元・副会長のCinema Days

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「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」

2015-06-26 06:25:08 | 映画の感想(ら行)
 (原題:Romancing the Stone )84年作品。実に面白い冒険活劇だ。奇しくもスピルバーグの「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」と同じ年に公開されているが、こちらの方が大人の鑑賞に耐えうる出来であり、観て得した気分になる。ロバート・ゼメキス監督作としても、このあとに撮った「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの助走になるような勢いのあるシャシンだと言える。

 ニューヨークに住む恋愛小説作家のジョーンが出版社から帰宅すると、部屋中がめちゃくちゃに荒らされていた。どうやら、賊は何かを探していたらしい。やがて、南米コロンビアにいる姉イレインから電話がかかってくる。彼女はギャングに誘拐されていて、数日前に夫が出したジョーン宛の手紙に同封されていた宝の地図を持って来てくれないと、命が危ないという。



 コロンビアに赴いたジョーンだが、さっそく地図を狙う悪徳軍人たちが襲ってくる。危機一髪の場面で彼女を救ったのは、流れ者のトラックの運転手ジャックだった。2人は悪者より先に秘宝を手に入れるべく、ジャングルの中を探し回る。

 ジョーンはロマンス小説の作家ではあるが、実は恋愛には疎い。自分の書いた予定調和のストーリーを読みながら泣き出してしまう始末だ(笑)。そんな彼女が南米の奥地で、しかも自分の小説には絶対に出てこないであろうガサツで汗臭い野郎と行動を共にするハメになる。ジャックの方も、ヘンに気位の高い自意識過剰の都会の女には手を焼くばかり。

 そんな2人がケンカをしながら次第に互いを憎からず思うようになってくる様子は、典型的な(大人の)ボーイ・ミーツ・ガールもの、いわばスクリューボール・コメディだ。このあたりがRPGの拡大版みたいな「インディ・ジョーンズ」とは違う。

 ゼメキスの演出は達者で、展開に淀みがない。ギャグもツボに入り、飽きずに楽しませてくれる。主役のキャスリーン・ターナーとマイケル・ダグラスは絶好調。コメディ・リリーフを務めるダニー・デヴィートもイイ味を出している。アクションに次ぐアクションの末に、舞台がニューヨークに戻ってからの鮮やかな幕切れまで、鑑賞後の満腹感は実に高い。ただ惜しむらくは、続編の「ナイルの宝石」(85年)が凡作だったこと。ゼメキスが続投していれば息の長いシリーズになったのかもしれないが、製作サイドの事情は如何ともし難いようである。

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