元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」

2014-12-15 06:36:50 | 映画の感想(あ行)

 (原題:The Expendables 3 )何と、前作よりも面白いではないか(笑)。元より、内容は差し置いて顔ぶれを楽しむための映画ではあるが、最後まで退屈しないシャシンに仕上げているのはアッパレだ。ポップコーンとコーラをお伴に盛り上がるにはもってこいの作品である。

 隊長バーニー率いる傭兵集団“エクスペンダブルズ”は、アフリカ某国にて囚人護送列車から古くからのメンバーであるドクを派手な立ち回りの末に救い出す。その足でソマリアに向かい武器商人どもを壊滅させるはずが、そこに昔死んだはずの仇敵ストーンバンクスが現れる。思わぬ反撃に遭った上に負傷者まで出し、さすがの彼らも退却するしかなかった。

 その後、依頼主であるCIA幹部のマックスから正式にストーンバンクスの生け捕りを要請されるが、バーニーはこの機会に古参の面々を“卒業”させ、若手メンバーに入れ替えることにした。しかし、今回の敵は若造達に手の負える相手ではなかったのだ。

 新顔を多数配したことによりレギュラーメンバーの活躍の場面が減ったのはマイナスと思われがちだが、作劇がタイトになって見せ場が多様化したことは大きなメリットである。若手メンバーによるストーンバンクス捕獲作戦は、これまでの“脳みそが筋肉”みたいな面子では考えられないほど理詰めに展開する。まあ、ストーリー上ではそれが成功するほど甘くはないのだが、新味を出したこと自体は評価したい。またストーンバンクスは昔バーニーの仲間であり、見解の違いにより敵対することになったのだが、その微妙な屈託が反映されているあたりも悪くない。

 内輪ウケを狙ったキャスティングも絶好調。ドクを演じるのがウェズリー・スナイプスで、本来ならば第一作から参加予定のはずが“ある理由”から見送られ、本作で満を持してのエントリーとなる。しかも、登場の仕方は明らかにそのことをネタにしており、思わず笑ってしまった。

 ストーンバンクス役はメル・ギブソンで、もちろん昨今の悪行三昧で完全に干されていた彼の境遇の楽屋落ちを暗示させている。そんなメルギブ先生にも仕事を与えてくれたバーニー役のシルヴェスター・スタローンの心の広さにも感心してしまうのだ。始終減らず口を叩く元スペイン外人部隊の傭兵アルゴに扮したアントニオ・バンデラスも“見た目は良いが中身はチャラい”という、彼の魅力(?)のひとつをアピールさせている。

 あとアーノルド・シュワルツェネッガーやジェト・リー、ジェイソン・ステイサム、ドルフ・ラングレン、ハリソン・フォード等の大御所からケラン・ラッツやロンダ・ラウジー等の新入りに至るまで、思う存分に活劇をやらせているのは言うまでもない。アクション・シーンはテンコ盛り。パトリック・ヒューズの演出も及第点に達しており、今後のシリーズ継続に期待を持たせる出来だ。
コメント
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