海に吹く風

海の大好きな私
ここで皆さんとお話しましょう

日々思うこと、短歌についても書いていきます

滅亡

2019-07-16 12:23:11 | 短歌

葉の影に隠れてジュラ紀を生き延びしちさき体の哺乳類たち(エオマイヤ)

太陽のひかり届かぬ白亜紀の森をさまよふ恐竜の群れ

卵を抱く姿のままの恐竜の化石に残る羽根の痕跡

はるかなる記憶を風が語るとき砂漠の蜥蜴足を止めたり

ふたたびの繁栄の時待つごとくウミイグアナは海を見てをり

禁断の林檎の味が忘られぬアダムとイブの旅の始まり

楽園を追はれし日から他の命奪はなければ生きられぬヒト

ドードーのまぼろしの声大陸の森に響きぬ満月の夜

増殖するレミングの群れそそり立つ白き崖から海へなだれつ

支配者の顔したヒトが手に入れし原子力とうパンドラの箱 
 
眼に見えぬ毒の煙が迫りくる渚は今も美しいまま

箱船を追ひかけ沖へ漕ぎ出せる小舟の群れが波の間に消ゆ

新宿にビルの墓標は並びたりホモサピエンスの記憶をとどめ

人類の最期の柩進みゆくロボットたちの礼に送られ

人類が滅亡したるそののちも動き続ける地球(テラ)の原発


人類はいつか滅びるだろう。
それが近い未来なのかははるかに遠い未来なのかはわからないが。
長い間繁栄を誇ったあの恐竜でさえ滅びたではないか。
コメント (2)
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