鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1057~狐笛のかなた

2015-05-18 12:32:09 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「狐笛のかなた」です。

先日読んだ「獣の奏者」シリーズも面白かったので、上橋菜穂子の作品をもうひとつ読みました。
「狐笛のかなた」です。
もともとサラサラ読めるのに一冊で完結しているので、あっという間に読み終えてしまいました。
短い分、軽めでしたがやっぱり面白かったです。

どんどん厳しい状況に追い込まれていく主人公たちが、ラストで種を越えて結ばれることでホッと胸をなでおろしました。
日本むかし話にありそうなラストですね。
海外から来た異能者という設定以外は、農村や里山の風景描写を含め、懐かしい日本を表現していて心が和みました。
本を読みなれていないお子さんが上橋菜穂子作品に入門するなら、本書から入ると良いのではないかという作品でした。

本書の発行年をみると「守り人」シリーズを書いている最中に書かれています。
そしてその後、「獣の奏者」シリーズを書いています。

本書のあらすじは次の通り。

異能者の母と娘。
母の非業の死。
娘の成長。
決して人と添わないはずの獣との愛情。
国の権力者が異能者を用いるため、主人公の運命は大きく変わる。

このあらすじは「獣の奏者」と実に良く似ています。
「獣の奏者」の原点になったといっても過言ではないでしょう。
違いといえば本書が日本にこだわって書いたのに対して、「獣の奏者」はそうでなかったということ。
「獣の奏者」シリーズが世界中で読まれている理由はこれでしょう。

さて、今回も面白かった上橋菜穂子作品。
いずれまた読みたいものです。





コメント
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