AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

ブランディングの維持と持続力 Badwiser の場合(5)

2015-07-17 22:02:38 | ブランディー質で割ったらブランデイング









ここ数年馬路線で好感度を獲得しているバドワイザーですが、興味深い広告分析をアップしてらっしゃるところがありました。(RedRock http://blog.redrock.co.jp/2014/08/18/emmy-award-budweiser/)アメリカのスーパーボールで放映されたCM。バドワイザーで扱っているビールのように、選択する際にあまり注意を払われない商品、好き嫌いのこだわりが少ない商品=低関与度商品は、通常のマーケティング戦略と一線を画す必要があります。
ー1.低関与型商品を購入する際、消費者は「ブランドが好きかどうか」で判断するアメリカでは、日本でいう“アサヒスーパードライ”のような位置づけのバドワイザー。
退役軍人の帰還を歓迎し、“Every soldier deserves a hero’s welcome.(全ての軍人がヒーローとして歓迎されるに値する)”というメッセージを伝えています。
アメリカでは退役軍人は尊敬の対象とされ、田舎町においてはとくに尊重されます。
その尊重の姿勢をバドワイザーがブランドのメッセージとして伝えることで、同じ姿勢や思いをもった消費者は共感します。退役軍人やその回りの家族や友人、また愛国心のある人はこのCMメッージから“バドワイザー=自分たちのブランド”と思い、そのブランドを好きになり、購入につながります。日本で言えば「非説得の説得コマーシャル」サントリーの山口瞳さんの「雁」であり、亡き松尾慎吾監督のアランドロンの「ダーバンのCM」です。





今で言えばちょっと行きたくなってしまう日本人の願望「そうだ京都、行こう。」こういう昭和のちょっといい気分にしてくれる広告は少なくなりました。

ブランディングの維持と持続力 Badwiser の場合(4)

2015-07-16 17:38:01 | ブランディー質で割ったらブランデイング
















蛙ではじまったバドワイザーの動物起用はここ数年主役は「馬」でした?日本同様に動物ものは視聴率を上げます。そう言えばSONY トリニトロン 「タコの赤ちゃん」にウオークマンの「猿」ともに表現の質は高いのです。Jhon West Red Salmon 鮭を取る熊に対決すると言う馬鹿げたCMもありましたが、カンヌで受賞しております。猫や犬は時として役者を食う。それは世界共通なんでしょうね。

ブランディングの維持と持続力 Badwiser の場合(3)

2015-07-14 19:43:19 | ブランディー質で割ったらブランデイング









時代に残る名作CMは時として政治にも利用されます。
まずはW.モンデール候補が見栄えのよさで人気のあった対立候補G.ハートの政策の貧困さを皮肉るネガティブ・キャンペーンで用いました。
そしてオバマとヒラリーとの代表選ではAppleの「1984」をパロってました。「Vote Different」です。面白いのは、斧を持って駆け込んで来る女性がiPodをしていることです。芸が細いのです。
それと各候補は戦略家として広告業界で有名な人物を引き抜いてしまうのも日本と違うところです。そして2000年の「Wassup? 」も2008年に違った形で蘇りました。





ブッシュのイラク戦争に内政経済の酷さを風刺しているネガティブキャンペーンでした。



ブランディングの維持と持続力 Badwiser の場合(2)

