こちらも昨日の日経新聞朝刊4面の記事
保育士不足の昨今、政府の規制改革会議が合格者アップのため、年1回の保育士試験を年2回に増やすよう厚生労働省に求めていたのだが、厚労省は「NO」との回答で拒否したそうだ。
厚労省は、理由として「試験を年2回に増やすと、直後は受験者数、合格者数ともに増えるが、4~5年後は年1回の場合と同数になる。一方、試験会場費用を賄うため受験料は現在より8千円程度高くなるとする。数年で効果は消えるから試験を増やす必要はない」との回答だそうな・・・
ネットで調べると、現在の
保育士の受験料は12,700円(手引き代200円別)らしい。ということは・・・20,000円ぐらいになるということか?
でも、なんだか、このロジックっておかしくないか。そもそも、現状の受験料と会場費用が均衡しているのであれば、年2回にしても、受験者の受験料で賄えるはずである。年2回にすると、学生の卒業シーズンと乖離する試験の受験者が少なくなって、会場がガラガラでコストがかかるというのなら、試験会場を絞り込んで会場を満員にすればよい。例えば、機構の試験も、人数が少ない6月の試験は「札幌」「岡山」「福岡」の会場は選択できず、「東京」「大阪」のみとなっている。そういう流動的な対応ができれば問題ないだろう。
あるいは、「厚労省のスタッフの人件費」というのであれば、それこそ、数年で必要なくなると自分で言っているではないか?喫緊の課題として、保育士が少ないという現状があるのであれば、それを解決するため、当然アクションをとることとなる。そのアクションをとることがコストアップでNGというのなら、行政は何もできないし、何もしなくていいということとなる。
何故、頭のいい人が大量に集結しているのに、スピーディに、解決策を実行できないのだろう。しかも、言い訳ばかりして、せっかく規制改革会議がいい提案をしているのに・・・
資格、特に仕事と直結するものは、受験回数を絞り込むこと自体、国民の権利ともいえる「職業選択の自由」を脅かすこととなる。本来なら、毎日でも試験は開催されるべきだし、そもそも、受験料云々というのなら、科目合格しており1科目しか受験しない人も、全科目受験する人も、実技試験を受けない人も、何でもかんでも12,700円(手引き代200円は別!)というのは、受験者間の受験料が受益した分だけでない不公平といえる。そういう点は目をつぶって、年2回は受験料アップって言うのは、結局、効率的な運営ができていないだけといえないか?
なんだか、昨日は資格関連の記事が重なったな・・・