシーンが。終盤から目立ちだした東がボールを奪い中央突破をはかる。“東!撃てっ!!”と叫ぶが左に走りこんだ山口に流す。 フリーの山口が走りこんで撃った弾道はクロスバーを越えてしまった。 “何しとんのやぁぁぁぁぁ~” これが入っていれば試合は終わっていたのに..と思う。スペインはCBの Alvaro Dominguez をトップに上げてパワープレーに出てくるが吉田もヘディングの強さを見せる。
そして49分を過ぎ最後は清武がスペイン陣内左サイドの深い位置でボールをキープしアメリカ人の Mark Geiger 主審のホイッスルが鳴り響き、日本がシドニー五輪以来の貴重な初戦勝利を飾った。
よ~しっっ !! ナイスゲーム !! と膝を叩いた。

これで1次リーグ最終戦まで楽しめる…と思った。ワールドカップと同じだ~と幸せな気分になった。

翌日の朝刊各紙には“奇跡”という文字が躍っていた。たしかに優勝候補相手の勝利は金星だ。しかし試合内容は互角以上だったとおもう。ボール支配率は40%程だったけど。
アトランタ五輪でのブラジル戦の勝利。“マイアミの奇跡”と照らし合わせるマスメディアも多いけどあの時ほど押されてはいなかたし決定機はむしろ日本の方が多かった。 2001年マラガに遠征した当時の日本代表がスペイン代表と親善試合を行い  0-1 で惜敗したけどそのときよりはスペイン人に日本にもサッカーはあるのだと存在を見せられたと思う。



翌日のスペインの新聞から….
インターネット時代(この言葉も古いか?)の今日、電子版であるが世界各国の新聞を読み比べられる。そして翻訳ソフトさえ使えばかなり読むことが出来る。英語に訳せば。

Marca 紙から….

オリンピックで躓く
スペインチームは日本の一撃にやられた。 Luis Milla のチームは疑っていた日本にロンドン五輪の初戦で敗れてしまった。
Hampden Park で大津がゴールを決め Inigo Martinez が41分に退場となった。
スペインチームは日本に驚きを与えられ五輪初戦で敗戦を喫した。 Luis Milla のチームはゴール直前を含むポジションで
守備面であまりにも多くのミスを犯した。唯一の得点となった大津のゴールは Montoya のミスからだった。 41分に退場で Inigo Martinez を失ったスペインは後半はずっと10人でのプレーが強いられた…..

という行で始まった記事は日本のことを“大変威勢の良いチーム”と表現し、Luis Milla のチームはゲームを支配する為にボールをコントロールしたかったが関塚監督が送ったチームの相手のボールを持たせないというクリアーな考えで試合に臨んだ。スペインはDF陣の裏を取られない様に腐心させられた。

試合は開始早々は Juan Mata の様なチームを活性させる選手が中心となりスペインが主導権を握ると思われたが、よくプランを練った日本が Luis Milla のチームを悩ませ始め主導権を奪われ始めた。永井の示した度重なる脅威の後に得たCKから大津がマークに着いた Martin Montoyaに競り勝ち放ったシュートが決まり日本が先制した、
と書かれておりその後 Martinz の退場で状況は悪くなった、56分にようやく Milla 監督は動いて Adrian を下げて Ander Herrera をと投入するなどして捕まえられない日本に対応しようとしながらも決定機を作ったのは永井、清武にあわやのシュートを撃たれるなど日本で更なる改善を求めて Rojita Isco を下げて Oriol Romeu を投入したことや Koke に替わって終了10分前に Tello を投入したこと、そして Jordi Alba の絶好機が決まらなかったとも書かれていた。
そして初戦を終えてスペインは Group D の最下位スタートとなったと言う行で閉められていた。

Los campeones de Europa no pudieron con la velocidad nipona
欧州王者、スピードのある日本に対応出来ず
Mata, Javi Martinez そして Jordi Alba の3人は日本戦にスタメン出場し90分間プレーした。 Chelsea 所属のその選手はオリンピックのデビュー戦では最も鋭い動きをしていた。  Javi Martinez は守備面で慎重にプレーした。 Jordi は40分に警告を受けた。

その3選手はLuis Milla のチームをリードした。 彼らはスタメンで起用され最後までプレーしたが彼らの経験はスピードのある日本には通じなかった。Mataは最も精力的に動いたがデンジャラスゾーンではスペースを見つけられなかった。 関塚隆史監督のチームの組織されたDF陣はプレスと囲い込みをベースとしたシステムで Mata のいる中盤に対応し、Mata はボールを失い中盤でのプレーに終始した。スペインは正確性を失っていた。

この様な事が書かれていた。そして Javi Martinez は Koke と共にDF陣の守備を助ける事に終始させられ続けたこと、そして EURO2012 でセンセーショナルな活躍を見せた Jordi Alba には多くを期待過ぎていたと書かれていた。

Justa expulsión de Iñigo Martínez ただ Iñigo Martínez の退場が

CB でスタメン出場したInigo Martinez の物議を醸すプレーは Mark Geiger 主審がレッドカードを示した後にロッカールームへの道を示した。
スペインチームのディフェンダーは日本の永井謙介の素早い動きを止め切れずに GK De Gea と1対1になるのを防ぐために反則を使った。
Milla は次のホンジュラス戦に向けて Martinez を出場停止で欠く為にCBの変更を強いられている。

Martiznezの退場はあの時の Beckham の退場と同じくらい、いやそれ以上に痛かったか….



