Mr.コンティのRising JAPAN

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FIFA Womens World Cup 開幕 撫子白星発進 マスコミよもっと取り上げろよ !!

2011-06-30 | FIFA Women's World Cup

6月27日。期待感の中第6回 FIAF Womens World Cup に撫子が登場した。
ワールドカップでメダルを獲得する。何て響きのいい言葉だろう。それが射程距離にあるこの現実。
球技の“世界選手権”でメダルの期待を以って楽しめるなんてかつての男女バレーボールと最近始まった World Base Ball Classic を置いて他に何があっただろう…70年代日本の女子バスケットは世界選手権で準優勝したらしい…..

初戦は北京五輪の初戦と同じ顔合わせ。 New Zealand 女子代表 Ferns が相手だ。
Ferns のスタメンを見ると3年前の北京五輪日本戦でスタメンだった選手が8人今大会のメンバー入りしているが再びスタメンのピッチに立ったのはGK Jenny BINDON 右SB Ria PERCIVAL CB Katie HOYLE FW Amber HEARN ら3人のみ。 もう一人のCB Anna GREEN は北京五輪の日本戦は出番がなかった。 その他では MF Hayley MOORWOOD, Emma KETE FW Kirsty YALLOP の北京五輪日本戦スタメン組はベンチスタート。今大会のメンバーのうち DF Kristy HILL ( 日本戦出場機会無し ) を加えた9選手が北京五輪メンバー。



一方の撫子は北京五輪の初戦メンバーのうち柳田を除く10人が今大会もメンバーしておりベンチスタートの矢野と GK 福元以外の8人の選手が3年前に北京五輪の Ferns 戦のスタメン。相手に特徴を完全に掴まれていないか..が少し心配だった。
こうして考えるとまさに今大会のワールドカップが撫子達の集大成であると言える。それだけに北京五輪では届かなかったメダルを何としてでも取らせてやりたい…と私は思うのだ。(あまり関係ないか??)

試合は地力に勝る ( FIFA ランクは撫子4位 Ferns 24位 ) 撫子が序盤からボールをしっかりと繋ぐ。2トップ、共にドイツでプレーする永里、安藤にボールが入るとちょっと止められない。
6分大野がRebecca Smith から中盤でボールを奪い前線の永里にボールを送ると上手く Abby Erceg の前に入り込んだ永里がそのまま正面からフリーで抜け出し GK Jenny Bindon の出鼻を見てタイミング良くボールを浮かすとそのままFerns ゴールネットを揺さぶり撫子の先制ゴールが生まれた。早い時間の先制ゴールに安堵を感じる。
これまで対 Ferns 戦3勝1分の戦績を思い出し、気温36度近くある中、大きくボールを回してバテさせて終盤に連続ゴールを…と私は早くも胸算用を始めた。実際にその後も撫子達は主導権を渡さず7分23秒には安藤のスルーパスが、10分13秒には宮間から永里に渡り安藤に送られゴール前に入るが Ferns のDF陣も必死に跳ね返す。 
だが次のゴールは Ferns だった。ロングボールが右サイドに大きく出されると Percival が走り込んで追い付く鮫島がマークに入る前に素晴らしいクロスが上げられると逆サイドにフリーになった長身 Hern に高い打点からのヘッドを捻じ込まれた。試合開始から中盤を省略しロングボール中心のFerns だった、脅威を感じさせなかったがここはぴたりと Percival にボールが出た。



“それは大変に素晴らしかった。試合を振り出しに戻してくれた。こんなに早く同点に追い付くとは思わなかった。Amber Hearn は上手くマークを外した。次の試合でも脅威になってくれる事を祈る。”試合後 John Herdman Ferns 監督はこの同点ゴールをこの様に振り返った
その前に Gregorius が飛び込んできた。そこに近賀、岩清水がつられて Hearn をフリーにしてしまったか…

