Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

オーストラリア大陸から“お騒がせ Legend “

2011-06-19 | Football 北米 南米 

先週末から商用でオーストラリアに。今年2回目の豪州大陸だが前回はここに滞在中に東北太平洋大震災と津波が発生し家族の安否がわかるまで非常に落ち着かない一晩を過ごした。
そして今回….チリで火山の大噴火が起こりそこから噴出された火山灰は気流に乗り太平洋を越えてニュージーランド、オーストラリア間のタスマニア海峡に迄影響を及ぼす事に。 そして水曜日の早朝Perth にいたわたしに地元顧客から電話が入った。 “空港が閉鎖されているぞ。いつのフライトだ?大丈夫か?” 実はこの電話を貰うまで火山の大噴火の事は知らなかった。今回の(今回も??)出張は早寝早起きの生活を繰り返し夜はテレビも見ず熟睡をしていた。まぁ UEFA Champions League も終わり欧州がシーズンオフに入り試合の中継が無いからだけど…それに A-League もオフ中だし…
こうなるとすぐにでも Up Date な情報が欲しくなる。だけど誰に聞いていいかわからない。在留邦人の御客もみな
“え??どこの火山が爆発したのですか??”といった回答ばかり。
近所の Travel Agency で訊ねると実際にキャンセルが相次いでいるらしいが翌日はどうなるかはわからない。結局のところ適切な判断を降すには空港に行かねばならないと言う事だった……
そして仕事を終えて航空会社のサイトを見ると翌日搭乗する予定のフライトはキャンセルされ同日の夕方のフライトをようやく サイトを通じて確保出来たのだった。
果たして翌日。 私のフライトはなかなか Perth に飛んで来てくれず2時間半程度遅れての離陸。目的地の Brisbane 空港でレンタカーのカウンターが空いていた時は涙が出そうだった。そうして予約していたレンタカーを運転し Gold Coast のホテルにチェックインしたのは午前4時近かった……救いは Gold Coast の天候が良かった事だった…
そしてテレビのニュースを見て少し驚いたのはこういう状況で確かにニュージーランド方面に飛ぶフライトは全て見合わせられているもののその他の航路ではカンタス航空は多くの欠航が出たがVirgin Blue はほぼ定刻通り飛んでいたフライトが多かったらしい。
Virgin Blue の責任者がインタビューで“カンタスの決定に私がコメントする立場ではないが、 Virgin Blue は飛行の安全を最優先させる中でフライトの運行を決めている。”と応えていた。 
映像では足止めを食った乗客が空港内で困惑している様子が映し出されていた。そしてメルボルンで緊急手術の必要な幼子が特別機か何かに乗せられるところも….. 総じて言えばこの件に就いてはカンタスはまたも大顰蹙をかっている…..
それにしても何千キロも離れたところの火山の影響がここまで有るとはなぁ…..

5月末。オーストラリアの地元紙に気になる見出しが…

Argentinian players given drugs before Socceroos clash, claims Maradona



“ 彼らはコーヒーに何かを入れた…..”

アルゼンチンのTV番組 The Football Show で英雄マラドーナが 1994ワールドカップアメリカ大会のプレーオフのオーストラリア戦の前に選手達が薬物を与えられていた事そして当時その事を Julio Grondona 現FIFA の副会長は知っていたと告発するコメントを発したのだ。

“何故いつも行われるドーピングテストがオーストラリア戦で行われなかったと思う?

いつもは10の使用禁止薬物が提示されるのにアメリカに行けるかどうかのオーストラリア戦に限ってそれがなされなかった。それは愚かな事で Grondona はそれを知っていた。オーストラリア戦の前に起きた事は我々に speedy coffee を与えられたと言う事だ。彼らはコーヒーの中に何かを入れた。だから我々はより多く走れた。“
このコメントに対して Grondona は静寂を維持している。
かつての英雄マラドーナのコメントに就いては色々伏線が取りだたされている。
まず昨年のワールドカップ終了後アルゼンチン協会会長の Grondona がマラドーナの監督更新契約をしなかった事に端を欲し79歳になる Grondona に対してマラドーナが高齢を指摘し“( 32年間も)会長職に留まる彼をこれ以上会長にしておくのは適切でない。”というコメントを公の場で発しそれに対して Grondona 会長が “ 私は高齢だが至って健康である。“と応じた。その一連の続きと見られている。

“ドクターから与えられたものは何であれ飲用した。ワールドカップに行く為ならオレンジジュースだって飲んだだろう。 私が言いたいのは Grondona があたかも私が直面した様にfootball が薬物に侵された事を知らなかったという態度を何故取るのかと言う事だ。”

