Weblog喫茶 モンブラン

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しゅんけい博士、ダイヤモンドを作る!

2007-04-09 23:57:08 | しゅんけいツインズ

モンブランへご来店の皆様、こんばんは。
子供たちの「理科離れ」が問題になって久しいですね。

実はヴィシア家は、両親とも理系の出身(生物学ですが)。
しゅんけいにも、できれば科学の面白さを知っておいてほしいところです。
なので、科学館やカルチャーセンターなどの、ちょっとした子供向けの科学体験コーナーには、わりとまめに参加させてきました。

お台場に「日本科学未来館」(HPはこちら)という施設があり、館長は宇宙飛行士の毛利衛さんです。
私はまだ行ったことがないのですが、いろいろな面白い展示のほかに、実験工房コーナーもあり、予約制でいろいろな実験をやらせてくれます。

この土曜日に、ぱぴりおがしゅんけいを連れて、この実験工房・化学コースに参加してきました。
実験テーマは「ダイヤモンドを作ろう」!

人造ダイヤモンドを作るには、以前は高温高圧下で合成する方法だけでした。
この方法だと、高圧を作り出す専用の装置が必要で、人造ダイヤの製造コストがかかり、大きいダイヤも作れるのですが、触媒として使用した窒素などが不純物として混じるせいで、黄色い色になってしまいます。

トップ画像のガラスチューブの中に入っている黄色い粒が、この方法で作った人造ダイヤの結晶。サンプルでもらえました。
0.2~0.3mmくらいの砂粒サイズで、カットしていないので正八面体型の結晶ですが、ちょっとだけキラキラ光ります。

さて、しゅんけいの実験では、80年代に開発されたばかりの、もっと簡単な方法でダイヤの結晶を作りました。
それは「気相合成法」といって、メタノールなどの炭素を含むガスを熱することで圧力をかけることなくダイヤを作れるというものです。

実験装置の略図はこんな感じ。


Aの試験管の中に、5ミリ角くらいの小さなシリコンの板を入れて、そのそばにタングステンのフィラメントをセットし、試験管の中をメタノールで満たします。

そしてフィラメントに電気を通し、熱でメタノールが気化して液面が下がり、フィラメントがメタノールのガスの中に出たら、フィラメントの温度を2000度まで上げて、2時間置いて反応させます。

この間に、メタノールガスが熱で分解されて、切り離された炭素だけが集まってシリコン基板の上でダイヤモンドの結晶を成長させるというわけです。

なので、トップ画像のような「目で見てわかる」ほどの結晶ができるわけではなく、十数μmというごく小さな結晶が、びっしりとシリコン板を覆いつくすというわけです。
しゅんけいが実際にダイヤでコーティングしたシリコン板がこれです。
表面にモアレ模様のような白っぽい部分があるのがわかりますか?
このあたりにダイヤがくっついていたそうです。


というわけで、できあがったミクロサイズのダイヤは、金属顕微鏡という顕微鏡で観察しました。
ちゃんと、表面にダイヤの結晶がたくさんくっついていたようですよ。

ダイヤモンドは耐薬品性に非常に優れているので、このようにダイヤで安価にコーティングできる技術が確立できると、応用範囲はとても広く考えられるのだそうです。
現在は、より高品質のものを均一にコントロールして作れるように、研究が進んでいるとか。

しゅんけい、小学校の普段の理科の授業で、ビーカーの水をアルコールランプで温めて「お湯が100度で沸きました~」という程度の実験では全然食い足りないようだったので、今回いっちょまえに白衣を着たり、実験装置を組み立てたり、顕微鏡を覗いたりといった「博士な感じ」にノリノリだったそうです。

今度の土曜日にも別な実験の予約が取れたので、今度は私が引率する予定です。
ぱぴりおお父さん、自分も実験に夢中になってしまって、今回は写真が全然撮れなかったそうですので、次回は私がいい写真をゲットしてみましょう。