2015-07-13 01:01:33 | ブランディー質で割ったらブランデイング






そして2000年 あの名作CMを生みます。「Wassup?」です。
米国会話は英会話よりも多くの音葉が時代とともに進化 と言いますか、流行り言葉のように変化していくのです。私がいた頃は挨拶と言えば「Howday?」でした。サンディエゴでしたが、、、。
この「Howday?」は「How do you doing today?」の略です。カリフォルニアではこうでしたが、ユタのソルトレイク、東海岸のNYではまた違っていました。日本の流行り言葉同様に時代とともに進化していきます。「交番」や「おもてなし」 それに「津波」などは既にそのまま英語になっている。そこがアメリカの良さでありますが、英国となると権威だけを重んじますからこういう表現はまずしません。英国人もフランス人もアメリカ人を馬鹿にするのですね。日本に住んでいるアメリカ人の多くは日本語を喋ります。海外の大学でも日本語をコースは人気なのです。英国人の特ににプライドだけが強い連中は一切日本語を喋ろうとしません。要は黄色人種を下に見ているからです。話が逸れてしまいましたが、挨拶もいろいろですが、「What'up?」は結構女性が声をかけてきましたね。「What been up Today?」を短くしたものです。これが進化してBadwiserのCMが放送されるや、誰もが挨拶としたのが、・「Wassup? 」は「What's up? 」を短くした挨拶です。さらに短くして"sup"ということも度々あります。Wassup? (What's up?) は「最近どうよ?何かあった?何やってんの?」のようなニュアンスを持つ挨拶なので、正確に言えば、質問です。What's going on? と同じ意味です。
Wassup? はWhat's up? を短くした挨拶です。さらに短くして"sup"ということも度々あります。Wassup? (What's up?) は「最近どうよ?何かあった?何やってんの?」のようなニュアンスを持つ挨拶なので、正確に言えば、質問です。What's going on? と同じ意味です。
A: Wassup?  
最近どうよ?何かあった?

B: Nothing much. Just chilling at home.
いや、別に。家でまったりしてるだけ。(chill(スラング): まったりすしかし実際はWassupは答えないでそのままWassupで返すことが多いで"Hi" とか "Hey"のような挨拶と思ってJohn: Wassup!
OG: Wassup John!
プライベートで初対面の人に挨拶するときも、男同士なら、"Wassup man. Nice to meet you. I'm John." と挨拶します。
しかしフォーマルな場面、ビジネスでは使いません。
女性が使ってもかまいませんが、「What's up?」の方が普通かもしれません。
「Wassup? 」は元来 黒人たちが使っていた挨拶でしたが。ワザーアップから「ワザー」Badwiserの「wiser」にかけたんでしょう。これが話題になって当時の流行り言葉になってしまいました。日本で言いますと大阪電通 堀井さんの「どんとポチイ!」しばれる寒さ=どんとポチイとなったのとおなじです。商品の実売拡大のみならず、一つの社会現象を引き起こした。これは広告に携わるものにとって名誉なことです。あの名作「Where is the beef?」以来の名タグラインでした。
それが8年後違つた意味合いのパロディー広告を生むのです。


ブランディングの維持と持続力 Badwiser の場合(1)

2015-07-11 12:46:19 | ブランディー質で割ったらブランデイング



バッドワイザーといえばスーパーボールのCMでおなじみですが、1979年の「This Bud’s for you」のキャンペーンがトップ10スローガンに入っておりました。
ちょうどミラーライトに対抗してのスローガンだったらしいです。
学生時代 サンディエゴ州立大学の図書館で調べ物した後近くのピザパン屋でバットワイザをちょこっと飲みました。元来飲めませんが、アメリカンビールとの初めての出会いでした。
このキャンペーンよりもその後のキャンペーンの方が更に質が高いと思います。
1995年のカエルのバッドワイザーなんか最高でしたね。





ブランディングの維持と持続力 Think Different の場合(8)

2015-07-06 16:48:26 | ブランディー質で割ったらブランデイング



私たちはいくつかの驚異的な広告を持っています。この広告はほとんどすべてのテレビで放送されます。そして、数週間以内に主に雑誌のバックカバーで、一部は内側のページにそれらを載せ始めます。私たちはすばらしい屋外広告をいくつか行い、さらに5~6の大都市で巨大な壁を塗りつぶします。

みなさんにお見せする前にお伝えしたいのは、今の時代、この広告に登場する人々を使うためには、生きていても亡くなっていても、生きている場合は本人から、そうでない場合は州や代理人から許可が必要であることです。

これらの人々はほとんど全員が私たちがお願いしなかった限り、これまでも、そしてこれからも広告に登場することはなかったでしょう。私はJohnを数日間使わせていただくためにオクラホマ州から許可を得ました。

