お気に入りその1924～フアンホ・ガルニド

今回のお気に入りは、フアンホ・ガルニドです。

画集「スケッチトラベル」で知ったクリエーターの一人、フアンホ・ガルニドの作品を読みました。
「ブラックサッド」というマンガ・シリーズの第1巻です。

・1950年代のアメリカを舞台にしたハードボイルド調のサスペンスで、登場するのは擬人化された動物たち
・カスタマーレビューの「絵が上手く、線がキレイ」「イラストレーターにおススメ」という点に惹かれた
・スペインの出身ながら、フランスのディズニーでアニメーターをした後、代表作「ブラックサッド」シリーズもフランスで発行している
・国際的な漫画賞を何度も受賞している

彼のスケッチにディズニーやジブリの登場人物たちが通行人として描かれていたことから偶然興味を持っただけなのに、随分と大物に当たったようです。
でももしかしたら「スケッチトラベル」に声がかかった71人全員が彼クラスの実力者なのかもしれません。

「ブラックサッド」が届いたときに驚いたのは、Ａ４判の薄い冊子だったことです。
日本のマンガコミックのサイズを想像していたので意外でした。
何種類ものサイズを用意するより合理的、ということでしょうか？
フルカラーというのも驚き。
当然価格も1冊1600円に跳ね上がり、気軽に買える日本のマンガ・コミックとは一線を画します。
モノクロにしてコストを下げるよりも、多少高くてもフルカラーにして美しく仕上げる方をフランス人は好むのでしょうか？

さて余計な話はこれくらいにして肝心の中身について。

確かに絵は丁寧で細かいところまで描き込んでいます。
動きの表現もお見事。
さすがにディズニーでアニメーターをしていただけに、技術レベルが高いです。
漫画家やイラストレーターを目指す方は参考になるかもしれません。

ストーリー展開はハードボイルド一直線で、一気に駆け抜けた印象です。
意外な展開をひとつふたつ折り込むと物語が膨らんだのに、と少々残念でした。
フキダシの着色が濃いのと、字が小さいためセリフが読みづらいことには閉口しました。
大人向けマンガですが、初老向けマンガではないようです。
そのためこの作品の続巻を読むのは止めにしました。