Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

All Whites の挑戦 Bahrain 0 New Zealand 0 10. Oct

2009-10-25 | 夏季五輪

GK Paston を含むDF陣の奮闘によってアウェーでの Bahrain 戦を 0-0 で引き分けた All Whites は11月14日ホーム Wellington で行われるリターンマッチで勝てば1982年スペイン大会以来のワールドカップ出場権を勝ち取れるところまで来たが、その可能性は非常に微妙なところである。

試合は従来の 4-4-1-1 ではなく、3-4-3のシステムを起用。 GK に Mark Paston。 3バックのDF陣はCBに Ryan Nelsen , 左に Ivan Vicelich, 右に Ben Sigmund を置き、攻撃能力に長けた Leo Bertos を右のサイドバック、Tony Lochhead を左サイド(守備的MF)に置く布陣。
一方の Bahrain は9月のサウジアラビア戦のスタメンから DF のAbdulla Fatadi に替って30歳のベテラン、1997年 FIFA U-17 のメンバーでもあった Mohamed Ahmed がこのワールドカップ予選初めて起用された。  

   

Ryan Nelsen が立ち上がり20分間が要注意時間と試合前に話していたが、開始15分にはナイジェリア人の Jaycee John が20分に最初の惜しい15mからのシュートを放つ。19分には Hussain Ali がペナルティーエリア内でスルーパスを受け Be Sigmund をかわして放ったシュートはわずかに外れる。
25分にはSayed Mohamed がCKに飛びこむが僅かに合わず、その直後に Husail Ali Ahmed に放たれたシュートはサイドネットを直撃する。
All Whites のFW 、目下のところ A-League 得点王の Shane Smeltz と Celtic 所属の Chris Killen が Ryan Nelsen が攻撃参加した時に上げられるクロスに飛びこむが Bahrain DF Sayed Mohammad Adnan と Hussain Baba の長身CBの前に思うようにボールが捕えられない。なれない40度近い温度と高い湿度が All Whites の運動量を次第に減らしていく中 Bahrain が次第に主導権を握りだし防戦一方に。 後半開始早々の46分にはMohammed Salmeen が頭でゴール前に落とした所をSalman Isa が拾って強烈なショットを放つが GK Paston がナイスセーブ。その1分後早いパス交換からDFラインを崩した Bahrain が最後はMohammed Hubail がシュートに持ち込むがクロスバーを越えた。

前半は何とか無失点で切り抜けたが後半はホームの Bahrainの総攻撃の前に防戦一方の All Whites 。それでも54分には Rory Fallon があわやのヘッドを放ち、その直後に後半から投入された Chris Wood とMicael McGlinchey の二人により左サイドを突破。そして右に回った Wood に再びボールが渡りフリーで放ったシュートは Bahrain ゴールネットを揺らしたがその前にオフサイドのフラッグが上がった。 
その後は Bahrain の総攻撃が続く。 Salman Isa Ali がオフサイドぎりぎりの位置でボールを受けGK Paston をかわして放ったシュートはゴールポストを直撃した。 
63分には Fouzi Aaish が左サイドを突破し Chris Killen をかわして放ったシュートはまたも Paston がセーブ。 30,000人のホームの歓声に後押しされた Bahrain は All Whites 陣内で試合を進める。 Ben Sigmund が Aaish を倒して絶好の位置でFKのチャンスを得るが最後は Adnan が絶好機を外してしまう。 75分には Salmeen が再びAll Whites DF陣を切り裂き Salman Isa Ali が最後は GK Paston までかわしてドリブルシュートを放つがそのショットはゴールポストを直撃。
結局両チーム無得点に終わった。 Bahrain の地元英字新聞 Bahrain Gulf Daily はこの試合を  “ Unlucky Again “ と宣言した。 

   

New Zealand: 1-Mark PASTON (GK), 4-Ben SIGMUND, 6-Ryan NELSEN (Captain), 5-Ivan VICELICH, 11-Leo BERTOS, 3-Tony LOCHHEAD, 8-Tim BROWN (12-Michael MCGLINCHEY 68), 7-Simon ELLIOTT, 9-Shane SMELTZ, 14-Rory FALLON (13-Chris WOOD 66), 10-Chris KILLEN.