マラドーナはまた遠まわしに Grondona 会長はCristina Fernandez 大統領の保護下にありそれは AFA が管轄する国内リーグ戦の放映料が無料になっている為だとほのめかしている。
“私は大統領に Grondona を解任する様に頼んだ。我々は変わらねばならない。そして Grondona の蛮行を示した。なぜなら彼は既に年老いて彼の時代は過ぎているからだ。もし政府が彼を指示し続けるならそれは誤った行為だ。”
Anibal Fernamdez 内閣議長は政府は Grondona を特別に保護してないと語っている。

Maradona and doped Argentina paid us compliment: Wade

このマラドーナの発言に驚愕のコメントを発したのが当時彼のマーク役の御鉢が廻って来た Paul Wade。

“そのコメントを聞いた時、本当にショックだった。だけど一風変わった褒め言葉だ。彼らは本当に我々にワールドカップ予選で打ち負かされる事を恐れていた。 彼らは驚くべきプレッシャーにさらされていたのを憶えている。アルゼンチンでの第二戦の前に当時の大統領が”もし我々が翌日の第二戦で敗れる様な事になればその日は国民が喪に服す為の日となるだろう。“と語っていた。
“私はチームの皆が彼について疑いを持っていたと思う。なぜならあんな短期間で相当の減量をこなしたからだ。だから常に何か推測があった。しかしチーム全体で何かを服用していたとは今でも大変な驚愕だ。しかし薬物の服用も考えられるだろう。彼らは比較的 football 後進国での初戦に臨んだ。 もし我々が彼らを破っていたらどうなっていたか想像できるかい?”
そして同様にプレーオフに出場した Robbie Slater はマラドーナのこの“告発”を“唖然とさせる事。”と述べている。
“私は何かしら失望感そして侵害感を感じる。あの2試合は我々オーストラリア選手達にとって大切なものだった。なぜなら世界中から注目を浴びたからだ。” 

この試合の模様は日本でも放映されたかわからない。オーストラリアに仕事で関わる様になって猛烈に観たいゲームの1つだ。しかし当時専門誌で報道された模様ではアルゼンチンが “ オーストラリアの Alex Tobin の自殺点で” やっと ”オーストラリアを降して “何とか” ワールドカップ出場権を手に入れたと言う事だった。 このプレーオフはあのドーハの悲劇のあとに行われたがその時思ったのが“出場枠がアジア、オセアニアでひとくくりにされていなくて良かった….韓国もサウジアラビアも日本もオーストラリアに勝てないだろうな….”という事だった。
まさかオーストラリアが AFC に加盟するなんて夢にも想像出来なかった時代だった。
Paul Wade, Robbie Slaterだけでない、当時アルゼンチン戦に出場した Aurelio & Tonny Vidmar 兄弟、Graham Arnold Frank Farina 達はこのマラドーナのコメントに就いてどう思っただろう….


Maradona mates deny knowing about drug use

しかしながら身内(かつてのチームメイト)からは異なるコメントが。

“試合の数日前から薬物コントロールに従事する事は知っていたがこの時はそれほど重要視していなかった。我々はただ試合に集中していたしかし Diego が言った様にコントロールが無かった事は事実だ。”こう語ったのは当時の MF Hugo Perez 。Perez はもうずっと昔の事を正確に思いだすのは困難と話しているが選手達は水かコーヒーを飲んでいた事は憶えているとの事であった。

DF の Jose Chamot は 地元 Libre 紙に“ それが禁止薬物なら例えコントロールされていなくても違法な事なのだろう。私はそんなもの必要では無かった。遠征時にたまにビタミン剤を与えられていた。しかしそれ以上のものは無かった。もしチーム全体の走力を上げるものがあったのなら私は参加しなかった。”
また DF Jorge Borelli は地元紙に “ Speedy coffee なんて飲まなかった。ただ紅茶とソフトドリンクを飲んだだけだ。“と語った。

マラドーナは前にも試合中の”薬物使用“に就いて地元テレビ番組で有る事を話していた。
それは1990年イタリア大会でのブラジル戦。アルゼンチンサイドが準備したピッチサイドに置いた飲料水ボトルの中に睡眠薬を忍ばせて置いた云う事だった。当時ピッチサイドに置かれた飲料水は敵味方関係なく自由に飲んでいた。今でもボールアウトになった時に相手の選手が飲んでいるボトルを貰って飲んでいる選手もいるが。(だいぶ減ったけど。) 
マラドーナが試合中にあるアルゼンチン側が準備したボトルに手を伸ばすとベンチから“それは飲むな。”と言われ、後にそのボトルに入っている飲料水を飲んだブラジルのシーラスのパフォーマンスが落ちた事を話していた。
そのボトルには睡眠薬が入っていたと後で言われたとテレビ番組で話していたけどその件に就きブラジル側から事実確認を促す抗議でも有ったのだろうか…..




