元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「シティヒート」

2013-11-01 06:34:48 | 映画の感想(さ行)
 (原題:City Heat )84年作品。主演の一人であるバート・レイノルズが、めでたく第5回ゴールデンラズベリー賞の最低男優賞に輝いた一本だ(笑)。

 とはいえ、もう一人の主役はクリント・イーストウッドであり、共演にジェーン・アレクサンダーやマデリーン・カーン、リップ・トーンと芸達者を揃え、贅沢なセットも使った話題作であり、ヒットして当たり前の作品だった。ところがフタを開けてみると大コケ。まあ、中身を見ればそれも当然なのだが(爆)。



 1930年代のカンサスシティ。市警の腕利き捜査官であるスピアと、女の尻を追いかけてばかりの私立探偵のマーフィーは警察時代の同期だ。しかし互いの価値観を認めずに、いさかいばかり起こしている。そんな中、マーフィーの友人がマフィアのボスの隠し帳簿を手に入れたことから、ギャング同士の抗争が勃発。スピアとマーフィーは嫌々ながらも手を組んで、事態の収拾を図ろうとする。

 とにかく、リチャード・ベンジャミンの演出がユルユルで締まりが無い。展開が冗長で、かつ行き当たりばったり。1時間40分ほどの映画ながら、えらく長く感じられる。かと思えば、楽屋落ちみたいな笑えないギャグを散りばめてウケを狙おうという浅ましさも見受けられる。少なくとも、後年のイーストウッドだったら絶対に出演を承諾しないような企画だ。

 なお、脇役にアイリーン・キャラが出ている。80年代前半に一世を風靡したシンガーだったが、レコード会社との訴訟騒ぎの後、表舞台に出られなくなってしまった。実に惜しいことをしたものだ。
コメント
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