今回のお気に入りは、「孤独なバッタが群れるとき」です。
年末年始はいろいろバタバタしていてブログ更新ができませんでした。
今年最初の更新はこれです。
若き昆虫学者の著書。
文章が抜群に面白いと評判でしたので読みました。
前野ウルド浩太郎著「孤独なバッタが群れるとき~サバクトビバッタの相変異と大発生~」
アマゾンの内容紹介を引用します。
=====
その者、群れると黒い悪魔と化し、破滅をもたらす。
愛する者の暴走を止めるため、一人の男がアフリカに旅立った。
=====
何これ、随分ふざけた内容紹介ですね。
まるでアニメとか映画のコピーのようです。
東海大学出版会が発行したフィールド生物学の本とはとても思えません。
ただし、このコピーはまんざらウソではありません。
著者はサバクトビバッタという大量発生しては大きな被害をもたらすバッタを研究しており、ついには現地調査に旅立ちました。
研究の目標はサバクトビバッタを害虫として滅ぼすのではなく、人類との共存の道をさがす=暴走を止めること。
「愛する者の暴走を止める」という内容紹介は実にうまく言い表しているといえます。
著者は人生につまづいてばかり。
そのたびに迂回してばかりだった。
せめて好きな昆虫の研究だけは逃げずに成し遂げたい!
そんな気持ちで踏み出した研究人生。
尊敬する先生と出会い、ひとつめの論文で世界に認められるという幸運。
やる気スイッチ全開になる要素たっぷりです。
こんな人でも研究者になれることを知ってほしい、と著者は書いており、発行した東海大学出版会の意図も同じではないかと思います。
本書は素人向けとはいえ研究者が実験をして謎を解決く経緯が詳しく紹介されています。
正直、余程興味がないと付いていけません。
本書向けに判りやすく作り直したというグラフも含め、さらっと読み飛ばしました。
1960年代から進んでいないというサバクトビバッタの研究。
大発生による農業被害を防ぐ方法はない、と結論付けられて止まった研究を、若き研究者はその熱意でどう打破するのか?
科学の力で自然をねじ伏せるという西洋的なバッタ対策は頓挫しましたが、習性や生態を活用して暴走を止め、両立を目指すという東洋的な対策が功を奏する日が来ることを祈っています。
最後に。
著者名のミドルネーム「ウルド」は現地語で「~の息子」という意味だそうです。
尊敬される人に贈られる名前のようです。
アフリカは衛生的にも政情的にも不安ですが、彼が現地の人々に愛されていることを知って少し安心しました。
年末年始はいろいろバタバタしていてブログ更新ができませんでした。
今年最初の更新はこれです。
若き昆虫学者の著書。
文章が抜群に面白いと評判でしたので読みました。
前野ウルド浩太郎著「孤独なバッタが群れるとき~サバクトビバッタの相変異と大発生~」
アマゾンの内容紹介を引用します。
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その者、群れると黒い悪魔と化し、破滅をもたらす。
愛する者の暴走を止めるため、一人の男がアフリカに旅立った。
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何これ、随分ふざけた内容紹介ですね。
まるでアニメとか映画のコピーのようです。
東海大学出版会が発行したフィールド生物学の本とはとても思えません。
ただし、このコピーはまんざらウソではありません。
著者はサバクトビバッタという大量発生しては大きな被害をもたらすバッタを研究しており、ついには現地調査に旅立ちました。
研究の目標はサバクトビバッタを害虫として滅ぼすのではなく、人類との共存の道をさがす=暴走を止めること。
「愛する者の暴走を止める」という内容紹介は実にうまく言い表しているといえます。
著者は人生につまづいてばかり。
そのたびに迂回してばかりだった。
せめて好きな昆虫の研究だけは逃げずに成し遂げたい!
そんな気持ちで踏み出した研究人生。
尊敬する先生と出会い、ひとつめの論文で世界に認められるという幸運。
やる気スイッチ全開になる要素たっぷりです。
こんな人でも研究者になれることを知ってほしい、と著者は書いており、発行した東海大学出版会の意図も同じではないかと思います。
本書は素人向けとはいえ研究者が実験をして謎を解決く経緯が詳しく紹介されています。
正直、余程興味がないと付いていけません。
本書向けに判りやすく作り直したというグラフも含め、さらっと読み飛ばしました。
1960年代から進んでいないというサバクトビバッタの研究。
大発生による農業被害を防ぐ方法はない、と結論付けられて止まった研究を、若き研究者はその熱意でどう打破するのか?
科学の力で自然をねじ伏せるという西洋的なバッタ対策は頓挫しましたが、習性や生態を活用して暴走を止め、両立を目指すという東洋的な対策が功を奏する日が来ることを祈っています。
最後に。
著者名のミドルネーム「ウルド」は現地語で「~の息子」という意味だそうです。
尊敬される人に贈られる名前のようです。
アフリカは衛生的にも政情的にも不安ですが、彼が現地の人々に愛されていることを知って少し安心しました。
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