鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2134~伊藤熊太郎②

2022-09-13 12:20:35 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、伊藤熊太郎②です。

「開運!なんでも鑑定団」9月6日放送の予告CMでたくさんの博物画が鑑定されることを知り、楽しみにしていました。
科学と芸術が融合した博物画が好きでこれまでもいろいろな図録を鑑賞してきました。
鑑定団では過去に「新発見の貴重な資料」と鑑定されたものがいくつも登場しました。
今回もそれを期待して食い入るように観ました。

その日最後の鑑定品として、昭和初期の博物画100枚が登場しました。
伊藤熊太郎という画家が日本水産動植物図集の原画として描いたものです。
魚、クジラ、アザラシ、ウニ、クラゲ、海藻など805種の生き物が描かれています。
その図集は大日本水産会が上巻を1931年に、下巻を1932年に発行しました。
原画は大日本水産会が戦災等で引っ越しをしたにもかかわらず大切に保管されてきました。
原画には「大切なものと思われるので100万円の保険をかけた」という30数年前のメモが添えられていました。
本人の鑑定予想額は保険料と同じ100万円。
さて鑑定やいかに?
CM後、何と2500万円の高値が付けられ会場騒然。

という風に番組は終わりました。
番組の中で「伊藤熊太郎」「日本水産動植物図集」「1931年発行」という説明がなされると、これは知っているぞ、という考えが漠然と浮かびました。
さらに「アメリカのアルバドロス号の博物探検航海に参加した経験がある絵師であり、多数の図版がスミソニアン博物館に残されている」ことや原画にキラ刷りが施してあることが紹介されると確信に変わりました。
そうです。
この図集は手元にあり、すでにたっぷり鑑賞済みなのです。
あまりに大き過ぎるため本棚に収まらず、今はダンボール箱に保管しています。
あの図集の原画だったんだ、と妙に懐かしい気持ちになりましたし、あれだけの見事な博物画だから高値鑑定は妥当と納得しました。
図集を初めて鑑賞したときに書いたブログは2017年5月12日の日付でした。
その記述内容と、TVerで観直した番組内容を照らし合わせて、間違いがないことを確認しました。
久しぶりに図集を箱から出して鑑賞することにしましょう。

ただひとつ残念だったのは今回の原画が新発見でなかったことです。
もし新発見だったら新たな図集として刊行される期待もあったので、その可能性がなくなり実に残念でした。
考えてみると、そう簡単に新発見の資料なんて出て来る訳がないですよね。


コメント
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