Substitutes not used: 2-Aaron SCOTT, 15-David MULLIGAN, 16-Andrew BOYENS, 17-Andy BARRON, 18-James BANNATYNE (RGK).
Coach: Ricki Herbert Cautions: Mark Paston, Ryan Nelsen

Bahrain: 1-Mohamed Jaffar, 5-Mohamed Ahmed Hubail, 6-Jayece John, 7-Sayed Mahmood Jala, 9-Husail Ali Ahmed, 10-Mohamed Ahmed Salmeen, 12-Faouzi Mubarak Aaish, 14-Salman Isa Ali (13-Mahmood Abdulrahman Mohamed 79), 15-Abdulla Ismaeel Omar,16-Sayed Mohamed Adnan, 17-Husain Ali Mohamed

Substitutes not used: 2-Mohamed Husain Mohamed, 3-Ahmed Hassan Rashed, 4-Abdulla Baba Fatadi, 8-Aala Ahmed Hubail, 11-Ismaeel Abdullatif Ismaeel, 18-Abbas Ahmed Ali Coach: Milan Marcala.

40度近い高温多湿の中、ホームの大歓声を背に津波の様に押し寄せる Bahrain の攻撃を何とか無失点でしのいだ All Whites . よく考えれば Bahrain は Australia をホームに迎えた戦いではほぼ一方的に押しまくり終了間際の Bresciano のゴールで敗れた。
それだけに Herbert 監督が3バックそして Bertos, Lochhead を守備的MFに起用したのも理解できる。この試合で自信をつけたのは Glen Moss に代わってゴールを守った Mark Paston だろう。 だがFW陣はBahren のJaycee John らに比べると少し見劣りするか.....
しかしなんといっても All Whites のアドヴァンテージはホームゲームが行われる Wellingotn の気候。南半球の11月は夏に向かっているとはいえキックオフ予定時刻の午後8時はまだ冷え込むと思われ、降雨も予想される。
カタール入念な準備を施しながら雨の中の Brisbane でオーストラリアに完敗 ( 0-4 ) した様に天気が悪くなればなるほど All Whites が有利になるとみられている。

しかし、イラクは雨の中の同じく Brisbane の試合で敗れたとはいえ Socceroos を大いに苦しめた。 はたしてマチャラ監督率いるBahrain はどうだろう?
1ゴール先に挙げれば All Whites は2ゴール挙げねばならない。常にホームとなる All Whites が2点のリードを保ち続けねば地元のサポーター達は安心して観戦出来ない。 4年前トリニダードドバゴとの Play Off を経験した Bahrain が有利か、それともホームの All Whites が勝ち抜くだろうか.......

おそらく他の多くの日本人は欧州での Play Off の方に興味があるだろうなぁ.....

 


