Mr.コンティのRising JAPAN

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Socceroos 23人エントリーメンバー決定 ガーナ戦にそしてイラク戦に向けて

2008-05-18 | 夏季五輪
異例の低温が続いた日本列島。シンガポール、マレーシアそしてタイの蒸し暑さが恋しく感じられなかなか日頃の業務に集中出来ない。でも時は確実に進みもうすぐ6月になろうとしている。今年の6月はスイス、オーストリアでは欧州選手権。そしてアジア各地域ではワールドカップ予選とサッカーファンにとっては異例の忙しさとなるだろう。 日本の梅雨を尻目に東洋と西洋を飛び回り現地からのレポートを……….
なんて夢は今年中学生に進級した息子の将来に託そう………..

ワールドカップアジア地区予選では最も厳しいと言われている Group 1は6月1日 Brisbane の Suncorp Stadium でSocceroos がイラクを迎える。F.F.A. はその“準備試合”として5月23日ガーナ代表との試合を Sydney Football Stadium で組んだ。
そのメンバー24人が5月13日に発表となった。

国外組 Daniel Allsopp (Melbourne Victory), Michael Beauchamp (Nuremburg Germany), Jacob Burns (Unirea Valahorum, Romania), Nick Carle (Bristol City, England), David Carney (Sheffield United, England), , Jason Culina (PSV Eindhoven, Netherlands) Adam Federici (Reading, England), Joel Griffiths (Avispa Fukuoka, Japan), Harry Kewell (Liverpool, England), Michael Petkovic (Sivasspor, Turkey), Mark Schwarzer (Middlesbrough, England), Matthew Spiranovic (Nuremburg, Germany), Mile Sterjovski (Derby County, England), James Troisi (Newcastle United, England), Carl Valeri (Grosseto, Italy),

A-League 組 Mark Bridge (Sydney FC), , Ante Covic (Newcastle Jets), Adam Griffiths (Newcastle Jets), Nikolai Topor-Stanley (Perth Glory), Rodrigo Vargas (Melbourne Victory)  James Holland (Newcastle Jets), Mile Jedinak (Central Coast Mariners)  Jade North (Newcastle Jets),.

Joel Griffiths 今度こそ.......

現在アビスパ福岡でプレーする昨年度の A-League 得点王そして年間最優秀選手賞を受賞した Joel Griffiths が選出された。2月6日のカタール戦 ( Melbourne ) では A-League でのパフォーマンスの余勢をかってスタメン出場か?とも思われたが代表合宿中に怪我。最終メンバーに選ばれなかった。何とかA-League の Grand Final に間に合ったのが幸いか? A-League 終了後はリトバルスキーに乞われて??アビスパに移ったが怪我などで出場試合数が8で3得点と充分な活躍は出来ていない様だ。3月26日昆明で行われた中国戦にもベンチ入りは果たせなかった。 今回の選出はArchie Thompson ( Melbourne Victory ) Bruce Djite ( Adelaide United ) の怪我によるところが大きいらしいが Pim Verbeek 監督は Griffiths のガーナ戦でのスタメン起用を示唆しているらしい。しかしそれには Griffiths の怪我の回復ぶりにも影響されると思うのだが…..

 

また5月16日から20日まで五輪代表の Olyroos がマレーシアでの大会に参加する為に今回はその遠征メンバーがここには入って。それも寄与したか??しかしその遠征メンバーに選ばれなかった五輪候補選手のAdam Federici、 Roddy Vargas そしてMatthew Spiranovic らもスタメン起用示唆をする発言も Verbeek からは聞かれる。しかしもっと危惧するべきはガーナ代表の遠征メンバー。日本にやってくるアフリカ代表はほぼレギュラークラスはやって来ない。コートダジュール(象牙海岸)の様に遠征そのものをキャンセルしてくる代表もあった。 Claude le Roy 監督は Sydney での試合の翌週にはワールドカップ予選があるのでこの試合をそのスパーリンクとして重要視しているとのコメントを残し、Stephen Appiah ( Fenerbache ) , Sulley Muntari ( Portsmas ) Asamoah Gyan ( Udinese ) , Junior Agogo ( Nottingham Forest ) そしてAnthony Annan ( Stabaek Norway ) の選出を示唆している。そしてこの試合の2日目にモスクワで開催される UEFA Champions League にChelsea のメンバーとして出場するであろう MF のMichael Essienも出場する予定だとか。

