Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

さいたまダービー親子観戦  大宮 vs 浦和 02.10.10

2010-10-09 | 京都サンガ J-League

約2週間半の出張から帰国した日本は何とか酷暑は収まり過ごしやすくなっていた。それでも例年よりは気温が高いか…..
10月1日、帰宅すると中3の息子が“明日のさいたまダービーのチケットを買って来た….” と切りだした。だけど買って来たのは自分の分だけ、“おいおい1人で行くのか…” 少し話して結局一緒に行く事にした。
なんだもっと早く言えばいいのに…. 後で女房は“一緒に行かないのって訊いたけど1人で行くって言っていたのに…だんだん一緒に行きたくなって来たんじゃない….”
そうかぁ…俺が中3の時は親父と2人で出掛けたいなんて考えた事も無かったなぁ…. 俺が親父と居たいと思わなかったよりも俺といたいと思ってくれているか..

試合前に一番心配した事は“ビジター一般”の当日券が手に入るかだった。セブンイレブンでは予定販売枚数が終了しておりマッツァオになったがローソンでは無事に入手出来て一安心、さすがレッズ、いやさいたまダービーか…超満員のさいたまスタジアムをこの時は想像した。 

“今日の試合はレッズは楽勝やろ…. ” との問いかけに “でもレッズは大宮には弱いんだ。この前のダービーでも負けたし ( 0-1 ) “
これまでの対戦は4勝4敗3分、しかもここ3試合直接対決でレッズは大宮に対して1分2敗。両者の実績と実力を考えればこの数字は大宮の健闘と言えるだろう。 
レッズサポーターの息子は当然ACL圏内が見えて来たレッズの勝利を願っている。そして自分としては愛するサンガのJ1残留の為には14位の大宮に“降格争い”に入って貰わねばならない。両者の利害は一致した、私もこの試合はレッズを応援しよう。それにしても方やACL圏内、方や降格争いか…

競技場に到着して解った事はビジター一般席がこの試合に限っていつものレッズの”ホーム一般席”と同じゾーンだった事。大宮のホームゲームだから、レッズのホームゲームでアウェーチームが陣取るゾーンがこの日のレッズサポーターらが陣取るべく”ビジター席”だと思っていた。だから早くチケットを買わないと…と焦ったのだけど…

そして観客席を見渡すと、“レッズ戦にしてはちょっとさみしいなぁ…..” 大宮のホームゲームなのに半分以上はレッズサポーター達だった。まぁ当たり前か….試合終盤に発表された観客数は33,660 人,でもこの数字も実際は水増しだったらしい…
好天の土曜日のデーゲーム、そしてアウェーとはいえレッズは6戦負け無しだったんだけど… しかしこの試合は大宮のホームゲーム。だけどさいたまスタジアムを大宮のホームとして使うのは今シーズンこのレッズ戦だけらしい。だからレッズにとってはホームゲームとは変わらない。どう考えても興業を優先させているとしか思えない。 ちょっと大宮の選手、監督ら現場の人達には……

     

2人が座ったのは上段の方。ここなら座ってゆっくり観戦出来ると思ったからだけど、試合前のスタメン発表からもう総立ち、とても座ってなどいられなかった。しかも周りは赤一色。私はそれを見越して出張時に購入した赤色のスペイン代表ワールドカップ優勝記念Tシャツを着て来たけど、白いTシャツの息子は後で“レッズのユニフォームを買ってたら良かったなぁ…” もう少し早く言えよ、チケットもユニフォームも…

レッズはポンテが出場停止。エスクデロが怪我。大宮も左SBの鈴木が出場停止だが戦力ダウンは浦和の方が大きいが総合的な戦力を考えればこのくらいのハンディがあった方が…と思ったけど、この試合はレッズに勝ってほしいんだったなぁ…