このゴールでテレビを見ていた私は Ferns のロングボールが怖くなってきた。そして Hearn の長身も。
それでも主導権を握り続けたのは撫子達だった。16分40秒には右サイド安藤からのクロスを受けて大野がシュートを放つが GK Bindon が左に倒れ込んでキャッチ。 17分29秒、大野が右サイドから入れたところをフリーで受けた阪口が強烈なショットを放つがポストを叩く。こぼれ球を澤が撃つがクロスバーを越えてしまった。 この攻撃は見事だった。澤が中盤で起点になり右サイドの大野に送り近賀がオーバーラップそして中に入れた時はPA内に安藤、阪口、永里が入っており起点になった澤もPA内に入る勢いであった。
その後も23分38秒にはCK から連続シュートを放ち27分には近賀が入れたクロスを安藤が空振りこぼれたところを大野が撃つがクロスバーを越え、28分40秒にはまたも近賀が右サイドから逆サイドのポスト前に走り込んだ澤に送るが競り合った Riley がCKに逃れそのCKから大野がシュートを放つがクロスバーを越えた。
Ferns はボランチが Hoyle 1枚になっているので27分あたりから澤がどんどん上がるようになってきた
37分15秒には左CKから安藤がヘッドで折り返しフリーの永里が更に至近距離からヘッドを撃つが逆サイドも右ポストの外側に外れてしまった。
撫子の2点目がなかなか決まらないなぁ…と思い始めるとFerns は39分にはカウンター攻撃を40分にはロングボールが Herns に渡る。
何とか岩清水が競ってCKに逃れる。Anna Green の CK に Smith が飛び込むがここはGK海堀がキャッチ。いやな流れになって来るかな..と思っていたら前半が終わった。 撫子はシュート6本を放ったが Ferns は1本、占有率は撫子 63 に対して Ferns は37だった。

後半に入って Ferns ベンチは Bowen に替って北京五輪スタメンだった Haley Moorwood を投入し左SHF に入れる。
そしていきなり Moorewood はシュートに持ち込む。 Moorwood 投入は対峙する近賀対策、更に 161cm の近賀のサイドに長身の Hearns が寄って来る。 後半の Ferns はただ撫子ゴール前にボールを入れるだけでなく近賀、鮫島両サイドの裏側に入れて来るようになった。
55分撫子ベンチは最初の交替選手、と言うか期待の岩渕を大野に替って投入し右SHF に入れる。
そして投入された直後はサポートがすくなく前線で孤立する事があったが、2008年FIFA U-17 大会 ( この大会は New Zeland で開催された。随分とニュージーには縁があるなぁ..) MVP の本領を充分に発揮した岩渕の素晴らしいドリブルで撫子達のエンジンが再び掛かった様に見えた。
60分には非常に良いリズムで波状攻撃を見せたがここにも岩渕は絡んでいた。
劣勢の Ferns は61分に Gregorius を下げて長身のWilkinson を入れて Hearns とツィンタワーを組む。
しかし日本にようやく追加点が決まる。65分岩渕が素晴らしいドリブルで中央を上がりErceg, Smith をかわしてPA内に入ろうかとした瞬間 Smith の足が岩渕の足に掛かりホイッスルが鳴るPAの僅か外だが真正面で得たFKを宮間が難なく右上隅に決めてようやく日本に2ゴール目が決まった。
ゴールを決めた宮間が”一呼吸おいて”控え選手達の待つベンチに一直線に走り寄った姿も印象的だった。




“今日我々は世界のベストチームと戦える事を証明で来た。日本は我々が予想していた通りそして今日見せた通りの本当に質の高いチームであった。しかし我々もこういう相手に勝てるチャンスも見る事が出来た。”
Rebecca Smith 主将はこう語った。しかし岩淵の登場は選手達にとって衝撃だった。と Herdman 監督は語った。
それはそれまで日本にボール支配率では圧倒されていたが失点を許していなかったのだったが…と言う悔しさが伺える。
“最後の10分~15分を凌げば..と思った。しかし岩淵が疾走してゴールを奪われてしまった。勝点1は New Zealand にとってこの世界の舞台では偉大な成就であったがそれが出来なかった。しかし私はこの試合で典型的な Kiwi 魂を見せた選手達を誇りに思う“。



