元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「宇宙戦争」

2005-12-25 08:32:50 | 映画の感想(あ行)
 (原題:War of the Worlds)この映画でのトムくんのギャラは莫大なものであるらしいが、その9割をダコタ・ファニングに譲った方がよい。本作の主役は彼女である。あの精神錯乱一歩手前みたいな表情で絶叫しまくる様子は、それだけで入場料のモトを取れる・・・・というか、それすらなかったら完全に“カネ返せ!”と言いたくなるような出来だ。

 ヘンに“親子の情”に物語を振ろうとしても、スピルバーグには無理な相談。トムくん一家がひたすら逃げまくるシーンばっかりで、展開に山も谷もない。地下室のシーンは「ジュラシック・パーク」の二番煎じで、宇宙人のデザインなんか論外だ。


 だいたい、百万年も前にメカを多数地中に隠していたというのに、今まで誰も気づかなかったという設定が噴飯もの。ラストの“オチ”にしたって、百万年も前に地球に関わっていながら、そのことを知らないなんてデタラメの極みではないか。

 明らかに、53年の最初の映画化版には負ける。そしてH・G・ウェルズの原作にはもっと負ける。原典通りに舞台を19世紀のイギリスにして時代考証をしっかりやった方が大作感は出たはずだが、製作者はそこまで考えが及ばなかったか。SFXはさすがによく出来ているが、それだけで作品自体のアドバンテージにならないのは当然である。

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