鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2132~一日一種さんの2冊

2022-09-07 12:54:34 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、一日一種さんの2冊です。

以前読んだ一日一種さんの「今日からはじめるばーどらいふ!」がとても面白かったので他の著作も読んでみることにしました。

①「道ばたの小さな草花図鑑」

通勤通学の道端にはたくさんの草花が生えていますが、私たちはつい見逃しています。
アスファルトや縁石の隙間、電柱の付け根などに目をやると、小さいけれどかわいい花がたくさん。
それらの名を知ることで、味気なかった道端が興味深い景色に早変わりします。
というようなことが書かれた導入部にナルホドと感心させられました。

植物の絵は、太めのペンでさらさらと描き、色をのせた実にシンプルなもの。
図鑑とは一線を画する素朴な絵は、道端の植物の特徴をよく捉えており、写真よりも判別しやすいです。
1~2ページで1種類の植物を紹介しています。
近縁種をいくつか紹介するとともに見分け方も書いてあり、初心者にとっては大助かり。
時には名前の由来や特徴的な構造などを知ることもできます。

たくさん紹介されているので、見たことがあるものも次々登場します。
驚いたことにそれらはかなりの割合で外来種なのです。
著者によると、都市部は人通りが多いのでその分外来種が入ってくる機会が多いのだそう。
またまたナルホドです。

本書では100種類ほどの植物が紹介されているそうですが、一番印象的だったのはコニシキソウです。
ここ数年わが家が面する道路の縁石にはびこるようになりました。
何本もの細い茎が平たく広がります。
茎は細いのに硬く根も頑丈なので引っ張ってもなかなか抜けず、雑草退治が得意なネジリ鎌でも除去できません。
覚悟を決めて茎の束を指数本に巻いてねじるようにしてようやく引き抜いています。
本書によると花は0.6~1.0mmで、種は蟻が運んで広がる、北米からの外来種とのこと。
早速1本抜いて調べました。
葉の中央に紫の斑点があるので間違いなさそうです。
先端に花のようなものが付いていますが、小さすぎてルーペがないと花なのか種なのかが判りません。
こんなに小さくても異国の地で頑張って生きているのだと思うと、以前ほど憎くは思わなくなりました。
ただ引き抜きづらさは変わりません。
誰か退治方法を教えて!

②「ざんこく探偵の生きもの事件簿」

リスの探偵とクマの助手による自然界の残酷事件簿です。
一見残酷に見える出来事の裏にある真実を知ることができます。

・ハサミムシのメスは卵を守り、子どもたちが孵化するとわが身を食べさせるそう。
 子どもたちを飢えさせないための親心です。
・ヒキガエルのメスはたくさんのオスに抱き着かれ窒息死することがあるそう。
 繁殖行動として本末転倒です。
 北海道には国内外来種としてアズマヒキガエルがいるそうですが、見たことがありません。
 皮膚から毒を出すので、もし見かけても気軽に触れないようにしたいと思います。
・カブトムシやクワガタが中身が空っぽのバラバラ状態で見つかるのは
 コノハズクの仕業で、中身だけを上手に食べるそうです。
・モリアオガエルは池にせり出した枝先に泡の塊を作りそこに産卵するのは有名。
 孵化したオタマジャクシは雨を待って池に落ちますが、下ではイモリの群れが
 口を開けて待っていそうです。

自然界は厳しいものです。
でも一見残酷に見える出来事には裏があり、子どもたちを飢えさせないためだったり、他の生き物たちの栄養になったりすることが完結明瞭に紹介されています。

9月に入り北海道ではサケの遡上が始まりました。
知床のヒグマはサケを獲ってもお腹しか食べないそうです。
おかげで残りはキツネやワシに回り、おこぼれを昆虫や微生物が片付け、最後は植物の栄養になります。
遠いベーリング海の栄養をサケが持ち帰り、知床の生き物たちを育てているのです。
知床の豊かな自然から湧き出た栄養分は川を通して、豊かな海を育てます。
まさに地球規模の食物サイクルです。
自然にはまったく無駄がありません。





コメント
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