                 1GK 北野

      30 渡部    28 福田    14 坪内    25 村上

           6 青木             23 金澤

      11 藤本                        22 金久保

          16 李天秀             10 ラファエル

          16 エジミウソン          17 高崎

      24原口                        11 達也

           3 細貝              8 柏木

       5 サヌ      2 坪井     6山田暢     14 平川

                     1 GK 山岸

試合は開始からレッズが押し込む展開。特に両サイドの上がりが良いと思っていたら、4分には右の平川の突破からエジミウソンがシュートに持ち込むがDFに当たってエリア外にこぼれたところを繋いで達也が素晴らしいクロスが上げ、中のエジミウソンを通り越し左サイドにいた高崎が大宮ゴールに蹴り込みあっさりと先制ゴールが生まれた。 

        


2トップの右の高崎がよく左に回り込んでいたなぁ…と思った。そして素晴らしい右サイドからの展開だった。更にレッズは攻勢に出る8分には左SBサヌの突破から柏木がシュートに持ち込む。10分には達也が平川とのワンツーで抜け出しドリブル突破を見せる。久々にみた元気な達也に息子も満足そう。
一番のお気に入りの阿部が英国に去り今は達也がお気に入りかな….その達也が14分19秒に金久保に倒されるとサポーター達から“大宮 大宮クソッタレ !! “ の大コール。 息子は便乗しな方けど…でも”何でカード出ないんだよぉ..”とは言っていた。 

私のもう一つの注目は大宮の16番、李天秀。ワールドカップ2002年大会の英雄の1人。日本ではどうしても悪役のイメージが強いがまだ29歳の彼がどの様に再生していくか….かつてサンガでプレーした高宗秀の様になってしまうのか…
この日球場内で配られた埼玉新聞の特集記事にも柏木と並んで李天秀のアップ写真が使われていた事からもアルディージャも期待しているのがわかる。
6分に坪井をかわしてドリブルで中に切れ込んだ後に息子に彼の事を説明した。 2002年大会の時はまだ小学校1年生だった。安貞桓は憶えていたけど李天秀は憶えていなかったか…

しかし16分次のゴールを挙げたのもレッズだった。 柏木の見事なミドルシュートが大宮ゴールに突き刺さった。 これも右サイドの崩しからエジミウソンの渡り、DFに囲まれながらも後方の柏木に戻しそこから放たれたもの。大宮DF,ボランチ陣は浦和の両サイド攻撃に手を焼き左右に振られている様に見えた。この追加点で試合の面白味が薄れて来た…でもレッズの勝利に大きく前進したから良いか…と思った。

      


18分には達也のドリブルからスルーパスが細貝に渡りフリーで抜け出すがシュートに持ち込めない。阿部が去ったが細貝、柏木のボランチは健在。細貝は10月のアルゼンチン戦、韓国戦に代表メンバーに選出されたが柏木も近いうちに…と思った。北京五輪でも細貝はメンバー入りし柏木は漏れた。なんでこんな良い選手を…と思ったなぁ…

21分、ゴール前に迫った高崎が相手DFと交錯して肘が入ったのか顔を抑えて倒れて起き上れない。だけどプレーはそのまま続けられ大宮のカウンター攻撃から藤本が上げたナイスクロスを今度はGK山岸がナイスキャッチしようやくプレーが止まった。エジミウソンが主審に“何でプレーを止めない。”とばかりに激しく抗議するが、その間浦和サポーター達からは大ブーイングが続いた。そしてようやく高崎が立ち上がりゴール裏を通ってサイドに移る時はお返しにとばかりに目の前を通る高嶋に大ブーイングを浴びせる。 そしてそのブーイングに今度はレッズサポーター達からヤジが飛んだ。
大宮のDFは24分に坪内が達也を警告チャージで等ラフプレーが目立ちだした。
大宮は2トップのラファエル、李天秀にボールが入らない限りチャンスが作れない。この2人が何度もポジションを替えて良い位置をボールを受けようとするが2列目の藤本、金久保が対峙する相手に押し込まれ、ボランチの青木、金澤も守備に腐心し前に上がれないというよりなかなかボールを出せない。李天秀は何度かレッズDFを振り切りゴール前に持ち込むがフィニッシュに持ち込めない。だがゴール前に迫った時の山田暢とのマッチアップはなかなか見応えがあり、それを指さし息子に教える。こういう見方をするのだぞ…

