栃尾の隠れ里

2014-09-05 | 日記

        

夏の盛りの頃の一枚である。国道290号線上を東に向かって走って、途中の集落である。赤い屋根の家が一軒だけしか写ってないが、家々は点在している。偶に、この国道は夜に通ることもあるが、外灯もなくて、いつか月が綺麗に見えたことがあって、勝手に “ 月里 ” だな、と思ったことがある。関越自動車道を走って群馬県に入ると 「 月夜野 」 という地名の表示看板があるが、きっとこの土地も月が綺麗に見えるのだろう。僕は未だここでは見たことがないから、一度確認して見たいとは思うのだが、いつになるだろうか … 。

もうじき中秋の名月である。今年は早いそうで、9月8日がその日だということである。せめて名月を愛でに、またこの “ 月里 ” に行って見ようか。今から204年前、暑さの残る日差しの中、豊後の長久寺境内で戸田秋谷が命を絶った瞬間、蜩が一斉に鳴き始めたという 『 蜩ノ記 』 の最後の一行である。

       蜩の鳴く声が空から降るように聞こえる。