これは私にとって、信じられないほど感動的な経験だったのです。

なぜなら、生きている、亡くなっているに関わらず、私たちにそうさせずにはいられないほど強い気持ちを持っている彼らの存在が、とても強く思えたのです。

私は地球上にこのキャンペーンができる別の会社があると思えません。私にとってとても特別なことなのです。
ここにビデオテープと屋外広告があります。
ビデオテープを再生して、みなさんにこれがどんなものなのかを感じていただきたいです。
また、これは雑誌のバックカバーに印刷された広告の1例です。“Time Warner”のもので、初めて発表する広告です。
Martha Graham. Thomas Edison. Alfred Hitchcockらはビデオには出てきませんが、この映像は本当に素晴らしいのです。これを見てください。これは屋外、Muhammad Aliです。これらすべては数週間のうちに上がります。
これはRosa Parksです。5大都市を回る5つのバスです。
これが私たちのやっていることです。
みなさんはこの数日間、昼夜問わず、仕事を完成させるためにかなりの努力をされました。これは私が長い間見てきた中でも最高の仕事です。また、Appleがこれまでにしてきた中でも、最高の仕事だと思います。
広告だけがすべてではありません。私たちはまもなく仕上がってくるいくつかの信じられないほどエキサイティングな製品の発表を待っているところです。
次の3~4か月で信じられないほど興奮するようなことがいくつも起こります。
そして私は、ここにいるみなさん、また今ここにはいなくても、会社を取り巻くすべての皆様の惜しみない努力に、本当に深く感謝します。

この会社は絶対によい方向に向かいます。
実際のところ、今の大事な質問は
「私たちは、Appleをよい方向に向かわせることができるか?」
ではないです。それはブービー賞ですね。
「私たちはAppleを本当に偉大なものにできるか?」
がふさわしいでしょう。ご清聴、ありがとうございました。

そして今、Apple は「Think Different 」を次の世代へ繋げていける企業となった。この言葉は永遠に引き継がれていくだろう。

ブランディングの維持と持続力 Think Different の場合(7)

2015-06-30 13:52:12 | ブランディー質で割ったらブランデイング



Appleが絶対的に信じたもの。そのコアはAppleが今日表すものとまったく同じものなのです。私たちはこれをお伝えする方法を探していたのです。私たちがそうすることができるのに、私はとても感動しているのです。
世の中を変えた人々を称えているのです。彼らの一部は実際に生きていますし、一部はそうではありません。しかし、彼らが生きていたとして、もしコンピュータを使うなら、それはMacだったでしょう。
キャンペーンのテーマは「Think different」です。





世間の人々は、人と違うように考えて世の中を前進させる人々のことを称えているでしょうか。私たちがしようとしていることは恐ろしいことで
す。それはこの会社の魂に触れることです。だから私はそれを推し進めることになるでしょう。



そして、あなた達も私と同じように感じていると私は願っています。
これは私たちが表現しているものです。あなた方はこれを好きではありませんか?
良いでしょう!
ある人々は、どうして私たちがより良いプラグアンドプレイを持っているかについて十分話さないのか、と私たちのことを批判するでしょう。
しかし、私たちは、
Appleがどういった存在なのか
どうしてまだこの世の中で必要とされているのか
を人々に知ってもらう必要があるのです。
私はこれはかなり大切な仕事だと思います。私たちは次の日曜日、このキャンペーンを詩的な方法で始めます。
“The wonderful world of Disney”はABCで放送再開されます。日曜日の夜、7時だったと思います、最初に放送されるのは“Toy story”の放送網での初放送です。
そして、私たちの67秒間のコマーシャルが2回流れます、最初の1時間、次の1時間に1回ずつです。それから、マニフェスト、言葉を掲げ、“The times”, “The mercury”, “The examiner”, “USA today”といった雑誌や新聞に広告を出します。また、みなさんに2週間以内に何が始まるかをお見せしましょう。

ブランディングの維持と持続力 Think Different の場合(6)

2015-06-29 20:39:11 | ブランディー質で割ったらブランデイング



Appleのコアの部分、そのコアの価値は、情熱を持つ人たちが世界をより良いものに変えることができると、私たち自身が信じているということです。それこそが私たちの信じていることなのです。
私たちはそのような人々と仕事をする機会がありました。私たちはあなた方やソフトウェア開発者、顧客と共に働くべきなのです。
世の中を人々がより良いものに変えることができると私たちは信じています。
彼らは世界を変えられると十分信じているクレイジーな人々で、実際にそれをやってのけるのです。だから私たちが数年間、最初のブランドマーケティングキャンペーンにしようとしていることは、コアの本質的な価値に戻ることです。
たくさんのことが変わる世の中です。市場は10年前とは全く異なる場所です。Appleも全く違います。Appleを取り巻く環境も全く違います。
どうか私を信じてください。製品と流通戦略と製造は全く違うのです。私たちはそれを理解しています。しかし、コアの本質的な価値は変わるべきではないのです。