こうなると大宮はCBの福田、ラファエルらの長身を生かすセットプレーが頼りとなる。35分にはFKを藤本が直接狙うがここは山岸がパンチでクリアー、41分には原口がラファエルを倒して得たFKを金久保が上げてCB福田が飛び込むが惜しくも外れる。

             


40分を過ぎたあたりから大宮がボールを繋ぐ時間が長くなる。
“ここで失点しない様にしないと。大宮は1点差で前半を終えると調子づくぞ…”
と息子に話した直後の45分、左サイドで得た村上のFKを藤本が少し触り右側に走り込みフリーになったラファエルがそのまま押し込んだ。サヌのマークが少し遅れた様だった。藤本が撃つと思ったのか…… そして前半が終わった。試合の展開はこれで面白くなってきたが、このまま大宮に勝点を挙げられては…と思った。

       
       


後半は立ち上がり細貝が立て続けにチャンスに絡む。47分には右サイドを達也とエジミウソンで崩し戻った李天秀がクリアーそしたこぼれ球を拾いシュートを放つ、49分には高嶋とワンツーで抜け出しフリーになるも最後のトラップがまずくシュートを撃てない。
しかしそれ以降は大宮が攻勢に出てくる。後半は一歩の出だしが早くなった。50分には波状攻撃を見せ金澤がミドルを放つが山岸がパンチでクリアー。52分にはスローインから李天秀がクロスを入れるが僅かにラファエルには合わない。
60分大宮ベンチは金久保を下げて石原を入れ、李天秀を2列目左に下げてラファエルと2トップを組ませる。李のボールキープを中盤で生かそうとする作戦か。だが70分過ぎからレッズの原口が目立つようになってきた。
試合開始時は右サイドの2列目であったが後半は左サイドに。息子に訊くと“達也とポジションチェンジをするんだよ…”と教えてくれた。 よく知っとるなぁ…いやよく見とるなぁ… 75分レッズベンチは高崎を下げて堀之内を入れる。すると2分後に大宮は李天秀を下げて市川を入れる。李天秀はまだ90分は動けないか…. レッズは原口、達也、エジミウソンがときおりドリブルシュートを見せるが前半の様にサイドからの展開が減った。
大宮も前半終了間際と後半に見せた勢いが陰りを。それだけ堀之内が効いているのか…両チームともドリブル突破が目立ちだしたか…83分にはボランチ金澤を下げて橋本入れるが。 89分原口が大歓声を受けてベンチに下がる。まだ1点差なんだけど…. 原口、怪我でプレー出来ていない山田、そして梅崎、更に鹿島の大迫達也。こう言った選手達が今後どんどん日本を引っ張って欲しいだけど……
91分40秒、CKのチャンスを掴んだ大宮は右サイドに流れたフリーのラファエルにボールを飛ぶが僅かにタイミングが合わずヘッドが捉えられない。 

     


そして4分あったロスタイムも終わり主審の試合終了のホイッスルが吹かれた…

よし、行こうかぁ…..後半は盛り上がりに欠けたなぁ… この試合で一番良かったンは誰や…. 柏木かなぁ… 久し振りに元気な達也を見たなぁ…原口も良かった…
このメンバーなかなか良いぞ。 来シーズンは優勝を狙えるかもな.. でも今年はまだACLのチャンスが残っているぞ…

そんな話をしながら秋晴れの中、自転車で帰った…

そして同時刻に西京極で始まった試合で…愛するサンガは広島に 0-3 で完敗した。 
いよいよJ2陥落の覚悟をした方が….

こうなりゃ浦和のACL出場権を楽しみにするか.....

でもまだ9試合残っているから… こう言ってくれたのは息子だった。