All Whites の挑戦 Play Off 1 st Leg に向けて

2009-10-25 | 夏季五輪
All Whites playoff squad named

9月29日 Ricki Herbert 監督は10月10日マナマで行われるバーレーンとの大陸間プレーオフ初戦に向けての19人のメンバーを発表した。メンバーの中には2005年に代表チームを引き継いぐ2005年以前からメンバー入りしてい13人の選手達が含まれている。 “これはまさに最大の正念場である。” Herbert は語った。 
“知っての通り我々はこの4年間ここに来るために頑張って来た。今この信じられないくらい重要なこの試合のメンバー入りで来た事がこの上なく嬉しい。”
こう語るのは Blackburn Rovers のレギュラー選手 Ryan Nelsen だ。Nelsen はバーレーン戦でも主将を務めるであろう。そしてメンバーは3-1 で勝利を収めた9月にアンマンで行われたヨルダン戦とほぼ同じスタメンになるであろうと予測される。ヨルダン戦で衝撃のデビューを飾った FW の Rory Fallon と攻撃的 MF の Michael McGlinchey は共に選出され怪我でヨルダン戦のメンバーから外れた Chris Killen と Chris Wood もメンバー入りを果たした。
懸念されるのはGK. Melbourne Victory 所属で本来レギュラーである Glen Moss が2008年 Fiji 戦での退場処分を受けこの大事な Play Off の2試合に出場できない。FIFA Confederations Cup のイラク戦ではファインセーブを連発し歴史的な“勝点1”をもたらした Moss の欠場を Wellington Phoenix の Mark Paston がどう埋められるか?そしてその控えとしてGKに Auckland City の守護神 James Bannatyne が 選ばれた。
“確かに長い間共に闘ってきた仲間を失いベストメンバーを組めない事は最大のフラストレーションであるが、反対にいえば他の選手にもチャンスが回って来てそしてそれが団結を生むだろう。全選手達と共に Dubai でトレーニングを行う事はマナマで好成績を残す為には重要な事だ。”
今年6月の FIFA Confederations Cup のメンバーからはGlenn Moss, Kris Bright, Chris James, Steven Old, Duncan Oughton, Jeremy Brockie そして Jeremy Christie ら7人の選手が外れ、Ryan Nelsen, McGlinchey, Fallon そして Spoonley ら4選手が加わった。
“バーレーンはおそらくサウジアラビア戦ではベストなフォワードを置いただろう。だから我々知るその情報は最新のものだ。それらを分析して選手達に伝えていく。 我々はRaul Blanco, Brian Turner そして私と共に様々な分析を行った。最初の試合こそ重要なものになると思う。”

   

Herbert 監督とWellington Phoenix に所属する代表メンバーは 10月2日金曜日に行われるA-League の Round 9 の Gold Coast United 戦を終えて Gold Coast の All Whites 選手 Shane Smeltz と共にキャンプ地のドバイに向かい、ニュージーランドに残る選手達は10月5日 Auckland を出発する。
欧州選手達らも直接ドバイ入りし10月9日にマナマ入りする予定だ。メンバーは下記の通り。

GK
James BANNATYNE (Team Wellington – 5/0) Mark PASTON (Wellington Phoenix – 21/0)
Jacob SPOONLEY (Auckland City – 1/0)

Defenders:
Andrew BOYENS (New York Red Bulls – 14/0) Tony LOCHHEAD (Wellington Phoenix – 19/0)
David MULLIGAN (Wellington Phoenix – 30/3) Ryan NELSEN (Captain, Blackburn Rovers – 39/9) Aaron SCOTT (Waitakere United – 5/0) Ben SIGMUND (Wellington Phoenix – 10/1)
Ivan VICELICH (Auckland City – 70/7)

Midfielders:
Andy BARRON (Team Wellington – 12/1) Leo BERTOS (Wellington Phoenix – 28/0) Tim BROWN (Wellington Phoenix – 25/0) Simon ELLIOTT (San Jose Earthquakes – 65/8)
Michael MCGLINCHEY (Central Coast Mariners – 1/0)

Forwards:
Rory FALLON (Plymouth Argyle – 1/1) Chris KILLEN (Celtic – 24/17) Shane SMELTZ (Gold Coast United – 29/17) Chris WOOD (West Bromwich Albion – 3/0)

Management:
Ricki Herbert (Coach), Brian Turner (Assistant Coach), Clint Gosling (Goalkeeper Coach), Raul Blanco (Technical Advisor), Phil Warbrick (Manager), Roland Jeffery (Physiotherapist), Wade Irvine (Massage Therapist), Celeste Geertsema (Doctor), Kenny McMillan (Sports Scientist),
Jamie Scott (Media Officer).