以降も撫子は主導権を離さない。 特に76分永里に替って丸山が投入され岩渕と2トップを組むようになると完全に Ferns DF ラインを翻弄。惜しむらくは3点目が取れなかった事か….だが緊張の初戦、撫子はメダル獲得に向けて白星スタートを切った。 

FIFA Women’s World Cup Germany 2011
Bochum, Germany  Group B
New Zealand 1 (Amber HEARN 12’)  Japan 2 (永里優季 6’,宮間あや 68’)

New Zealand: 1-Jenny BINDON (gk), 2-Ria PERCIVAL (16-Annalie LONGO 76’), 3-Anna GREEN, 4-Katie HOYLE, 5-Abby ERCEG, 6-Rebecca SMITH (c), 7-Ali RILEY, 9-Amber HEARN, 10-Sarah GREGORIUS (17-Hannah WILKINSON 61’), 12-Betsy HASSETT, 18-Katie BOWEN (8-Hayley MOORWOOD 46’)
Substitutes not used: 11-Kirsty YALLOP, 13-Rosie WHITE, 14-Sarah McLAUGHLIN, 15-Emma KETE, 19-Kristy HILL, 20-Aroon CLANSEY (gk), 21-Erin NAYLOR (gk).
Coach: John HERDMAN
Cautions: 18-Katie BOWEN 45’, 6-Rebecca SMITH 67’, 9-Amber HEARN 77’

日本: 21-海掘あゆみ(GK), 2-近賀ゆかり, 3-岩清水梓, 4-熊谷紗希, 6-阪口夢穂, 7-安藤梢 (16- 田中明日菜 90+2), 8-宮間あや, 10-澤穂希 (c), 11-大野忍 (20-岩渕真奈 55’), 15-鮫島綾, 17-永里優季 (18-丸山佳里奈 76’).
Substitutes not used: 1-山郷のぞみ (GK), 5-矢野喬子, 9-川澄菜穂美, 12-福元美穂 (GK), 13-宇津木留美, 14-上尾野辺めぐみ, 19-高瀬めぐみ.
監督: 佐々木則夫     Cautions: None

結局勝点1を上げられなかった Ferns であったが John Herdman 監督はチームのパファーマンスを称賛。
“観衆にとっては良い試合であっただろう。 日本チームはいつもの様に我々全員を眩惑させた。特に岩渕が登場した最後の20分間は。彼女はワンダフルプレーヤーだ。我々は少なくとも勝ち点1獲得を目指した。しかし日本はそう簡単にやらしてくれなかった。しかし尚私は選手達を誇りに思う。
そして Hearns の同点ゴールも試合後も称賛を忘れない。 
Hearn の個人的な満足は敗戦による失望により中庸を得たものではあるが Fens 達はまた残りのグループリーグ2試合に自信を持って臨める事となった。 “勝点6は残り2試合を終わって我々が目標にしていた勝点。” Hearn はこう答えた。

1995年スウェーデン大会依頼のベスト8そしてメダルを狙う撫子。 充分に射程距離だと思うけど反対に澤穂希らのいるこのメンバーで成し遂げねばしばらくは….とも思う。 このグループを首位で通過しないと準々決勝戦は地元で優勝候補のドイツと当たる可能性が高い。次のメキシコ戦もしっかりと勝点3を積み上げて欲しい。

また“強豪日本”相手に“健闘”を見せた Ferns は England との対戦。 メキシコ戦を引き分けているだけに Ferns 戦はより強く勝利を目指して来るだろう。 

昨夜 Women’s World Cup にはオーストラリア女子代表 Matildas が登場し ( 優勝候補ブラジルに 0-1 で敗戦 ) そして FIFA U-17 では日本 U-17 が Junior All Whites を 6-0 で粉砕した。
World Cup 南アフリカ大会 からもう1年が過ぎたが今年も寝られない夜が続いてくれそうだ。

だけどマスコミよ。もっとこの大会を取り上げろよ