Kewell そして欧州組は….
Harry Kewellの Liverpool での選手生活は静かに終わろうとしている。 2003年 Leeds United から Liverpool に移籍が決まった時、同クラブ史上でも伝説の選手の一人とされているCraig Johnston はシーズン開幕前に “ Kenny Dalglish が1977年に入団した時以来の大切な契約”と比喩したとか。
Craig Johnston とオーストラリア人の両親の元に南アフリカで生まれ、サッカーの才能を伸ばす為に“母国”オーストラリアに帰りサッカーを続けているところを Middleborough のスカウの目に止まり渡英。その後に Liverpool に移籍し8シーズン在籍した経歴を持つ選手。 England でも Australia でも代表歴はないが 1981年東京国立競技場での TOYOTA Cup に出場。(相手は ZICO 率いる Flamengo ) 優勝を果たした1983-4年の Europe Champions Cup そして翌年度の同大会にも決勝に進出し(あのヘイゼルの悲劇となった Juventus 戦 ) 出場を果たしたキャリアーを誇る選手だ。 “同郷”と言う訳ではないがやはり Kewell には期待するところがあったのだろう。
Kewell はデビューイヤーこそ11ゴールを決めて以降のシーズンに更なる活躍が期待されたが Benitez 監督が就任した 2004-05 シーズンから怪我に悩まされ 2005年の UEFA Champions League 決勝戦 (あの伝説となっている AC Milan との死闘) では前半30分足らずで怪我の為に交替を余儀なくされるなど不本意なシーズンが続いた。それでも Benitez 監督は Kewell には期待を抱き続け 2006-07 シーズンの UEFA Champions League 決勝戦ではそのシーズンに怪我の為に46分しかプレーしていないKewell をベンチに入れ途中出場させている。 
またその年出場したAsian Cup では大したパファーマンスを披露出来ず Australia もベスト8で (日本に) 敗退。多くのサポーターを失望させた。今シーズンも怪我で出遅れ、まさかの敗退となった今年2月16日のFA Cup Barnsley 戦で以来出場が無い。現地紙によると“ Harry Kewell のLiverpool での5シーズンでの成績は出場試合数139。16得点。移籍金を含めると1試合の出場料は約£160,000 ( 約3,200万円)。最後の2シーズンは18試合にしか出場を果たしておらず、それも殆どが途中出場。それでも Benitez 監督は Kewell に来シーズンもチームに留まる事を説得したらしいが、 Kewell 自身(それとも代理人が)”減俸“が避けられないのではクラブに残れ無い”として移籍を決断する事に。 Fulham そして Juventus が Kewell に興味を示しているらしいが、あれだけ試合に出ていないのに所属チームは留意を示し、本人は減俸を受け入れられずその上獲得の意思を示す他球団があるとは….. 日本じゃ考えられないなぁ……… しかし Kewell の状態を今最も気にしているのは Socceroos の Verbeek 監督に違いない。

  


Kewell は3月26日の昆明での中国とのワールドカップ予選の試合も結局ベンチ入り出来なかった。そして6月1日のイラク戦。既に Tim Cahill, Patrick Kisnorbo, Scott Chipperfield そして Mark Viduka らが怪我等により招集出来ない事となっているだけに Kewell の合流は不可欠かも知れない。しかしこの期に及んでまだ Viduka を頼っていたのかな……….. 昨年の Asia Cup ではグループリーグで Australia は イラクに 1-3 で敗れている。その時の Kewell は気候と故障上がりのせいで全く動けていなかった。よくアーノルド監督が90分も使ったな……と思った。 Kewell, Griffiths 共にシーズンは異なるが Leeds United でプレーをした経験のある選手達だ。6月1日はこの二人が同時にピッチに立つだろうか??  

イラクもメンバーが組めない??……
状況はイラクも変わらない、と言うかより深刻かもしれない。 昨年7月に母国を Asian Champion に導いた英雄 Bassim Abbas (その時の登録名は Gatea Basem ) の出場がほぼ不可能。と言うよりも選手生命を脅かす深刻な怪我を所属先のカタール Umm-Salal の練習中に負ってしまったのだ。Abbas には来シーズントルコリーグの Fenerbahce への移籍がほぼ決まっていたとの事で本人もこの負傷が無念でたまらないであろう。また同じくDFの Jassim Ghalom も怪我の為に出場は出来ないらしく、 MF のSalih Sadir, FW Hawar Taher も怪我で出場が危ぶまれている。そして MF Karrar Muhamed が累積警告で出場出来ない。 Asia 王者のイラクであるがこのワールドカップ予選では前節カタールに敗れて1分1敗。最終予選進出の為にもこのオーストラリア戦は最低でも勝点1は必要だ。開幕戦のホーム(言っても開催地はカタールのドーハ)での中国戦を 1-1 で引き分けノルウェー人のGil Olsen 監督が更迭され現在は Adnan Hamad コーチが監督に昇格している。 Hamad 氏はアテネ五輪ではイラク五輪チームを率いてチームをベスト4に導いた。これはメキシコ五輪の日本以来の快挙だ。
だが今の国情が大きく影響し隣国ヨルダンの首都アンマンで始めた合宿には主将の Younis Mahmoud と Nashat Akram は所属先のカタールリーグ Al-Gharafa がEmir’s Cup 決勝戦となる Umm-Salal 戦を控えているので合流でき無いなど招集を掛けた23選手中15選手しか集まらなかった。イラク代表は5月17日にダマスカスに入りシリア代表と練習試合を行い5月25日にはバンコックでタイ代表とも試合を行い5月27日に現地入りする。オーストラリア戦直前に予定していたニュージーランド代表との調整試合は中止となる模様との事だ。

昨年6月13日、両国はタイの Rajamangala Stadium で対戦している。その時はイラクが 3-1 でオーストラリアを一蹴したがスタンドで観戦した私はオーストラリアの選手達の切れの悪さはもとより大挙してオーストラリアからやって来たサポーター達の“シンジラレナイ”と言った表情、それから試合が狂喜乱舞するイラクサポーターの様子が非常に印象的だった。

http://blog.goo.ne.jp/conty1ban/e/27fccbfc2ab4e2e27135352334476943

あれから約1年。6月1日の試合が最終予選進出を左右するかもしれない試合になりそうだ。この試合に Kewell が出場し1年前のリベンジを果たすのだろうか……… しかし他国、他のグループの心配をしている場合では無い。日本はオマーンを果たして破る事が出来るのだろうか……??