鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2098~たくさんのふしぎ35

2021-10-23 12:29:17 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎ35です。
人の挑戦や体験を描いた3冊をご紹介します。

①飛びたかった人たち
出版社の内容紹介を引用します。
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“飛ぶことがまだ夢だったころ”の飛行機の歴史。
“空とぶ機械”の実現をめざし、おそれず、くじけず、挑戦を続けた人たちが大勢登場します。
珍しい当時の絵や写真のほか、マンガも。
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著者は“飛ぶことがまだ夢だったころ”に“空とぶ機械”の実現を目指して挑戦を続けた人びとにロマンを感じており、その人びとの歴史がライト兄弟によってピリオドを打たれたと述べています。
いつか挑戦者たちの歴史について本を書きたいと願っていたので、本書で夢がかなったとも述べています。
本書には落下傘・熱気球・飛行船・グライダー・飛行機という全ての「空飛ぶ機械」への挑戦の記録が紹介されています。
完成品を知っている者からすると、そういう構造では飛べないよと助言してあげたくなります。
私なら、命がけの一発勝負をする前に、体重分の重りを乗せてテストをするのになあ。
無人の熱気球を遠くまで飛ばすことに成功し、追いかけて行ったところ、着陸した村で魔物が舞い降りてきたとしてバラバラに解体されていた、というエピソードは笑ってしまいました。
これからだって科学技術の発達により信じられないことができるようになることでしょう。
例えば光速を超える移動が可能になったり、意志を持つ機械が人類に取って代わることが起きるかもかもしれません。
予備知識なしでそれらを目撃したら、熱気球を解体した村人と同じように驚くことでしょう。
ちなみに著者はライト兄弟以降の歴史にはあまりロマンを感じないようですが、世の中には飛行機のめざましい技術革新にロマンを感じる人が多くいます。
「栄光への大飛行」(「パパの大飛行」)という絵本でドーバー海峡横断に初めて成功したブレリオさんのお話を読んだことがあります。
彼は1901年にフランスの空に浮かぶ飛行船を見たことをきっかけに飛行機作りへの挑戦を始めます。
飛行機の発明こそライト兄弟に先を越されますが、改良に改良を重ね、発明からわずか6年後にドーバー海峡を横断できる飛行機を完成させました。
何度も墜落してケガをしたブレリオさんは、本書に登場した挑戦者たちと同じニオイがします。

②アラスカで一番高い山 デナリに登る
出版社の内容紹介を引用します。
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「デナリ」は、標高6000mを超す北米大陸の最高峰です。
作者はあるとき、たったひとりでこの山へ向かいました。
テントや食料など、生きるために必要なものはすべて自分ではこびます。
途中、足もとに危険な氷の裂け目があったり、はげしい雪や風に見舞われることもありました。
ようやく辿り着いた山頂では、広大な大地を見わたせる壮観な景色がまっていました。
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デナリという山の名を知りませんでした。
以前はマッキンリーと呼ばれていたと紹介され納得。
冒険家・植村直己が下山中に消息を絶ったあの山のことだったのですね。
著者がデナリに初めて上ったのは20歳のときだったそうです。
若さに任せた登山で高山病になりながらもようやく頂上にたどり着き、撮影した絶景が本書に掲載されています。
本書は読者自身がデナリを登っている感覚で読めるように丁寧に進行しています。
まずは山麓に飛行機で降り立ち、安全な経路をたどります。
傾斜が緩やかなところは荷物をソリに積んで歩く方が楽だとか、テントは最小の家であるとか、水が少なくてカレーライスがドライカレーになっちゃったとか、とにかくとても分かりやすく身近に感じるように書いています。
そうこうしている内に頂上に到着です。
おかげで体力がない私でも登れそうな錯覚を覚えました。
ご興味のある方は紙上体験されることをお勧めします。
ちなみに著者・石川直樹さんの名は本屋さんでの立ち読みで知っていました。
レジ近くに置いてあった「ぼくの道具」という本で、彼が愛用する道具をその理由と共に紹介していてとても興味を持ちましたが、その時は購入に至りませんでした。
せっかく石川さんのガイドでデナリに登った気になっているのですから、「ぼくの道具」を読んで道具への理解を深め、周囲にウンチクを語って迷惑をかけようかな。

③ギョレメ村でじゅうたんを織る
出版社の内容紹介を引用します。
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本気で思えばきっと実現する……。
トルコのカッパドキアに行って絨毯を織った女性のすてきなお話。
写真と絵も楽しい本です。
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空を飛んだり、山に登ったりするのだけが冒険ではありません。
世界遺産の地に飛び込んで現地の人と一緒に絨毯を織るのだって立派な冒険です。
著者は学生時代に旅をしたギョレメ村を再訪します。
トルコ語を学んで行ったのになぜか全く通じません。
絨毯を織っている場所に案内されて写真を撮ろうとして拒絶されます。
到着早々なかなか思うようになりません。
でも案内人の男性がいなくなるやいなや、織子たちが集まりおしゃべりに花が咲き、記念写真を撮ってくれとせがみます。
拒絶はイスラムの教えによるものだったのです。
その後著者は村人と衣食住を共にし、お手伝いをすることで打ち解けていきます。
糸を洗い草木で染めて絨毯を織り、ついに仕上げました。
付録のあとがきで数年後に再訪し、家族のように迎えられる様子はとても微笑ましかったです。
女手一つで子どもたちを育てていた一家の暮らしは、長男夫婦と長女夫婦が立派に支えていました。
少し太ったお母さんが子どもや孫に囲まれた集合写真はカラーの大判で見たかったです。



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