“選手全員が集うそして共に過ごす毎秒が priceless だ。そして日曜日の夜の試合に必要な環境への移行を共に過ごせる事が重要だ。” All Whites の Ricki Herbert 監督はこう話す。
Herbert 監督をはじめ、Shane Smeltz そして Bertos ら Wellingotn Phoenix の5人の選手達は10月4日にキャンプ地のドバイ入りをし、残りのアメリカ、UK でプレーする選手達は6日の火曜日にドバイ入りをすませ10日のバーレーン戦に臨む。気温はすぐに30度にも達するそれも午前中の練習中に。しかしHerbert や選手達はそれほど驚かない。
“我々は環太平洋地域の予選で類似したところでプレーをした。こんなに湿度が高いかわからないが。すぐに順応できて、ピッチ上でのトレーニングにより有意義な週となるだろう。”

All Whites に吉報が入って来た。重鎮の Ryan Nelsen が所属先の Blackburn Rovers が前の週, Arsenal を 6-2 と粉砕した試合に怪我で出場を見送ったが10月10日のバーレン戦ではフル出場できる見込みが出て来た。 これは All Whites の Medical Staff が確認したことで、アシスタントコーチの Brian Turner はこの事はチーム内に良い影響を与えるビッグニュースと捉えている。 “彼がピッチに搭乗できるか否かは測り知れない事だ。 もし出場出来ないとなるとボディーブローの様に効いてくる。 彼はこの上ないプロフェッショナルな選手で彼は自分自身を完璧にケアー出来て100% Bahrain 戦に合わせてこられる。これはこの上ないボーナスだ。”

Nelsen の出場により Herbert 監督はベストメンバーを組めることとなる。 
Turner コーチはチームはこの4年間 England, Holland ,Scotland そして 米国での経験を生かすメンバー構成となりこれは素晴らしい経験であると述べている。 そしてこの様な試合に向けて世界での経験が充分に生かされるとも話している。

  

All Whites の関係者はBahrain の分析をオーストラリアで開発されたGamebreaker と云うソフトを使って9月に行われたプレーオフ Bahrain 対 Saudi Arabia 戦の分析を行う。一方の Bahrain はスイスで開発された Dartfish と云うコンピューターソフトを用いて10日のプレーオフの対策を講じる。
この Gamebreaker と云うソフトはあらゆるスポーツの分析に用いられ、3年前当時の女子代表チームの Simon Eddy コーチによって導入され、さらに Tony Readings 現女子代表 Football Ferns アシスタントコーチによって活用されている。
“こちらの欲する状況を作りだせるなど非常に活用的だ。 自分の観たいところをマークしていつでも取り出す事が出来るなど非常に便利で使いやすい。90分間何度も巻き戻しをしなくても済む。”
このソフトの値段は約 NZ$4,000 ( 約26万円 ) しかし結果が出れば価値ある投資となるだろう。
New Zealand のブックメーカー TABはこのプレーオフ初戦、All Whites に7倍、バーレーンの勝利に 1.5倍のオッズを付けた。 引分けには 3.45 倍、ホームチームの 2-0 での勝利に6倍、アウェーチーム New Zealand の勝利に35倍の倍率を付けた。

Dartfish は釣りとは全く関係の無いもので Bahrain 監督の Milan Macala と彼のスタッフにとってはワールドカップ予選のプレーオフに向けての不可欠なツールである。 10月6日付のオッズによると Bahrain の勝利は 1.57倍、ニュージーランドは 5.5倍となっており現地の英字新聞 Gulf Weekly によると Bahrain 国民の70.12%がワールドカップ出場を信じているとの事である。
この Dartfish と云うソフトは138の種目の北京五輪のメダリスト達の間で活用されたという実績がありサッカーでは FK, GK そして選手間のコミュニケーションと云うピンポイントでその場面を引き出せるとの事である。 我々は常に2,3の Dartfish で解析したデータを毎試合前に活用している。しかし次の試合には6つのセッションを活用する事にした。“ と語るのは Bahrain のKhalid Taj テクニカルチームディレクター。 “前にトリニダードドバゴとのプレーオフを経験した事は大きい。選手達はプレーオフ初戦をホームで戦う事をワールドカップ初出場に向けて Golden Opportunity と考えられる。Bahrain チームは相手をよく分析し選手達に必要な情報を与えられている。”
こう語るのはスーパーバイザーの Abdulrazzaq Mohammed 。 10月6日、カタールでプレーするMohammed Hussain と Faouzi Aaish が戻りUAE でプレーするMohammed Salmeen そしてスイス、ベルギー更に他の中近東でプレーする達海外組7人が戻り地元でプレーする13人と合流した。