電子の方の一般向け科学啓蒙新書はとても良くまとまっていて読みやすいでした。
電子のスピンを検出する磁気勾配の実験装置は改めて思い出しました。これ、直列接続すると面白いのですが、その話はあったかな。
うむ、これを電子では無くニュートリノでやってみたいと思いましたが、できるかな。何が分かるか私にはいまいちなので、思考実験をやって欲しかったです。
電子が角加速度を受けるとシンクロトロン放射光を発生して速度が落ちてゆく、の説明があって、しかし原子内でそうならないのは量子学的軌道に沿っているから、の説明です。これ、本当に納得しているのかな。
例えば、地球の月はなぜ地球に落ちてこないのか、の説明はニュートン力学では万有引力で確かに落ちているのだが、円軌道だと周回になってしまうから、だったと思います。しかし、その場合は角加速度はあるはずです。
一般相対性理論だと、月は外力を受けていないので真っ直ぐ飛んでいて、しかし地球の重力場で空間が曲がっているから、外部から見ると円軌道みたいになる、だったはずです。それでも潮汐力は残ります。
ですから、原子内の電子は軌道を「真っ直ぐに」進むからシンクロトロン放射光を発しない、との解釈が必要と思います。もちろん、一般相対性理論では無理で、ゲージ理論が必要でしょう。
他にも、化学編で価電子が出てきて、歴史的にはこの解釈で現代のきらびやかな工業社会が実現できたのですから、最初の近似としては有用と思います。
しかし今はフロンティア軌道が分かっているのですから、その感じの説明は欲しかったです。つまり、原子だけでは無く分子にも1S軌道から始まる電子軌道の系列があって、その最前線が化学反応に関わっているのだと。
私の解釈では、熱電子はまさにそのフロンティアです。陽イオンと陰イオンの結晶とかでも解釈可能でしょう。
ファンデルワールス力の分極による引力は説得力があって、これは証明されているのかな。