鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1915~ポケトークS②

2020-04-13 12:08:06 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ポケトークS②です。

ポケトークSのカメラ機能で、洋書「Beatrix Potter's ART」を読みました。
今回はその感想を書きます。

ポケトークの操作は、最初多少手間取りましたが、慣れると割とスムーズになりました。
翻訳するページに重しを置いてできるだけ平らにして、ポケトークをかざし、ピントが合うのを待ってシャッターを押します。
焦点が合うまでに多少時間がかかるのは、手振れのせいかもしれませんが、ハード的に改良すべき点だと思います。
ライトをオンにして撮影するときは、明るすぎて一部の文字が光って判読不能になりますが、その場合少し斜めから撮影すると良いようです。
あとは翻訳ボタンを押すだけ。
絵に添えられた短い解説文から、1ページ丸ごとの長文まで翻訳してくれます。

ここからは翻訳についての感想を短文と長文に分けて書きます。

〇短文翻訳

ビアトリクス・ポターの画集にはたくさんの生き物が描かれています。
絵の解説文の翻訳は瞬時です。
絵のモデルになった生き物の名称、絵を描いた時期とその技法、あとは絵の短い解説だけが書かれています。
絵の技法と解説は読みやすく訳してくれます。
ただし生き物の名称は、ほとんどの場合うまく訳せませんでした。
イギリスでおなじみの生き物ばかりだったせいかもしれません。
日本でもおなじみのモンシロチョウは翻訳できました。
外国でおなじみの生き物の名称を日本名に訳するというのはまだポケトークは苦手のようです。
ポケトークを使うのは図鑑類を読むときがほとんどなので、今後、翻訳辞書が充実していくことを期待します。

〇長文翻訳

まえがきなどの長文は翻訳に多少時間がかかる上、意味不明な訳文があちこちに出てきます。

(意味不明になる理由その1)
1ページずつの翻訳なので、ページをまたぐ文章の翻訳はいかにAIでも不可能。
ただし2ページを続けて翻訳する機能があれば、ページをまたぐ文章の翻訳が可能になります。
これもメーカーさんに改良を期待したいです。

(意味不明になる理由その2)
ビアトリクス・ポターの生まれ育ちに関する部分は、お父さんが弁護士というところから始まり、かなりうまく訳していました。
ところがポターが成長するに従い、どのようなことがあって、どのような絵を描くようになったか、という変遷を記述した辺りは、書いてあることの半分も理解できなかったように思います。
なぜ油絵をほとんど描かなかったのか?
ジャポニスムやアールヌーボーにどのような影響を受けたのか?
そこの書いてあるはずなのに理解できず、とても残念でした。
AIは芸術的概念をうまく訳せないのかもしれません。
今後の翻訳精度向上に期待します。

〇全体的に

カメラ翻訳だけを使いたくてポケトークを購入した者としてのストレートな感想は「なるほど、これは値がある!」というものです。
何年も前に博物画や絵画だけを鑑賞する目的で購入した洋書が、ここにきて読めるようになったことに感激しています。
長文の翻訳精度はまだ納得できる域に達していませんが、これまで読むことすらあきらめていた洋書の文章部分が何となくでも理解できるようになったのですから値倍増です。
外国語は苦手だけど、洋書を持っている、という皆さんにポケトークをおすすめします。

〇最後に
今は別の洋書「Larousse Animal Portraits」という博物画集を読んでいます。
パリの自然史博物館に所蔵されている、18世紀から20世紀に一流画家たちによって描かれた博物画集です。
初めて読んだ「まえがき」によると、自然史博物館の所蔵品は、ルイ14世の弟が蒐集した膨大なコレクションが元になっているとのこと。
なるほど、世界中の珍しい生き物がこんなにたくさん見事な筆致で描かれている、その成立理由が分かりました。
王族でなくてはなかなかできることではありません。
解説文や生き物の名称などもそこそこ読めるので、博物画を鑑賞する助けとなっています。
ポケトークを思い切って購入したことで、こういう楽しみが増えました。
今後は、メーカーさんに翻訳精度の向上、辞書の充実などを期待します。






コメント
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