その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響 2⽉公演、熊倉優 指揮、イザベル・ファウストVn シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲第1番ほか

2021-02-15 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

N響2月公演の2つめ。11月に続いての熊倉さんの指揮で、チェコ・ポーランドの東欧プログラム。

今回はオケの後ろ側の席に陣取ったので、オケの一員気分で熊倉さんの表情が良く分かります。前回NHKホールの時にはやや硬さも感じられた熊倉さんですが、今回は舞台慣れした感じで、冒頭の「売られた花嫁」の舞曲から伸び伸びと活気ある音楽を聴かせてくれました。

圧巻は2曲目のシマノフスキのヴァイオリン協奏曲でのイザベル・ファウストのヴァイオリン。この曲、実演では2度ほど聴いていますが(カロリン・ヴィートマン、LP/クリスチャン・テツラフ、LSO)、決して聴きやすい曲ではないけど、意味深く感じる不思議な世界観が醸し出される音楽です。独奏のファウストさん、こんな世界中で大変な時期によくぞ来日してくれました。それだけで大感謝なのですが、ファウストさんの音色は実に繊細。一音でも聞き漏らすまいと、前傾姿勢で全集中して聴きました。曲の細部や表現の様式は、私にはようわかりませんが、緻密かつ切れ味ある音色はこの曲の読足の世界が展開されました。会場は大拍手、声は出せませんが、”Bravo”と記載した個人用ミニ横断幕を掲げた方もいらっしゃいました。

更に、お口直し的なアンコール曲での自然な美しい音が涙もの。本当にこんなに美しい音があるのだと、この日この場にいる幸せをしみじみと感じさせてくれる演奏でした。

後半のドヴォルザークの交響曲第6番を聴くのはきっと初めてです。予習もなしだったので、曲を追っかけるので精一杯でしたが、席のおかげもあり管陣の美しい音色を堪能しました。弦も含めたN響の皆さん熱演で、熊倉さんをまさに盛りたてていました。

ファウストさん効果もあってか、1席間隔を開けた配席とは言え、かなりは埋まった客席から盛大な拍手がおくられました。私も満足感一杯で帰路へ。

 

NHK交響楽団 2⽉公演 東京芸術劇場
2021年2月12日(金)開場 5:00pm 開演 6:00pm

東京芸術劇場 コンサートホール

スメタナ/歌劇「売られた花嫁」─ 3つの舞曲
シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 作品35
ドヴォルザーク/交響曲 第6番 ニ長調 作品60
指揮:熊倉 優 
ヴァイオリン:イザベル・ファウスト 

【本公演のアンコール曲】ニコラ・マタイス/ヴァイオリンのためのエアー集 ― 前奏曲/パッサージオ・ロット/アンダメント・ヴェローチェ(ヴァイオリン:イザベル・ファウスト)

NHK Symphony Orchestra February Concerts at Tokyo Metropolitan Theatre
Friday, February 12, 2021 6:00p.m. (doors open at 5:00p.m.)

Tokyo Metropolitan Theatre  Access Seating chart

Smetana / "The Bartered Bride," opera — Three Dances
Szymanowski / Violin Concerto No. 1 Op. 35
Dvořák / Symphony No. 6 D Major Op. 60
Masaru Kumakura, conductor
Isabelle Faust, violin 

 


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