Milla: "Este equipo tiene crédito" Milla このチームは信頼がある

“私は試合後ロッカールームで肯定的に務めた。それはあと2試合チャンスがあるからだ。” Milla は語った。

Luis Milla 五輪チーム監督は敗戦となった日本戦の後で“日本は素晴らしいゲームを行った。目的に向かって我々はターゲットに向かって比較的に容易に行えて来た。前向きに。二つの改善すべき、本当に改善すべき要素がある。 控室では肯定的にと務めた。何故なら我々にはもう2試合あるからだ。 選手達は信頼がある。次の試合迄3日間ある。 あれこれする時間はないが、多くをメンタルや集中力の強化に裂かねばならない。何故ならこのレベルではもう少し詳細にそしてボールへのアクションを挙げねばならない。 我々はより強くコンパクトにならねばならない。”と答えて、五輪に就いてのプレッシャーはあるのかと云う問いに就いては“我々には当然それがあった。私はいま次のホンジュラス戦に就いて考えている”と答えた。


Milla 監督は他紙では選手達を予定通りに開会式に出席させる、それは人生でも一生の思い出となるからであると語っており、大会前に受けた El Pais 紙のインタビュー記事ではインタビュアーの“スペインは表彰台に立つ事を期待されているが..とお質問には、まだ始りもしないのにもう表彰台の話しをされる、それがプレレッシャーになると語り、選手達にプレッシャーを与えない様にというコメントも。
そして日本の勝利を祝うコメントも発していた。 
また大会直前に日本チームとの初戦についてはと訊かれたときは“大変難しくなるだろう。日本は早くて質の高い選手が多く、何人かは Budesliga でプレーしている。”と語っていた。 そして決勝戦がスペイン対ブラジルと予想されていることについても、“まだ大会は始まっていない。今は日本そしてホンジュラス、モロッコについて案じるだけでブラジルやイギリスそしてウルグアイに就いては何も考えられない。” と語っていた。 

そして期待はありがたいがそれが重荷にならないようにともインタビュアーに語っていた。
更にフル代表チームの成功との比較についても同様に語っていた。また Javi Martinez, Jordi Alba らに就いてはチームと核になることを期待しているが UEFA U-21 でプレーした選手もいるが欧州選手権を戦い終えたばかりだと案じていた。
また怪我で離脱した Thiago の穴埋めに就いては替わりに個人選手ということではなくあくまでもチームでカバーしていきたいとコメントしていた。



EL PAIS 紙にはUna soberana derrota de España en Glasgow ( 王朝スペイングラスゴーで敗れる )
という見出しが。
ここには日本戦の敗戦後はまだ、“ロンドン五輪で優勝候補である”という形容詞が使われていた。

この失望はスペインにとってたいへんなもので、この試合は Hampden Park において厳粛なステージで日本の様な小さな相手に行われた….と書かれており、Thiago , Munianin の離脱を嘆いていた。

スペイン戦の勝利の最大の要因はなんと言ってもスペイン国民を含めたほとんどの関係者が日本五輪チームを知らなくそれこそ“自分達のサッカーをすれば…” と思っていたからに違いない。
そしてこの時点ではスペインが次のホンジュラス戦も敗れてモロッコ戦も無得点引き分けに終わり大会を無得点で去るとは誰も想像しなかっただろう。

そして日本は明後日 Manchester Old Trafford でエジプト相手に準々決勝戦に臨む。
Sir Alex Ferguson 、香川を貸してくれないかなぁ….でも今の五輪チームには必要ないか? 


ESPAÑA, 0 - JAPÓN, 1
Japón: Gonda, Tokunaga, Yoshida, Suzuki, Sakai (Yamamura, m.85), Yamaguchi, Ogihara, Otsu (Saito, m.45), Higashi, Kiyotake, Nagai. No utilizados: Ando, Muramatsu, Sugimoto y Usami.
España: De Gea, Montoya, Domínguez, Íñigo Martínez, Jordi Alba, Javi Martínez, Koke (Tello, m. 80), Isco, Mata, Rodrigo, Adrián (Herrera, m. 56). No utilizados: Mariño, Botía, Azpilicueta y Muniain.
Gol: 0-1. M. 33. Otsu supera a Montoya y bate por bajo a De Gea.
Árbitro: Mark Gieger amonestó a Jordi Alba, Domínguez y Saito. Expulsó con roja directa a Iñigo Martínez.
Estadio: Hampden Park, unos 45.000 espectadores.