先月、国宝展に脚を運びました。前半が東博所有の国宝展示、後半が創立150周年を記念した東博の歴史を辿り未来を見据える展示です。国の宝と言うだけあって、見どころ満載の品々がこれでもかというほど展示され、眼福の至りです。
前半は絵画、書跡、刀剣等が中心。私は特に絵画に魅かれました。「一遍聖絵」(法眼円伊筆)、「花下遊楽図屏風」(狩野長信筆)、「納涼図屏風」(久隅守景筆)など、当時の風俗が伺われ、かつ人々が今そこに居るような空気を醸し出している絵が好みです。
書跡や刀剣については、真価が分かるほどの眼を全く持っていないので我ながら残念です。ただ、太刀 銘三条(名物 三日月宗近)は素人目に見ても、その品格、風格、美しさは別次元で、薄い刀身を見ていると霊気というか冷気がすっと体を通り過ぎる感覚は、怖いぐらいでした。
後半の展示では、未来の国宝である「風神雷神図屛風」(尾形光琳)が圧巻でした。風神雷神図屛風と言えば俵屋宗達という日本史一問一答が染みついているため、恥ずかしながら、光琳が模写をした絵があるのは初めて知りました。模写とは思えない、見えない、精巧かつ迫力満点の図屏風で暫し立ちすくみ。
[撮影okな金剛力士像]
日時完全予約制のため、混雑も許容範囲内でしっかりと鑑賞。2時間近く滞在し、お腹一杯。展示も入れ替わるので、できれば2回、3回と訪れたいのですが、スケジュール上難しそうです。博物館敷地や上野公園の紅葉も見事でした。
2022.11.11