その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響定期演奏会 Cプログラム/ ネルロ・サンティ指揮/ レスピーギ「ローマの松」ほか

2014-11-22 23:11:01 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

《NHKホール前は秋真っ盛り》

 今の時期、海外の現地社員達が来年のビジネスプランの議論のために来日します。欧州から来た昔の同僚達が口を揃えて言うのが、「この時期の東京は明るくて、爽やかで最高だよ。帰りたくないよ」。英語ではこういう天気に”crisp”という形容詞を使うようです。今日も、そんな最高の秋空でした。 

 そして、今日のサンティ翁のイタリアプログラム。東京の秋空のように明るい陽射しながらも、より暖かくほんわかした春のような陽光が射した演奏会でした。

 一週間前にマリナー老師のもと、超骨太のドイツプログラムを聞かせてくれたN響は、先週とはうって変って、色彩鮮やかで華やかな音色でした。この変幻自在ぶりに「さすがプロだね~」と感心するとともに、大した動きもないサンティ翁の棒捌きの中にどんな秘密が隠されているのか不思議な思いに駆られます。

 曲がらからか、管楽器の活躍が目立ちました。「どろぼうかささぎ」序曲のピッコロ、「イタリア奇想曲」のイングリッシュホルンが印象的でしたし、そして「ローマの松」はあらゆる楽器が持ち味を発揮しての大円団。イタリア、また行きたくなった~。

 今年83歳というサンティ翁。演奏中やカーテンコールの途中で倒れやしないかと冷や冷やさせてくれるし、本当はもっと拍手したいけど、あんまりステージに呼び出すのも体に障るかと、気を遣ってしまいます。でも、この巨体をヨチヨチしながら歩む姿を見ると、ここまでして極東の国、日本まで来てくれるのだと、ありがたい気持ちで一杯です。

 ホールを出ると、外は日が暮れかかり、薄暗くなっていました。思いのほか気温は下がっていませんでしたが、イタリアからの温もりが体を暖かく包んでくれる感覚を味わいながら、余韻を楽しみホールを後にしました。



《渋谷センター街のクリスマスイルミネーション(ピンボケですが一応記録のため)》


第1794回 定期公演 Cプログラム


2014年11月22日(土) 開場 2:00pm 開演 3:00pm

NHKホール

ロッシーニ/歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」作品9
チャイコフスキー/イタリア奇想曲 作品45
レスピーギ/交響詩「ローマの松」

指揮:ネルロ・サンティ


No.1794 Subscription (Program C)

Saturday, November 22, 2014 3:00p.m. (doors open at 2:00p.m.)

NHK Hall

Rossini / “La gazza ladra”, opera - Overture
Berlioz / “Le carnaval romain”, overture op.9
Tchaikovsky / Capriccio italien op.45
Respighi / “Pini di Roma”, sym. poem

Nello Santi, conductor
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする