鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1910~花図譜

2020-04-01 12:16:55 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、花図譜です。

「ウィリアム・カーティス 花図譜 ~[カーティス・ボタニカル・マガジン]ベストセレクション」

AMAZONの内容紹介を引用します。
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園芸に大きな影響を与えたことで有名であり、また長い歴史と図版が正確な点が高い評価を得ている『ボタニカル・マガジン』誌。
この雑誌に掲載された美しい図版から550枚以上が選ばれまとめられた1冊である。
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続いてAMAZON CUSTOMERさんのカスタマーレビューを引用します。
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ボタニカル・アートの歴史を1787年から連綿として守リ続け、いまなおボタニカル・マガジンとしてKEWより出版されつづけている本書の初期の図譜を沢山、目にできる唯一の本です。
ボタニカル・アートをしている人には、必読の書です。
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以前ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターの画集の写実的かつ美しいことに魅了されました。
そして彼女が不採用になったという逸話から王立キュー植物園の存在を知りました。
さらに王立キュー植物園こそボタニカル・アートの原点であることを知り、そこに保管されているであろう膨大な植物画コレクションを鑑賞したいと思うようになりました。
手仕事の美しい博物図版をこれまでいろいろ鑑賞してきた中で、植物画の原点は本書にあるらしいことは、上記の内容紹介とカスタマーレビューから想像がつきました。

本書は四半世紀前に15,000円という豪華版で発行したけれど、3,000円以下で売られていました。
タテヨコがB4判サイズほどもあり、厚みもあります。
読み終えた後、本棚に納めるため、収蔵本の何冊かに古書店へ行ってもらいました。
サイズを確認せずに購入するいつもの癖には困ると思いつつも、博物図版は大きいに限るとニコニコしながらページをめくりました。
当初の図版は画家が銅版画を手彩色で仕上げ、後には多色石版になったそう。
科学的に正確でかつ美術的に美しいという実に贅沢な両立がここに実現しています。
大英帝国だからこそ成立した贅沢でしょう。

美しい図版と興味深い解説。
とても何日かで読み終えるものではありません。
とりあえず目を引く図版や知っている植物名をピックアップして読んでいます。
最後に、一番興味深かった植物をご紹介します。

<バオバブ>
・とても太くなる木だが、英国の温室ではそこまで太くならなかった
・幹の表面は柔らかく、蜂が幹に穴をあけて蜜を貯める
・幹にカビが生えると脆くなり、内部に空洞ができる
・現地人はその空洞に墓に入れられない人を吊るす。腐らずミイラになるそう
・葉は余分に汗をかかないための薬になる
・実はサルのパンといわれるが、人が食べることもある
などなどバオバブを科学的に紹介するというよりも、興味を持ってもらうためのウンチクがたっぷり。
なお図版には枝先と花、実しか描かれておらず、あの特徴的な樹形は解説文でサラリと紹介しているだけというのも面白い。


コメント
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