新書です。イアン・スチュアートと言えば知っている方もおられるでしょう。数学の啓蒙書で、原題はほんの入り口までのシンメトリー(Symmetry: A Very Short Introduction)です。話題提供なのですけど、うまく導いていて、たとえば楕円関数がどのように情報理論の暗号と結びついているのかなどが、概観されています。この解説法がなぜか日本語ではなかなかお目にかからないです。最後の方は群論としては高度な話題です。
ううむ、この内容で翻訳可能なのに、今私が訳している幾何学本はなぜ前任者が頓挫したのか。群論としては古典幾何学の範囲だけです。
以前にも言いましたが、非ユークリッド幾何学が出てくるので、具体的な座標の算出に座標変換、いわゆるテンソル記法が出てくるのと(ただし具体的に出てくるのは三角関数と双曲線関数(指数関数)だけだったりする)、もう一つは空間を多重に使う話題が出てくるところと、私は思っています。
恩師の意見では無限多角形の具体的な姿の想起など、空間認識能力みたいに言っていて、おそらくそちらもかなりの度合いで。こちらは建築家(回廊)とか化学者(高分子)はものすごく有利です、私のような生物系(DNAとかタンパク質とか)も。
原著は2013年の本で、くだんの幾何学本をよく知っている感じがします。古典とはこういうのだ、と。音楽で言えばバッハの練習曲みたいな楽譜に相当しますか。
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