ブランディングの維持と持続力 Think Different の場合(5)

2015-06-28 18:52:36 | ブランディー質で割ったらブランデイング



これから製品ラインがはるかにシンプルに、そしてより良くなることをお目にかけます。また、驚くべき見事な新製品も準備しています。私たちは30パーセントの素晴らしいプロダクトにフォーカスし続け、新しい製品をいくつか追加しました。これらは私たちを、まったく新しい方向へ導いてくれるでしょう。

これらの新製品について、とてつもなく、わくわくしています。私たちが作るべき製品について発想が今までとまったく違うと私は思います。

エンジニアリングチームは信じられないほど刺激的です。私がちょうどプロジェクトがキャンセルになり彼らと一緒にミーティングからでてきた時、彼らは地面から1メートルほど浮くほど興奮していました。私たちがいったいどこへ向かっているかを彼らはついに理解し、この戦略にとても奮い立っていたのです。
同時に私達、そして私は考えました。流通の変化についていけていないように思うのです。
私たちは約8週間前につくり始め、次の質問をしました。

「私たちの顧客が知りたいのは、Appleはいったい何なのか?」
「私たちはいったいどのような意味を成すのか?」
「私たちはいったいこの世のどのような場所に存在しているのか?」
と。

私たちがまさにしようとしていることは、いくら得意だったとしても、人々が仕事を成し遂げるための箱を作ることではないのです。場合によっては私たちは誰よりも良くできます。しかし、Appleはそれ以上のものなのです。(続く)


ブランディングの維持と持続力 Think Different の場合(4)

2015-06-26 00:41:13 | ブランディー質で割ったらブランデイング







1997年9月23日、Apple社内にて。スティーブ・ジョブズが”Think Different”について社員に語っています。

おはようございます。私たちはこの広告を完成させるため、朝の3時まで起きていました。これからこの広告をみなさんにお見せして感想を伺いたいと思います。

さて、私が戻ってから2か月強になりますが私たちは本当に一生懸命努力しました。私たちがこれからしようとしていることは、おおげさなことではありません。
むしろ基本に立ち返ろうとしています。すばらしい製品、すばらしいマーケティングとすばらしい流通という、基本に還ろうとしているのです。

Apple社にはもちろんすばらしさがありますが、ある点においては基本に忠実かどうか、ということからかけ離れているように思えます。

そこで私たちは、製品ラインから着手しました。この数年間どんどん大きくなるプロダクトロードマップを見てみて下さい、意味のない製品をたくさん販売しています。製品があまりにも多く、フォーカスしていません。実際、私たちはプロダクトロードマップのうち70パーセントの製品を削除しました。

私はその後数週間も、この価値のない製品ラインのことがよくわかりませんでした。このモデルは一体何なのか、一体これはどういった製品なのかと考えざるを得なかったのです。

私は顧客と話し始めたのですが、彼らも同じく理解できませんでした。

これから製品ラインがはるかにシンプルに、そしてより良くなることをお目にかけます。また、驚くべき見事な新製品も準備しています。私たちは30パーセントの素晴らしいプロダクトにフォーカスし続け、新しい製品をいくつか追加しました。これらは私たちを、まったく新しい方向へ導いてくれるでしょう。

これらの新製品について、とてつもなく、わくわくしています。私たちが作るべき製品について発想が今までとまったく違うと私は思います。

エンジニアリングチームは信じられないほど刺激的です。私がちょうどプロジェクトがキャンセルになり彼らと一緒にミーティングからでてきた時、彼らは地面から1メートルほど浮くほど興奮していました。私たちがいったいどこへ向かっているかを彼らはついに理解し、この戦略にとても奮い立っていたのです。

同時に私達、そして私は考えました。流通の変化についていけていないように思うのです。(続く。)