Australians pour cold water on Argentina's claim of 'speedy coffee' deal

1993年ワールドカッププレーオフが行われた当時のオーストラリア協会の役員達はアルゼンチンサイドから述べられた当時試合前ドーピングテストが行われなかったのは2国間に協約があったからだと言うコメントを真っ向から否定した。
Julio Grondona  AFA会長は Buenos Aires 紙のインタビューの中で試合前のドーピングテストに就いて故意的に見過ごされたがそれはオーストラリア協会 Australian Soccer Federation との同意の上だ。というコメントを残した。
しかし 1993 年当時の ASF Chief Executive で現在 NSW General Manager の Ian Holmaes 氏は何も協議はなされ無かったと否定している。

“私は絶対の自信を持って云う事が出来る。いかなるアプローチも私にも協会の役員にもコーチ陣にも、この類の問題に従事できたであろう彼達に行われなかった。 我々はこの種の決めごとがあったなんて絶対に同意できない。自分の子供に誓ってもこんな事に加担していない。いかなるレベルに於いても間違った事だ。”

薬物検査はいかなる方法でも試合前には決して議題には上がらなかった。“この様に語った。
当時の ASF 会長だった John Constantine 氏はいずれかの試合で薬物検査が行われたか記憶になく何か行われた訳ではないとも主張している。

“我々は何も隠す事が無い。そしてもしそのような提案が私のところにくれば同意する余地などない。マラドーナの出場に就いては充分に色々な憶測があった。かれは既に1991年に出場停止処分を受けており、それ自信が2試合とも薬物検査をすべきであったと示唆している。もし何らかの事が動いていたなら私も知っていただろうが何も無かった。” 

もしこの件の真相が明るみに出れば最も失うものが多いのは FIFA vice-president の職に就いているJulio Grondona, AFA 会長だろう。だがマラドーナの話が事実なら、これはマラドーナの為に行われた事ではないだろうか? 
1993年 9月5日リバープレートでアルゼンチンはコロンビアに 0-5 と歴史的な惨敗を喫しこの試合を家族とともにスタンドで観戦していたマラドーナが代表復帰を発表しオーストラリアとのプレーオフに臨んだ。
初戦、コロンビア戦からわずか8週間後の10月31日 Sydney Football Stadium で4万人の観衆を集めた試合は 1-1 で引分け、11月17日にアルゼンチンはオーストラリアを降しワールドカップ出場を決めた。
確かに自ら激しいトレーニングをこなし減量をしたのだけど8週間でこれだけ…とは当時だれもが思っていた。
翌年ワールドカップでマラドーナが薬物使用で1次リーグ最終戦のブルガリア戦から出場停止処分を受けた事を知る方も多いだろう。 このブルガリア戦を私は駐在先のルーマニアの首都ブカレストでテレビ観戦していた。そして当時横浜マリノスでプレーしていたメディナ=ベージョが途中出場を果たした時は本当に嬉しかった。 まだ木村和司、水沼らが所属していた横浜マリノスが私は好きだったからだ。 
Round 16はルーマニア戦。 マラドーナ抜きのアルゼンチンはハジ、ラドチョイ、ポペスク、ペトレスク、ドミトレスク、ベロデディッチらを擁するルーマニアに 2-3 で敗れた。この時のブカレストの街は本当に大騒ぎだった。
画面に何度か映し出されるスタンドで観戦していたマラドーナが印象的だった……

相変わらずお騒がせのスーパースターだけど Paul Wade が言っていた様に少しオーストラリアがスポットを浴びた瞬間かもしれない?? 

そして6月16日付けのオーストラリア紙の片隅にまたもマラドーナの名前が。だが今度は彼が“被害者”の様である。
中国の web Portal Site SINA 社と The 9 Limited 社が開発した Wining Goal と言うポータルサイトゲームでマラドーナのイメージをベースにした選手をマラドーナの許可なしに創造したとのことでマラドーナ側は 2,000 万人民元 ( 約2億5,500万円 ) を要求しているとの事。 中国側はある中国の代理人を通じて許可を受けていたと思ったといつも通りに言い訳にならない釈明をしているがマラドーナ側はこの“謝罪”を受け入れる気はなく徹底的に係争するとのことだった。
それにしてもこのインタネットゲーム、 Wining Goal と言う名称自体、日本が開発し世界的に販売されている Wining Eleven
のパクリじゃないのかなぁ….. Wining Eleven にマラドーナは出ていたかな…..??